夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
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つたない我が身の『沖縄』の思いは・・。 ⑩

2010-05-06 18:20:19 | 定年後の思い
       第9章 『ずゐせん学徒隊』らに、ご冥福を・・。

私は2007年10月16日に於いて、『ずゐせん学徒隊』を初めて知り、
そして何とか生き残られた人の言動に圧倒され感銘にふるえながら綴った。

【・・
昨日の深夜、『文藝春秋』の読み残した記事を読みはじめた・・。

正確な題名は、主題が【美智子さまと昭和天皇】、
副題が【沖縄の悲劇を胸に】と題され、
ノンフィクション作家の梯久美子(かけはし・くみこ)さんが綴られた記事である。

私は沖縄に関しては、このサイト以外でも数多く綴っている上、
高校生以来、真摯な思いで関心はあるが、
皇室が係わると、何かと気後れと1日の中で、心が澄んだ時も読もうと、
あえて後回しにしていたのであった。


私はかの大戦の過酷な沖縄地上戦に於いて、
看護要員として『ひめゆり学徒隊』は知識の一端として、知っていたが、
恥ずかしながら『ずゐせん学徒隊』は全くの無知であった。

作家・梯久美子さんの記事を拝読し、
あの沖縄戦を深く理解すれば、このような状況が明確に想像できるのであるが、
つたない私は無知であった。


作家の綴られた記事を引用させて頂ければ、

《・・
沖縄戦で犠牲になった沖縄県出身者は約12万人、
うち軍人・軍属は約2万8000人で、残りの10万人近くが民間人である。

すべての中学校、高等女学校で学徒隊が編成され、
男子は鉄血勤皇隊、女子は看護隊として戦場に動員された。

男子は14歳から19歳、女子は15歳から19歳である。
そのうち、男子1559名、女子446名が戦場で亡くなっている。
・・》
注) 原文に対し、勝手ながら改行を多くした。


私が無知で、想像力が欠けていたのは、
すべての中学校、高等女学校・・
と明記された内容であった。

作者の記事のすべての中で、
『ずゐせん学徒隊』に関しては最初のほんの一部に過ぎないが、
長年の歳月の熱い心情で淡々した基調で綴られている・・。


首里高等女学校の学徒隊は『ずゐせん学徒隊』と命名されて、61名で構成され、
33名の方が亡くなわれ、ずゐせんの塔として、まつった慰霊塔である。
この中で生き残られたひとりの方の証言と念願された言動を記載されている。

作者が取材で訪れた時、
ひめゆり塔には大きな献花台からこぼれ落ちるほどの花束が供え、
数百メートルしか離れていないずゐせん塔には一輪の花もなく、
と記載されている。

『ずゐせん学徒隊』の生き残られたひとりの大正15年生まれのお方が、
「ひめゆりばかりが有名になって、
同じように戦場で亡くなったずゐせん学徒のことは、
誰も知らないし追悼もされてない。
それがずっと悲しくて、悔しくて」
と証言されて、
平成5年4月、両陛下が出席する植樹祭の会場の近くにずゐせん塔があるので、
両陛下に塔を見て頂きたく直訴した。

県知事に嘆願書を提出し、知事が不在だったので、
副知事の前で嘆願書を読み上げた・・。

『天皇陛下の御為と国の為に死ぬ事が日本人の美徳と教えられ、
女性でも戦死したら靖国神社に神として祀(まつ)られ、
崇(あが)められると信じて疑わず・・
衛生兵とともに奮闘致しました』

『生き証人は黙っている事が出来ません。
33名の代わりに声を大にして、
「ずゐせん隊はかく戦えり」
と叫びたいのであります』

この後、副知事から宮内庁を通し、陛下に伝えられた。

そして陛下のご希望に寄り、植樹祭の前に、
両陛下から、ずゐせん塔に供える花束を託され、
『・・天皇陛下が私に、
戦争の時はこのあたりにも来ましたか、
とおっしゃった。
・・
このあたりは、飛び交う弾の中をさまよい歩いたところです。
たくさんの友達が死にました・・。

陛下は、苦労なされましたね、
と言ってくださった』

そして、両陛下に自作の琉歌を披露され、
沖縄の文化に造詣が深く、みずからも琉歌をつくる天皇はご理解され、
翌日、所望された陛下に清書され届けられた。

そして、両陛下の車は、
ずゐせんの塔の前を、ほとんど停止に近い最徐行でゆっくりと進み、
お2人は窓を開けて、じっと瞑目(めいもく)された。


こうした概要であるが、
かの大戦で日本本土で沖縄諸島だけが地上の戦場となり果て、
民間人、そして学生まで巻き込まれ悲惨と過酷を思い浮かべる時、
敗戦の一年前に生を受けた私さえ、
胸は熱くなり、やがて深夜ひとり涙を流した。
・・】


                                 《つづく》


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