足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ヤフーの決算発表に感じる

2006-07-21 18:37:49 | 株式

本日、東京でもヤフー(4689)の決算発表があった。インターネットを通じてリアルタイムで機関投資家、アナリスト向けの説明会の模様が放映された。画像も2年前に比べると鮮明でインターネット技術の革新的な進歩を実感させられる。しかも誰にでもPCを通じてみられるので、会場に出席しなくても机上で、同社の井上社長と対面できる。これまでは出席するために(六本木ヒルズのホテル)、往復の時間をいれて3時間は要した。いまは1時間半。インターネット革命のすごさを実感する。

残念ながら第1四半期の売上げは前年比で+27%。今期の通期の予想は+30%であったので、計画をも下回った。2006年3月期は売上げの成長率+47%であったので、明らかに鈍化している。会社は広告の伸び悩みを指摘するが、同社の固有の理由があるように思う。

インターネット革命が「Web2.0」と第2期にはったというのに立ち遅れが明瞭であった。出席したアナリストの質問の中にはグーグルの言葉がしばしば出てきた。再び下克上の時代の激しさを実感させる。

今日の東京市場では新興市場も大きく反落した。しかしヤフーに比べて問題にならないぐらい、小さなドリコム(3793・マ)は市場全体に逆行高をした。この動きと重ね合わせてインターネット株への投資の価値観の変更を迫られているような感を強くする。


相場の中味をみる

2006-07-20 18:25:56 | 株式

今日の相場の内容には驚いた。東証1部の値上がり1642銘柄、値下がり38銘柄。

騰落指数は4321%である。間違いではないかと計算し直したほどである。ニューヨーク株の上昇が発火点であはあったが、それだけ先行きに慎重な投資家が多く、ショート・カバー(空売りの買戻し)も多かったのだろう。

新興市場の反発にも目を見張るものがあった。日経平均+3.03%、マザーズ+7.07%、ヘラクレス+7.28%であった。新興市場にはほとんど空売りはないので、押し目買いの実弾である。

昨日も書いたように市場人気が極端に弱気になっていただけに反発も大きい。昨日までにマザーズは1月の高値から-57.8%も下がっていた。2004年6月~2004年11月の-46.1%をも上回る下落率であった。これから相場の力学である「動反動」作用が働くだろう。英語に「死んだ猫のダンス」という言葉があるが、今回の新興市場にはそんなことわざは心配はない。日本産業の再生の尖兵役だから・・・

ただ本格的な回復は10月以降とみるが、目先は第1部市場を上回る上昇率は確実である。問題はなにを狙うか?

私は「Web2.0]関連に集中したい。


投資家心理は最悪・・・目先、小反発へ

2006-07-19 18:22:24 | 株式

ウォール街を取り囲む投資家心理は最悪である。「CNN Money.Com」は「最悪の、最悪の悪い(状況)」と現在の相場を表現している。中東情勢、原油高、景気の鈍化、企業業績の減速、金利の上昇という材料に加えて、大統領選の中間選挙の年という経験則をあげる。それに、株価にとって過去18年間で最悪の月という8月を控えている。このよううなことが投資家の頭にこびりついているだけに、前向きになれないのは当然である。

ボラティリティー指数(VIX)というのがある。シカゴ商品取引所のオプション取引の変動率を指数化したものだが、数値が高くなると先行きの不安心理の高まりを意味する。最近は18.05と一年前の10.33に比べて大きく数値が跳ね上がった。逆張り戦法からすると相場の目先き底を暗示する。

日本でも大証の株価指数オプションのインプライド・ボラティリティー(変動率の理論値)が7月12日には38.3と高水準になった。ゼロ金利解除の会合の直前である。昨日も29.6と高い数値が続いている。相場が高値にあった4月には数値は15.6まで低下していた。現在の高い数値はウォール街での見方を適用するならば底値圏と読める。

新興市場は10日間の続落である。最悪の8月を前にして、投資家心理からしても小反発が期待できるとみる。


水曜日夜(日本時間)のバーナンキ証言

2006-07-18 16:49:37 | 株式

「イスラエルは2面作戦(ハマスとハズボラ)、イランは核開発の続行、北朝鮮はミサイル発射、ムンバイでは列車爆発、ナイジェリアでの破壊・・・」と今週の米バロンズ誌の「マーケット・ウィーク」版の表題に、いきなりこのような文章がでてきた。

世界の株式市場が波乱の渦巻きに巻き込まれてる様相を表現している。今日の東京市場もこの渦巻きの中に沈み込んでしまった。

これからの方向性をどうみるか?同誌は有名なストラティジストのバイロン・ウエィン(ヘッジファンドのピクオット・キャピタル)の「週末はあまりにも楽観的であったが、すべてが悪い方向に進んでいる。安心より懸念の方が大切だ」という言葉を紹介している。彼はジョージ・ソロスの無二の親友である。

いまウォール街の関心は水曜日の連銀バーナンキ議長の議会証言に集まる。世界の中央銀行である連銀が行動をおこすかどうか?大いに注目したい。


NY株は意外に落ち着いているが・・・

2006-07-17 16:13:06 | 株式

世界の株価の焦点はイスラエルとレバノンの戦闘に移ってきた。

原油相場が$80台乗せをうかがう動きである。シカゴ商品取引所のNY株先物は週末に懸念したほどには、現在は反応せず落ち着いてはいる。小安い程度である。しかし北朝鮮問題以上に中東での戦火は米国の投資家にとっては気になるところである。

NYダウは先週後半の3日間で-3.5%となった。ショート・ポジション(カラ売り)を積み上げているトレダーやヘッジファンドにとっては、さしあたり買い戻しからはいるだろう。短期的には大きな成果になったからである。しかし目先の相場の調整は終わったみるには、目先、不確定な材料が多すぎる。

なによりも中東問題がどう展開するか。おそらく国連の場での紛争解決の議論が始まるが北朝鮮と同じように問題の解決は複雑である。米国の投資家にとつては北朝鮮よりも短期的にはより大きな問題。石油がからんでいるからである。

19日にはバーナンキ連銀議長の証言がある。今回は相場に影響を与えるような発言は避け無難な話になるだろう。

われわれの関心事は米企業の第2四半期の決算発表である。特にヤフー(YHOO)とグーグル(GOOG)の決算に注目したい。

東京市場は方向観がはっきりするまでは慎重な姿勢を続ける。