ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本の教育における弱点ー評価ー

2014-07-31 15:26:38 | 東工大

前回の記事で私が感じていると書いた日本の教育のもう一つの大きな問題点は評価である。特に教員に対する評価が弱いと思っている。今大学内でも教育改革とか言って色々議論がなされているし、ニュースでも教育改革の話しが聞こえてくるが、教員の評価のやり方の議論はあまり聞こえてこない。評価が苦手なのは実は教育関係だけでなく日本人全般に言えることで、日本人は評価をしないで済まそうとする傾向があると思っている。評価をすると低い評価を受けた人との人間関係が悪化するからである。そこで評価をする時には客観的な指標に頼る。その典型例が年齢による評価、つまり年功序列であり、年功序列と減点法を組み合わせた公務員の評価などはこの典型例だと思う。前回書いた世界の大学のランク付けや企業の格付けなども日本では殆ど行われない。

しかし「良いものは良い、悪いものは悪い」ときちんと評価して相手に伝え納得させると言うのはこれからの社会でますます重要になってくると思う。私の経験では日本人でも上位者が下位者に対して行う評価は比較的実行されているが、対等なレベルの者同士の評価、あるいは下位者から上位者に対する評価は表に出てこない蔭口になってきまうことが多い。教員の社会は指示関係が少なく、それぞれが独立した教育者として扱われているので評価がされていないのだろうと思っている。しかし、良い教員と悪い教員は厳然として存在する。特に一人の担任教員が殆どを教える小学校などでは「あの先生の担任になりたい」とか「あの先生の担任は嫌だ」とかいう情報が親の間で飛び交っており、人気のある教員とない教員は明らかにある。中学、高校、大学と上がっていくにつれて一人の教員の影響が下がってくるが大学院でまた上がる。いずれにせよ教員の評価をして良い教員は待遇を上げ、悪い教員は待遇を下げることが今の日本で一番必要だと思う。しかし、教育改革の議論を聞いていると、教育長を誰が任命するかとか教科書の内容をどうするかとか言った本質的でない議論ばかりが聞こえてくる。

教員の評価は難しいのは事実である。特に大学の場合には研究分野が異なっているので評価は非常に難しい。しかし、研究内容に関しては研究資金をどれだけ集められるか、と言う点でかなりの程度評価がされていると思うので、教育面に関してだけ評価すれば良いと思う。最初は「良い」が10%、「普通」が80%、「悪い」が10%で大部分が「普通」に格付けられるので良いと思う。重要なのは「悪い」の10%を排除することだと思う。

私は私立学校には通ったことが無く、今もたまたま国立大学にいて教員は公務員だから評価されていないのであって私立大学ではきちんと評価の仕組みができているのだろうか? もしそうなら問題は公務員の人事評価、という問題であって教員の評価と言うことでは無く、教員の評価は私立大学の仕組みを見習って仕組みを作れば良いことになる。その場合、問題は公務員の評価と待遇をどうするか、と言う点になるのだが、それだけでは無い大学固有の問題もあると感じている。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿