突然にやってきた悪材料である「北朝鮮」問題であった。
東京市場は6月13日の14218円から今週初めまで10%近い上昇になっていたので、この種の悪材料がなくても微調整を必要としていた。むしろわれわれの関心事はニューヨーク株が、この材料にどのように反応するかにある。
「北朝鮮の狙いは6ヵ国協議に世界の関心を向けさせることにある。実験は米国にとっては当面、驚異ではない。技術的にはかなり難しい問題で、彼らはマスターしていないことがはっきりした。大勢の見方では、完成するまでに10年はかかる」(ジム・ウォルシュ・MIT国家安全保障アナリスト)。
今朝のCNN.comが流した専門家のひとつの見方である。
いまひとつNY株についての見方を紹介しよう。
「6月のラリー(上昇)にもかかわらず、株価の短期モメンタム指標はまだ昨年の売られ過ぎの水準にあり、一部の短期モメンタム指標は2003年の水準まで低下した。弱気ムードが再び高っていることは、逆バリ投資の観点から相場の先行きにはむしろ強気シグナルになる」(メリルリンチ・米国株式テクニカル分析より)。目先は短期的には強気、その後、秋にかけて下げがあるとみる。ウォール街がこの見方に賛同しているわけはない。そこにも関心をそそられる。
「北朝鮮問題」は東京市場も短期で消化してしまうだろう。