ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

投機と投資(1)

2008-10-22 09:09:26 | 経済
金融危機も一服したようであるが、これまでのパタンをみると週の後半に問題が起こり、週末に政府関係者が協議して対策を発表、月曜日には盛り返す、といったパタンを繰り返しているので今週末までは見ないとわからないと思う。

フランスのサルコジ大統領が「今は世界の金融システムを見直すチャンス」と言っていたが、同感である。麻生首相は「解散しても経済問題を協議する首脳会議には出席する」と言っているようだが、はたして新しい枠組みを検討しているのかどうか、緊急避難的対策だけを話そうと思っているのなら物足りないことである。

私が考える新しい枠組みの出発点は「投資は奨励し、投機は抑制する」という大原則を再確認することから始まる。これはこれまでも認識されている点なのでそれほど議論にはならないと思う。それで、何が投資で何が投機かを考えてみる。

投資とは: WiKipediaによると以下のようになっている。
【投資(とうし)とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。】私の定義は少し違っていて、【生産能力】のところを【金融以外の経済活動(広義の生産能力)】としたいと思っている。経済活動が「金を動かすこと」つまり金融事業の場合には投機に限りなく近いと思っており、一応投機に分類しておきたい。

投機とは:Wikipediaによると以下のようになっている
【投機(とうき)とは、短期的な価格変動の目論見から、利ざやを得ようとする行為。】私の定義はやはり少し違っていて「短期的」という言葉をのぞいたものである。長期的であっても買い占めて値上がりを狙って売却するのは投機であると思っている。

私がここで言いたいのは投資と投機の厳密な学術的定義ではなく、冒頭の趣旨に従って投資を「好ましい余剰資金の使い方」投機を「好ましくない余剰資金の使い方」と再定義することにある。 その意味でもう少し具体的に「投機」の内容を物を買う場合について考えてみる。

投機とは要するに買い占めである。自分が買うことによって市場に出回る商品が不足する。あるいは商品が不足しそうだからあらかじめ買っておく、そして値上がりしたら売る、これが投機である。買って自分で使おうという場合は投資である。

従って年金機構が石油を買うなどはたとえ長期の動きでも私に言わせれば投機である。航空会社などが石油を買う場合には両方の意味合いがあるだろう。将来、自分で使う分を買うのは投資であるが、買いすぎて使いきれずに転売するようになれば、投機も含まれていた、という解釈をすべきであろう。

このような見方で、投機に対しては抑制するような仕組みを考えるべきだと思っている。 株のような金融商品は明日論じてみたい