私は民間会社に35年近く奮戦してきたが、定年退職を迎えたのは2004年の秋であったが、
最後の5年はリストラ烈風の中、私は出向となったのは55歳の時であった。
やがて私は出向先で2004年(平成16年)の秋に、何とか定年退職を迎えることができた。
そして、この当時は大企業も盛んにリストラが実施されている中、
たとえ私が定年後に新たな職場を探しても、これといった突出した技術もない私は、
自身の力量のなさを悟(さと)ったりした・・。
そして何よりも遠い勤務先の出向先で、私なりに奮闘して体力も気力も使い果たしてしまったので、
やむなくサラリーマン生活を卒業し、敗残者のような深情で年金生活を始めた・・。
そして年金生活は、サラリーマン航路は、何かと悪戦苦闘が多かった為か、
つたない半生を歩んだ私でも、予測した以上に安楽な生活を享受して、早や丸16年が過ぎている。
私は東京の調布市の片隅に住んでいる年金生活の75歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、たったふたりだけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた一軒家に住み、ささやかに過ごしている。

今回、《・・「75歳年金法案」・・》って、どのようなことですか、と思いながら、記事を精読してしまった。
この記事は、公式のサイトの【 日刊ゲンダイ 】に4月15日に配信され、
無断であるが、転載させて頂く。

《・・なぜ、安倍政権は、この非常時に審議を急ぐのか――。
14日「年金制度関連法案」が衆院本会議で、審議入りしたことに批判が噴出している。
法案の柱のひとつは、現在、60~70歳の間で選べる年金の受給開始年齢を、
2022年4月から60~75歳に拡大させるというもの。
年金の受給開始を75歳からでもOKにしようというものだ。
公的年金の受給開始は65歳が基本だが、
75歳から受け取ると、65歳開始に比べて毎月の年金額は84%増える。
安倍首相は「すべての人の生活安定につなげる」と、この国会で成立させるつもりだ。
しかし、新型コロナが蔓延しているのに、
不要不急の「年金法案」を審議している場合なのか。
しかも、年金法案の担当は、コロナ対策に忙殺されている厚労省である。
この時期に「年金法案」を審議しようとは、安倍政権は、なにを考えているのか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「日本中が、コロナ一色になっている今こそ、審議するチャンスだと計算したのでしょう。
平時に審議したら、年金法案に国民の注目が集まり、批判が噴出すると考えているのだと思う。
実際、この法案は問題が多い。
政府の狙いは、年金受給開始を75歳からにすれば、受給額が84%も増えるとアメ玉をちらつかせることで、
高齢者をいつまでも働かせることでしょう。
安価な労働力を確保できるうえ、75歳までに死亡すれば、国は年金を払わずに済みますからね。
そのうえで、いずれ年金の受給開始を現在の基本65歳から、68歳、70歳と引き上げるつもりなのだと思う。
今回の法案は、その布石でしょう」
しかし、本当に75歳から受給したほうが得なのか。
従来通り65歳から受け取った場合と、75歳から受け取った場合、
年金が同じ額になるのは、86歳だという。
つまり、86歳まで長生きしなければ、75歳から受給を開始するとマイナスだということだ。
野党は「コロナ対策に集中すべきだ」と、この年金法案の審議は突っぱねるべきだ。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
私は2004年(平成16年)の秋に、定年退職を迎え、上記に記したように年金生活を始めたので、
年金法案に関して語る資格はないが、少しばかり「75歳年金法案」の感じたことを記載する。
《・・年金受給開始を75歳からにすれば、受給額が84%も増えるとアメ玉をちらつかせることで、
高齢者をいつまでも働かせることでしょう。
・・安価な労働力を確保できるうえ、75歳までに死亡すれば、国は年金を払わずに済みます・・》
財務省、厚労省は社会保障費の財源が逼迫する中で、こうした策で年金財源も安定化する
ひとつの策と感じたりした。
しかしながら年金を初めて受け取る御方の立場に立てば、
《・・従来通り65歳から受け取った場合と、75歳から受け取った場合、
年金が同じ額になるのは、86歳だという。・・》
こうした中で、75歳から受け取る老化した身体、思考能力・・想像すれば、
75歳近くまで働きづくめで、残された安楽な老後の年金生活は・・
と選択された御方の人生航路を思い馳せ、ただ溜息ばかり重ねて居る。