夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
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大前研一さんの「高齢者のやけっぱち消費を狙え!」を学び、年金生活12年生の私は、微苦笑して・・。

2016-04-29 14:47:15 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活の71歳の身であるが、
先程、ネットで愛読している『東洋経済オンライン 』を見たりしていると、
【大前研一「高齢者のやけっぱち消費を狙え!」】と見出しを見て、クリックしてしまった。

賢人の大前研一さんの論調であったら、私はここ20数年に及び多々教示されてきた私は、
今回も精読した。

大前研一さんはビジネス・ブレークスルー大学学長をされて、
今回、『東洋経済オンライン 』の『政治・経済』の『日本経済』に於いて、
『高齢者のやけっぱち消費を狙え!』、副題として『理論ではなく「心理」が経済を動かす』と命題され、
4月29日に配信された論調である。

私は特にシニア世代の諸兄諸姉に読んで頂きたく、あえて転載させて頂く。

《・・安倍首相は国民に「もっとお金使ってください」と積極的な消費を呼びかけていますが、
国民はなかなかお金を使いません。

新著『ニュースで学べない日本経済』を出版した大前研一氏は、
「企業は“やけっぱち消費”のお金を有効活用せよ」と述べています。
「やけっぱち消費」とは何か?  そこに景気回復の糸口があるのか? 大前研一氏に聞いてみました。
            

■ 世界に類を見ない日本の「低欲望社会」

今、日本の企業や家計は、潤沢な資産を保有しています。
これだけお金を持っているのに、使わない。これほど金利が下がっても、お金を借りない。

この状況が世界にも類を見ない日本の「低欲望社会」です。
お金がたくさんあっても、企業や個人にお金を使う欲望がないのです。

なぜお金を使わないのか。明確な理由があります。
染色体に「将来の心配」という特性が宿っているのです。

日本人はもともとこれほど心配性だったのかというと、そうではありません。
われわれの世代が育ったころの日本人は、「坂の上の雲」を目指して、世界に出ていこうという志を持っていました。
今よりも貧しい生活をしていたけれど、将来の心配などしていなかった。

松下幸之助は、英語がしゃべれないのに、世界へ出ていきました。
本田宗一郎は高等小学校しか卒業していませんが、世界のホンダをつくった。
昔の日本人は、今よりもずっと楽観的だったのです。

現代の日本人には、老後の生活について、若い頃から心配するという特徴があります。
「老後の生活についての考え方」というグラフを見ると、それがよくわかります。

老後の生活を心配している人が、1992年の60%台から、2014年は90%近くまで増えています。
心配していないという人が10%強。
この20年間で、心配している人が明らかに増えています。
            
何がそんなに心配なのか。「老後の生活を心配する理由」を見ると、
「十分な金融資産がない」「年金や保険が十分ではない」という理由を挙げている人が多いようです。
「ゆとりがなく、老後の備えが十分ではない」というのですが、
日本人1人当たりの貯蓄額は、世界最大です。いくらあったら安心できるのでしょうか。
            

■経済理論ではなく「心理」が消費行動を決める

高度成長期の日本では、30~35歳くらいで住宅を買うのが一般的でした。
最初の10年間は金利5%、その後は金利が上がっていく変動金利で住宅ローンを借りるという時代だったのです。

それが今や、35年固定金利の「フラット35」の時代です。
フラット35は、2014年12月時点で、1.56%という超低金利の住宅ローンです。
こんな商品は、日本にしかありません。
もし外国にフラット35を扱う銀行がオープンしたら、借りたいという人が殺到します。

ところが日本の住宅ローンは、まったく貸出残高が増えていません。
金利1.56%、35年固定。
この数字を見てぴくりともしない欲望のなさというのは、海外ではまず考えられません。

なぜそうなるかと言えば、日本人の「心理」が凍てついているからです。
10代の頃から20年間低成長を見続けてきた30代の人たちは、
「もういいよ。持たない、買わないのがいちばんだ」という心理状態になっています。

こういう人種は、世界中を見わたしても、資本主義社会にこれまで生息したことがありません。

ですから、欧米の経済学を勉強した人たちが、いくら理論を振りかざしても、理屈通りにいかないのです。
経済理論よりも、心理のほうが経済に大きな影響を与えるという状況を、
日本は今、世界で初めて経験していると言えます。
            

冒頭で述べたように、日本人は使う気になったら、いくらでもお金を持っています。
家計の金融資産・現金・預金額はどんどん増え続け、今や(2015年時点で)1700兆円を超えています。
このお金が1%市場に出てくるだけで17兆円です。

しかし、皆このお金を使う気もなければ、使う場所、チャンスもない。

安倍首相は、もっとお金を使えと言っていますが、使う必要、チャンスがあれば、皆使っています。
この点について私がいくら言っても、政治家や経済学者たちは、分かってくれません。
要するにこの人たちは、個人がどうやったら、お金を使うかということが分かっていない。

そこが、日本経済の最大の問題なのです。

一方、企業は利益余剰金を354兆円も貯め込みました。
不況になって1980年時点の50兆円が、350兆円になったのです。
1989年12月にバブル崩壊が始まりましたが、個人資産はこの25年間で735兆円も積み上がっています。

このお金を消費に向かわせればいいわけですが、この資金を強制的に市場に導くには、資産課税を重くすればいいのです。
            

■死ぬ瞬間に一番金持ちになる日本人

すると、じっとしているだけで、どんどん目減りしてしまうのですから、
それなら人生をエンジョイするために、使ったほうがいいな、と皆思うはずです。

「死ぬ瞬間に、ああ、いい人生だった、と思いたくありませんか? 
皆さん人生をもっとエンジョイしましょう」と、首相が国民に呼びかけて、
その気にさせないと、このお金はマーケットに出てきません。

そして「その代わりに皆さんが病気になったら、国がとことん全部、面倒をみます」と言えばいいのです。

スウェーデンでは、貯金をする人がいません。
国が面倒をみてくれるのですから、貯金はゼロでいいのです。

年金、保険、貯金と3つともすべてやっている、しかも年金の3割を貯金に回している日本人は、
死ぬ間際に、自分の人生において、もっとも金持ちになってしまうわけです。

日本人は誰も、国を信用していません。
誰も国の将来が明るいと思っていないのです。
日本人は、国が何と言っても、絶対に我々を裏切るよねと考えているので、
いざという時のために貯金していて、最期にキャッシュがいちばん貯まるのです。
            

お金はあの世には持って行けません。ではどうしたらいいか? 

昔は生前贈与という制度を使って、生きている間に、財産を子供などに譲る人が結構いましたが、
今はほとんどの人が、この制度を使っていません。

なぜかというと、多くの人たちは、自分の財産を人に譲ってしまったら、
いざという時に誰も助けてくれない、と思っているからです。

したがって最後まで抑止力として、この金を持っている。抑止力としての貯金です。
これは統計を取ると非常にハッキリ分かります。

このお金を何に使いますかと聞くと、ほとんどの人が「それはいざという時のためです」と答えています。
昔は子孫に残すという考えがありましたが、今は全然違います。
日本人は国を信用していないだけではなく、自分の子孫も信用していないのです。

その一方で、人生最期の瞬間に、こんなに余ってしまうのなら、もっとこういうことやあんなことをやっておけばよかった、
と思っている人も結構います。
そこで「なげやり消費」「やけっぱち消費」に走るわけです。
            

この点ではJR九州は、よく考えて頑張っています。
豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」というものがあります。
3泊4日の旅程でお2人様120万円。申し込みの倍率は100倍だそうです。
しかも、帰る時に次の予約をしていく人が、10組にⅠ組ほどいると言うのですから驚きです。

貯めたお金は天国までは持っていけないので、たとえ100万円以上でも、2回でも3回でも行こう、と思うわけです。
この、ななつ星の利用者は非常に象徴的で、こうしたセグメントというのは、
お金をたくさん持っていて、しかも使い方が思い切っているのです。

ですが、JR九州の前会長・石原進さんにお聞きしたところ、実は超富裕層ではない人が、買っているそうです。
やはり、「ななつ星」は、やけっぱち消費をしようと思っている人が買うのです。

120万円払うのであれば、現地でハイヤーを雇って、同じくらい豪華なプログラムを自分で作って、好きなように旅をすることができます。
ただ3日間列車に乗っているだけで120万円も使うのなら、
もっと自分のやりたいことを自由にやって、エンジョイしたほうがいいのではないでしょうか。

私なら、そうします。
もちろんそれほどまでに、電車が好きなら別ですが。
            

■企業は「やけっぱち消費」のお金を有効活用せよ

私はシニア層に対して「バイクでも乗って、ジェットスキーでもやって、もっといろいろ自分なりの遊びを見つけろ」と言うのですが、
皆「もう今さらなあ……」という感じです。
全部パッケージで用意されて、ゴージャス、ラグジュアリーですと言われると、何となくいい気持ちになってしまうのでしょう。

けれど私は、ななつ星のようなものは、まだ本物の消費者ニーズではないと思います。
つまり、これは彼らが本当に求めているものではなくて、彼らが求めているのは、
心から「本当にいい思い出になった」と感じるものなのでは、ないでしょうか。

もうちょっとアクティブで、他の人が行かないような、自分なりのユニークな経験を皆求めている。
それが、シニア消費というものの中心で、ここのところにバチッとヒットした商品やサービスを提供している会社は
まだないと思います。

そのあたりのユーザーやニーズに関するきちんとした統計もないので、
そこに刺さるものを提供しているところがないのです。
            

これからの企業は、個人が持っているお金を有意義に使ってもらうためのライフスタイルの提案や、
アイドルエコノミー(idle=使用されていない状態のものを活用するビジネス)の発想で余っているもの、
空いているものの活用、資産活用など、もっといろいろな工夫や提案をすることが重要です。

例えば生命保険の会社であれば、リバースモーゲージ(住宅担保型の老後資金ローン)でもいいですし、
金融機関ならアセット・バックト・セキュリティ(資産担保証券)のようなもので、
2階建てのものを5階建てにして下3階を貸し出し、将来の賃貸料を抵当に取って、
自分たちは4階と5階に住むといった提案ができるはずです。
世界中の企業がそういうことをやっています。

もっと世界を見てください。そして頭を使ってください。日本は空き家が13.5%もある国です。
これを100軒ほど買い取って補修し、海外からの旅行者に提供する、といったビジネスも可能です。
その宿泊施設の管理・運営をやってくれる会社も、スマホを使えば簡単に見つけられます。
そういうことをもっと積極的に考えてみてはいかがでしょう。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
            

私は東京の調布市の片隅みに住み、私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。

そして私たち夫婦は、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。
            
我が家の生計は原則として、私たち夫婦はお互いに厚生年金とわずかな企業年金を頂いた範囲で、
日常生活を過ごすことを原則としている。

そして耐久品の購入、冠婚葬祭、そして私たち夫婦の共通趣味の国内旅行に関しては、
程々の貯金を取り崩して、ここ11年半ばかり過ごしてきた・・。

今回の記事を読み終わった後、少子高齢化の中、年金は実質として目減りしている上、
やはり老後生活を過ごすには、程ほどの貯金を残こしていないと不安があり、
大前研一さんのご指摘には、苦笑させられてしまった・・。

そして老朽化した我が家を再建することも思案したこともあったが、
年金生活の中、貯金が激少してしまうので、断念したりしてきた。

せめてながら国内旅行で、私たち夫婦が行きたい処を幾たびか遊学してきたが、
《・・お金はあの世には持って行けません・・》という大前研一さんのご指摘には、
苦笑するばかりである。
            

私は40代の頃から、年金生活をされている御年輩の方達が、貯金を確保して浪費されないのは、
やはり社会保障制度、特に医療、介護の不安である、と思い続けてきた。

こうした不安を払拭できることを国が具体的に明言すれば、セカンドライフを過ごしている方たちは、
貯金を下ろして、自在にお金を支払い、やがて日本経済は活性化になる、と思ったりしてきた。

やがて私が、年金生活になると、苦笑することが多くなったりしている。

余談であるが、大前研一さんのご指摘のひとつには、
《・・年金の3割を貯金に回している日本人・・》について、私の友人、知人は該当せず、
大前研一さんのミス、と私は思いながら、大半の人は年金に補充として貯金を崩して生活されている、と私は認識している。

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