ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

横綱白鵬の孤独

2015-03-23 09:02:15 | 生活

横綱白鵬が14勝1敗で34回目の優勝を決めた。関脇の照ノ富士が直接対決で白鵬を破り、最終日も苦しい体勢ながら大関豪栄道を破って13勝だったので最後の横綱対決まで優勝は決まらず、横綱対決も日馬富士が善戦して最後までハラハラさせられる面白い場所だった。

優勝インタビューを聴いていると、白鵬が周囲に対してわだかまりを持っていることが感じられた。解説の北の富士をはじめ殆どの人がそう感じたことだろう。わだかまりの相手は所謂「相撲界」つまり力士ではないが相撲で飯を食っている相撲協会やマスコミである。以前このブログでも取り上げたが白鵬の判定に対する不満の発言とそれに対する周囲の対応が直接的原因だと思うが、それだけでなく長年の積み重ねがあると思う。

例えば優勝インタビューである。先場所、優勝して大鵬の記録を塗り替えた時に白鵬は感想で「今後の目標がなくなってどうしたものか、と思っている。これからゆっくり考えます」と語っている。それにも拘らずインタビューアは「最後に今後の目標をお聞かせください」と聞いている。白鵬の話をきちんと聞いていないのだろう。私が想像するに「40回、50回と優勝を重ねていきたい」といった答えを期待していたので、目標を語ったと認識できていなかったのだろうと思う。白鵬は答えに困って「頑張ります」とだけ言った。

今場所は、「照ノ富士についてどう思いますか?」と聞かれて「上がってくるんじゃないですか?」と答えている。それにも拘らず「照ノ富士は今後どこまで行くでしょう?」と重ねて聞いている。今回は白鵬は「またそんなことを聞く」と答えている。私が想像するに白鵬は本音では「一場所の成績だけでは分からない」と言いたかったのを「傲慢だ」と批判されるかもしれないと思って抑えたのだと思う。ところがインタビューアのほうは「大関、更に横綱まで来るかもしれない」という答えを期待していたので、「まだ答えていない」と感じたものだろう。

これは自分で期待する答えを持っていて、それを言わないと満足しないというインタビューアの傲慢さが元になっていると思う。周囲で先場所のインタビューに対して注意する人がいなかったということだと思う。この傲慢さは、先日私が批判した横綱審議委員長、北の湖理事長、解説の北の富士、それらの人を持ち上げるNHKなどが「相撲界のために」を「自分たちは横綱より上だ」と誤解して発言、行動しているところから来ていると思う。発言はしないが白鵬の心は相撲関係者からかなり大きく離れたと思う。相撲関係者は白鵬を責めているが、自分たちこそ反省すべきであると思う。ファンは別で、ファンは白鵬にわだかまりは無いし、白鵬もファンにわだかまりは無い。

そのうち(白鵬が引退してから)朝青竜あたりが白鵬と組んでモンゴルで大相撲を立ち上げるかもしてない。それをインターネットで中継するとモンゴルの大相撲のほうが迫力があるので人気が出て、日本人でもモンゴルまで出ていく人が増え、いずれは大リーグのように有望な若者はモンゴルに言って相撲を取るようになるかもしれない。なにせ、今でも3横綱全てモンゴル出身、次の有力横綱候補もモンゴル出身なのだから・・