足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米企業の決算は緒戦でつまずいた

2006-07-11 18:07:23 | 株式

注目された今週のウォール街であったが、決算発表の皮切りのアルコア(AA)は期待はずれに終わった。利益は事前の予想を上回ったが、売り上げが伸び悩んだ。

東京市場ではアルミの精錬企業の上場銘柄はなくなったが、米国でアルミ株が注目されるのは製品があらゆる産業界に関係してくるからである。それだけに景気の現状を判断するバロメーターして投資家は関心をもつ。産業界の代理人でもある。期待以上の数字が出なかったことに市場人気はショックを受けた。相場の不透明感を打破する突破口として期待した決算発表は緒戦で挫折した。

引き続いて通信機器の大手であるルーセント・テクノロジー(LU)が週後半の発表に先駆けて決算発表に慎重なコメントを出した。ウォーニング(警告)である。国内の通信会社からの受注が低調であったことを理由にあげる。ハイテクの代表企業であるだけにナスダック市場の先行きに懸念する人気を呼んでいる。

両社の先行きの慎重論で気がかりなのは中国での売り上げの伸び悩みや減少に触れたことである。世界経済のけん引役であった中国での不振がほかににも波及するのかどうか?

現在の日本株のファンダメンタルはよいし、株価水準も居心地のよいところである。しかし外人投資家のセンチメントをみていると政治情勢と投資家心理(特に日本の)を気にしている。

米国の企業業績が目先の大きな関心事であっただけに、結果が裏切られるかどうか今週の後半には注目しなければならない。