中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

草木染帯揚げのこと

2023年01月06日 | 着姿・作品
初春のお慶びを申し上げます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年ショールを織り上げてからは、ヤマモモの剪定枝が手に入り、糸染、帯揚げを染めていました。
草木の生木を使った染めにしていこうと思ったのは、40年程前に実家のヤマモモの枝を試しに染めたことがきっかけでした。
10月頃だったと思うのですが、ヤマモモは黄色を染める染料として古くから使われてきました。私も乾材やエキスのヤマモモはよく使っていました。
生木のチップを煮出した染液は、無媒染の状態で、淡いピンクが染まり、赤ちゃんの頬の薄紅のような生き生きとした美しい色でした。いままで見たことのない草木のいのちの色でした。
ヤマモモも枝先に関しては、季節でかなり色の違いがあります。

トップの画像、ヤマモモなどの、オフホワイト&ベージュ系も自然光では、薄いけれど深い色できれいですが、画像は微妙すぎて難しいです。
ピンク系と黄色系があります。PC画面ではそれなりに写っているのですが、スマホで見るとかなり違う感じで、日々、陽にかざして見ている作者としては満足いかないのです。(-_-;

草木染と言っても、染料店などで、乾燥させたもの、エキス状のもの、液体のものなどが販売されています。
一般には商品として売られている多くはこういったものが使われています。
それらを宗廣力三先生の工房でも使っていましたので、独立した初期にはそういうもので染めていました。

しかし、生木の染材を染めてみると全く別の世界でした。染料としては酸化が不完全な状態で、不安定ですので、下手をするとムラになったり、染材を細かくする労力、煮出しの時間、ガス代、同じものが染まらないなど難しい点もあります。ただ、長年やってきましたのである程度は工夫と、見極めができるようになったかと思います。染重ねや、染めてからの空気酸化を十分にさせることなど堅牢性も高めるようにしています。


そして、濃い色にする場合などは乾材も使います。クロムなどの媒染材を使いませんので、繰り返し染めて濃い色にしています。何日もかかります。

着物や帯のことを想像しながら、時に自作の帯と合わせて、色の確認をしながら染め重ねて行きます。
この丸紋の帯揚は、生地に艶がありますので、帯揚げを主役にするような取り合わせも良いかと思います。右端、一番濃い色は華やぎがあり、薄い寒色系の地色の染の着物などにも良いと思います。グレーは紫のように見える瞬間もあり、これも華やぎがあります。これ以外にもオレンジ茶のグラデーションで、微妙な色違いを染めています。

帯揚げは糸染めと違い、付きっきりで染めます。
淡い色でも染め、干すを繰り返しています。一点もの帯揚げ自体がかなり仕事としては採算の合わないものなのですが、染めるのは料理をするように楽しいです・・(^^♪。が、本業は紬の着尺を織ることなので、暫く帯揚げ染めは休もうと思っています。

白生地代、ゆのし仕上げ代、送料などの高騰で、ギリギリ抑えておりますが、昨年夏から価格を5%程上げさせてもらっております。14,000円~19,000円(+税)です。染の回数などで価格は違います。

オレンジ系+グレーの上の画像のものは一番薄い、パウダーオレンジは16,000円~一番濃い蘇芳がかった赤茶色19,000円です。
オンラインShopにはパウダーオレンジと薄オレンジ、一番濃い赤茶色だけしか上げてませんが、shop内からお問い合わせいただければ、他のも個別に通販もいたします。不明な点はお問合せ下さい。

トップの画像、ヤマモモなどの、オフホワイト&ベージュ系は、直接工房でご覧頂ける方のみになりますが、ご遠方の方はHPからお問合せ下さい。

工房では他の色もご覧いただけますので、来房可能な方は、ご予約の上お越しください。






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