昨夜、ときおり愛読している生活総合情報サイト【All About(オールアバウト)】に於いて、
『 熱帯夜の危険な眠り方と正しい快眠法 』と題された見出しを見た。
私は東京の調布市の片隅に住む年金生活の73歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、築後39年を過ぎた古ぼけた一軒屋に住んでいる。
こうした中で、過ぎし6月29日には、私の住む地域では気象庁より梅雨明けの宣言がされて以来、
熱さに苦手な私は、今から秋のお彼岸まで熱い夏が続くのかょ・・と苦笑したりした。
ここ一週間は快晴の中、日中は厳しい35度前後の日々が続き、夜は熱帯夜の日々が続き、
どうしてなのょ・・と天上の気候の神々の采配に、戸惑ったりしてきた。
このような深情を秘めてきた私は、熱帯夜の危険な眠り方と正しい快眠法・・フレーズに導かれて、
何かと好奇心が強く、こっそりと読んでしまった・・。
この記事は、医師で 睡眠ガイドをされている坪田 聡さんの寄稿文のひとつであり、
【All About(オールアバウト)】に2018年7月17日に配信され、
無断であるが記事の前半を転載させて頂く。
蒸し暑い熱帯夜は、寝苦しく、すっきり快眠するのが難しいもの。
昼間の疲れが上手く取れず、夏バテ気味という人も少なくないでしょう。
快眠のための工夫も様々ですが、意外と多くの人がしている「夏の間違い快眠術」があります。
健康のためにエアコンを切って眠ったり、扇風機を固定で使っていたり、
水分の摂りすぎに気を付けたりしている人は、注意が必要です。
健康に良い、真夏の正しい快眠のコツを解説します。
健康のためにエアコンを切って眠る、という人がいますが、これは間違い。
最低でも寝ついてから、3時間はつけておくのが正解です。
熱帯夜の場合、一晩中エアコンをつけておくことで、
理想的な温度・湿度の環境が実現でき、快眠することができます。
室温は26度以下、湿度は50%前後に保てるよう設定しましょう。
体感温度は気温だけでなく、寝室の壁や天井、床の温度にも影響を受けます。
寝室全体を最適の温度にするためには、眠る30分ほど前からエアコンをつけておくと良いでしょう。
「経済的な面や、節電を考えると、一晩中エアコンをつけておくのはイヤだな」
と思う方は、眠ってから3時間ほどと、目覚める前の30分~1時間くらいに
エアコンがつくように設定することをおすすめします。
睡眠の前半には「ノンレム睡眠」という、主に脳の睡眠が多く現れます。
特に、寝ついてからの3時間ほどには、深いノンレム睡眠が集中していて、
脳の休息に大事な役割を担っています。
ですから、眠ってからの3時間は、しっかりエアコンを使って、寝室を理想の温度・湿度に保つべきです。
また、体温は1日のうちで1度くらい上下し、
夕方から夜にかけて最も高くなり、早朝に最も低くなるリズムを持っています。
しかし、ノンレム睡眠中は、脳が休んでいるため、体温調節がうまくできません。
ですから、室温をちょうど良い温度に調整しておいて、
体温が下がりやすい状態にしておく必要があります。
夏の朝には、暑さのため、予定の起床時刻より早く目覚めることがあります。
これが繰り返されると、睡眠不足で体力を消耗してしまいます。
目覚める少し前から寝室を涼しくしておくと、熱帯夜でもスッキリ目覚められます。
そのため、目覚める前の30分~1時間くらいにエアコンがつくように設定しておきましょう。
寝ついてからのしばらく、あるいは目覚める前のどちらか一方にだけエアコンを使うなら、
眠るときにだけつけておくのが健康的です。
そのほうが、睡眠の質が良くなるからです。
目覚める前の時間帯には、夢を見て体を休息させるレム睡眠が多くなります。
レム睡眠では、脳の働きが活発になっているので、ノンレム睡眠に比べて自分の力で体温調整をしやすくなります。
また、体温のリズムから見ても、早朝には少しずつ体温が上がってきたほうが、目覚めやすくなります。
さらに、睡眠の前半でたくさんの汗をかいていると、
エアコンの冷気でそれが冷やされて体温が下がりすぎ、
睡眠の質が悪くなったり風邪をひきやくなったりします。
ですから、睡眠の始めか終わりかのどちらか一方なら、眠り始めにエアコンを使うのが良い、ということです。
扇風機を何となくそのまま固定で使用している場合、「首振り機能」を必ず使うようにしましょう。
エアコンに比べて扇風機の消費電力は、20分の1程度の少なさです。
同じ室温でも秒速1メートルの風が吹くと、体感温度が1度も下がります。
ですから、熱帯夜は節電のためにも、扇風機を上手に使うことが求められています。
睡眠の前半に体温が下がらないと、睡眠の質が悪くなります。
熱帯夜に寝苦しいのは、体温が十分に下がらないことが原因のひとつです。
暑い夜には、体温を下げようとして、汗をかきます。
汗が蒸発するときに、体の表面から気化熱が奪われて、体温が下がるからです。
適度な扇風機の風は、汗の蒸発を助けて体温を下げ、よい眠りに導いてくれます。
ほとんどの扇風機には、「首振り機能」が備わっています。
眠るときにはこの首振り機能を、きちんと使うようにしましょう。
首振りせずに扇風機を使うと、体の1カ所だけに風が当たり、冷え過ぎてしまいます。
筋肉が冷え過ぎると、夜中にこむら返りやケイレンが起こったり、
目覚めた後にだるさや倦怠(けんたい)感を感じたりします。
もし、首を振らせることができない扇風機を使っているなら、
弱い風を頭だけに、当てるようにしましょう。
睡眠の目的の1つが、脳のクールダウンです。
そのために頭部の皮膚を通して、脳を冷やすというのは、理にかなっています。
実験でも、頭を集中的に冷やすことで、睡眠が改善することが分かっています。
扇風機の首を振らせながら風を体に当てても、体の片側だけに風が当たり、
不均一な冷やし方になる恐れがあります。
理想的には、体に直接風を当てず、体の上空に風を送って、
空気をかき混ぜるようにすると、体への負担が少なくなります。
はじめは物足りない感じがしますが、
しばらくすると弱いながらも風を感じることができるはずです。
最近では左右だけでなく、上下方向にも首を振れる扇風機もありますから、この機能も十分に活用してみてください。
タイマーの使い方も大切です。
寝ついてから3時間は扇風機が回っているようにセットしてください。
最近の扇風機では、一度、電源が切れた後にもう一度スイッチを入れられるものもあります。
これが使えるなら、寝ついてからの3時間と、
目覚める前の30分~1時間に扇風機が回るようにセットすると、目覚めもスッキリします。
◆「夜に水分を控える」と、心筋梗塞や脳卒中での死亡リスクも
夜中にトイレへ行きたくないとか、睡眠中にあまり汗をかきたくないと思って、
眠る前に水分を控える人がいますが、それはとても危険なことです。
眠る前に500mL以上の水分をとるようにしましょう。
平成28年6~9月の熱中症による死亡者数は、厚生労働省の発表によると、
全国で579人に上りました。
前年に比べて死亡者数は減っていますが、平成22年以降7年連続で500人を超えたままです。
熱中症の症状が出るのは、主に暑い日中ですが、その準備段階は睡眠中に始まっています。
熱中症は、高温多湿の環境にいて多量の汗をかき、体内の水分や塩分が失われることで起こります。
睡眠中にも汗をかきます。
汗を自覚しない状態でも、一晩でコップ1杯ほどの汗が出ています。
これが熱帯夜になると、一晩で500~1000mLも汗をかくことも珍しくありません。
これだけの水分と塩分を失った後、
暑い日中にさらに汗をかくと、熱中症になりやすくなります。
また、早朝には血液が濃くなっているので、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まってしまいます。
熱中症の予防には、汗として失った水分と塩分の補給がもっとも大切です。
さらに良いのは、汗をかく前に失われると予測される水分と塩分の一部を、
あらかじめ補給しておくことです。
睡眠中にこまめに起きて水分補給することは現実的でないので、
眠る前までに500mLくらいの水分を余分に飲んでおくと良いでしょう。
ただし、眠る直前に大量の水分をとると、トイレへ行くために起きる回数が増えてしまいます。
夕方から眠る少し前までにかけて、ゆっくりと水分を補給しましょう。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。