北朝鮮問題、インドでのテロ、イスラエルとレバノンの紛争など地政学リスクの高まりから金相場が今月中旬には$668まで上昇し、「次の目標は$800」といわれたが、このところは調整局面にはいってきた。今年の高値は5月11日の$722である。
本来なら夏場にかけては調整局面が続き、新高値に挑戦するのは秋以降と見る向きが多く、ヘッジファンドなども買いのポジションを減らし、夏場にかけての下落局面で買い戻す方針のところが多かった。それだけに5月14日に$566で底入れし戻りに転じたのには意外感が強かった。$800台乗せが秋までに実現する可能性は十分にある。
日本の株式市場で金相場に賭ける方法には選択肢は狭い。かねて「トリトンスクエア通信」で注目してきたのは住友金属鉱山(5713)とアサヒブリテック(5855)である。
アサヒブリテックが先週、第1四半期の決算を発表した。早くも大幅な増額修正である。
2007年3月期は売上げが730億円→820億円、経常利益は38億円→49億円にそれぞれ増額した。わずか3ヵ月での修正にしてはその幅が多きい。同社は金、銀、プラチナなど貴金属のリサイクルの回収というビジネスモデル。それに最近は液晶テレビなどフラットパネルのインジウムのリサイクルが大きな柱になってきた。東京市場では数少ない貴金属、稀少金属の相場関連である。
外人の持ち株比率も昨年はじめの6.5%から20%近くに上昇した。
昨年も業績は3回にわたって増額した。