中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第6回 「上質の半幅帯を愉しむ・仕立について」―半幅帯結び・帯の仕立寸法について

2021年12月13日 | 紬塾’21~’24
HP着姿も更新中! 12/14追記

工房では現在個展にご都合のつかなかった方、改めてご検討中の方などにお越しいただいております。草木染帯揚げ、帯締めなどの割引もありますのでこの機会にお出かけ下さい。
12月18日までお受けできますのでHPお知らせからお問合せ下さい。

紬塾も今年度の最終回を迎えました。
最後は半巾帯の結び方、名古屋帯の寸法のことなど駆け足でしたがやりました。
頂いた帯が短く締めにくいということでお持ちいただきましたので、測ってみました。
確かに古い帯で柄付けも今とはだいぶ違います。9尺もない長さでした。
そこで太鼓から先に背中に背負う締め方をしてみました。


ポイント柄ですから前柄はなくなりますが、普通の結びと変わらないように綺麗にお太鼓を作ることが出来ました。前柄がなくとも普段着なら帯締めや帯留めを活かして愉しむのも良いかもしれません。全通柄なら問題ないです。

今の時代は何でも大きめの寸法になっていますが、体型によっても自分にふさわしいサイズを把握して注文できると良いですね。


半巾帯は文庫のアレンジと、吉弥結びをしました。
半巾結びは苦手な方も多いのですが、コツがわかれば便利なものですし、上質な素材ならお洒落着にも十分対応できます。
上の写真、文庫結びのアレンジ中。
羽根の部分を屏風畳にするとヴォリュームも表情も出てきます。

最後は紬にスチームアイロンも掛けてみました。
みなさんアイロンを掛けていいのか不安に思われているようですが、染色がしっかりした紬であれば当て布無しでも大丈夫です。スチームを生かし、強い圧迫は加えないように掛けると風合いもよくなります。注意点をお話ししました。
毎回幸田文著「きもの」も読み込みましたが、最後は私の感想を発表しました。また少し先で読み返すと新たな気付きもあると思います。
そして紬塾の一年を振り返り、最後まで盛りだくさんでした… (;^_^A

塾終了後は打ち上げもしました。
みなさんの気持ちもほぐれて和やかなひと時でした。
感想がとても面白かったです。感極まる方もいましたが、みなさんが自分の気持ちを飾らず素直に話してくださるところもよかったです。
紬の話もたくさんしましたが、日々の暮らし方も見つめ直しより良い暮らし、社会になってほしいです。

受講者レポートは次のブログでまとめてアップします。


上の画像は床の間の井上まさじさんのペンの手描き作品をご興味をもたれた方に説明しているところです。
必ず季節に合せたアート作品を床の間に掛けてみなさんをお迎えしています。
着物や着物を着ることはアートです。アート作品と向き合うように一枚の布と向き合えばいいのではないでしょうか?


写経のように淡々と毎朝の日課の仕事だそうですが、身体の動きやペン先の太細が微妙に揺れ面白い作品だと思います。自然発生的な下のインクだまりも模様になっています。
一生をかけてアートも着物を着ることや布を見る目も養っていきたいと思います。

来年の紬塾は開催が未定です。2月末までにはっきりさせますので、HP、ブログでご確認ください。


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