5月最終週の日経平均は、4週連続続落し、節目21000円を割り込んだ。
続落継続の背景は、米・中貿易摩擦問題を巡り、関税合戦の様相を呈した事。
中国が米国への対抗措置として、米国製品の追加関税実施やレアアースの輸出
制限を検討している事などである。加えて、米はメキシコ不法移民の対抗措置
として、メキシコ製品に5%の追加関税を賦課すると発言した事も、世界経済
減速懸念に現実味を持たせている事も、株安を引き起こした要因であった。
日本は、円高傾向も加わり、続落状態となった。
結局、日経平均は、週間で516円下落(↓2.44%)の20601円だった。
さて、6月第2週(6/3~6/8)主なイベントと予定は、下記1.の通り。
週明けの東京市場は、週末NY市場の貿易摩擦の拡大が懸念から下落しており
続落スタートになりそうである。ただ、今週の日経平均は大きく下落した反動
から、短期的なリバウンドも期待される。貿易摩擦の拡大が懸念があるため、
戻りは限定的になるかもしれない。
続落スタートになりそうである。ただ、今週の日経平均は大きく下落した反動
から、短期的なリバウンドも期待される。貿易摩擦の拡大が懸念があるため、
戻りは限定的になるかもしれない。
主な経済指標は、国内で、6/6の黒田日銀総裁講演や週末のメージャーSQ
算出などが注目される。
海外で、米で6/4のパウエルFRB議長発言、6/6の4月貿易収支、6/7
米雇用統計など。
米雇用統計など。
ファーエイ問題から、米・中の報復関税合戦や、グローバル経済に保護主義の
足音が聞こえるが、G20を控えて、6月相場の切り返しを期待したい。
足音が聞こえるが、G20を控えて、6月相場の切り返しを期待したい。
一時的に20000円台に接近する場面があっても、下バイアスがかかり過ぎて
おり、短期リバウンドとなるか、注目です。
日経平均、6月第2週(6/3~6/7)レンジは、20250円~20950円
程度を想定しています。
1.6月第2週(6/3~6/8)主なイベントと予定
6/1
中国 米国からの輸入品600億ドル相当への関税率引き上げ
6/3
日本 第1四半期法人企業統計
日本 5月自動車販売台数
日本 日ハウス、伊藤園、ティーライフ 各決算
米 5月自動車販売
米 5月ISM製造業景気指数
米 セントルイス連銀総裁、講演
米 リッチモンド連銀総裁、講演
米 トランプ米大統領、英国訪問
中国 5月財新製造業PMI
6/4
日本 5月マネタリーベース
日本 不二電機、アインHD、泉州電 各決算
日本 大英産業 IPO
米 4月耐久財受注
米 4月製造業受注
米 パウエルFRB議長、挨拶
米 セールスフォース、ティファニー 各決算
米 NY連銀総裁、講演
豪 中銀政策金利
6/5
日本 巴工業、フジコーポ、楽天地 各決算
米 5月ADP雇用者数
米 5月ISM非製造業景気指数
米 地区連銀経済報告
米 キャンベルスープ 決算
米 クラリダFRB副議長、挨拶
米 アトランタ連銀総裁、講演
中国 5月財新サービス業PMI
中国 国家主席、ロシア訪問
豪 第1四半期GDP
デ デンマーク総選挙
6/6
日本 黒田日銀総裁、講演
日本 5月都心オフィス空室率
日本 トップカルチャー、スバル興 各決算
米 4月貿易収支
米 トランプ米大統領、フランス訪問
米 シエナ 決算
米 ダラス連銀総裁、講演
米 NY連銀総裁、講演
英 カーニー英中銀総裁、講演
EU ECB政策金利
EU ドラギECB総裁会見
6/7
日本 メジャーSQ算出日
日本 黒田日銀総裁、講演
日本 4月家計調査
日本 4月毎月勤労統計調査
日本 4月景気動向指数
日本 ベステラ、積水ハウス、日駐車、くら寿司、鳥貴族、ポールHD、ミライアル
クミアイ化、アイモバイル、HIS、カナモト 各決算
米 5月雇用統計
米 クラフト・ハインツ 決算
米 サンフランシスコ連銀総裁、講演
中国 4月貿易収支
中国 休場(端午節)
香港 休場(端午節)
英 メイ英首相、保守党党首を辞任
6/8
世 G20財務相中銀総裁会議
2.NY市場、為替/債券 各結果(5/31)
今日のNY為替市場でドル円は下値模索が続き108.35円近辺まで下落する場面が
見られた。きのうは一服していたものの、きょうの市場は再びリスク回避が強まってる。
為替市場は円高の動きが強まっている。
トランプ大統領がメキシコが米国への不法移民流入を止めるまでは、同国に対する関税を
最高25%まで引き上げていく方針を打ち出した。市場にとっては寝耳に水だったかも
しれない。
NAFTAに代わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を脅かす行為でもあり、
米中合意の可能性にも影響するとの声も出ている。米中対立の長期化に備えて企業はサプ
ライチェーンを中国からメキシコにシフトするのではとの期待感もあっただけにネガティ
ブ・サプライズとなっているようだ。
この日発表の中国の企業景況感指標が弱い内容となったことや、中国政府がレアアース
輸出規制導入を示唆していることも警戒感に繋がっている模様。
これまで堅持していた109円のサポートをブレイクした格好だが、きょうはドルも軟化
しておりドル円を圧迫。米国債利回りが下げ幅を拡大し、2年債は2%を割り込んだ。
10年債も2.13%まで低下。このような中、イールドカーブはスティープ化が見られ
ている。
スティープ化でもブル・スティープ化で、10年債など長期ゾーン以上に政策金利に敏感
な2年債など短期ゾーンの低下が激しく、それによってイールドカーブがスティープ化して
いる状況。教科書的には景気の先行きに不安を強める中で、市場がFRBの利下げ期待を
かなり高めていることを示している。
しておりドル円を圧迫。米国債利回りが下げ幅を拡大し、2年債は2%を割り込んだ。
10年債も2.13%まで低下。このような中、イールドカーブはスティープ化が見られ
ている。
スティープ化でもブル・スティープ化で、10年債など長期ゾーン以上に政策金利に敏感
な2年債など短期ゾーンの低下が激しく、それによってイールドカーブがスティープ化して
いる状況。教科書的には景気の先行きに不安を強める中で、市場がFRBの利下げ期待を
かなり高めていることを示している。
実際、CMEがFF金利先物取引から算出しているFEDウォッチでは、年内据え置きの
確率が10%まで低下している。逆に2回以上の利下げの確率を58%まで高めている
状況。
一方、ユーロドルは買い戻し。ドル売りがユーロドルを押し上げた。ただ、ユーロ自体の
上値には慎重さも見られる。景気の先行き不透明感が強まっており、米国債利回りの下げ
続いているが、一方でドイツ国債の利回りもマイナス幅を拡大している。きょうのドイツ
10年債利回りは一時マイナス0.215%まで低下し過去最低を更新した。
リスク回避のほか、この日発表のドイツの経済指標が弱かったことも利回りを押し下げた
模様。来週はECB理事会が予定されているが、上記の状況では、声明やドラギ総裁の
会見でポジティブな内容は期待できそうにない。
ポンドドルも買戻された。ただ、ポンドも上値には慎重だ。来週はメイ首相が7日に辞任。
英与党・保守党内では同時に後継レースが本格化して来る。市場ではEU強硬派の首相が
誕生した場合の合意なき離脱のリスクを警戒しており、ポンドは上値が重い。市場の一部
では、もし、合意なき離脱となった場合は、ポンドドルは1.20ドルまで下落する可能性
も指摘されている。英国のリスクが高まる中で、資金が英国債への逃避が続いており、英
10年債は0.88%まで低下している。5月の英10年債利回りの下げは国民投票が実施
された2016年6月以来の下げ幅となった。
https://fx.minkabu.jp/news/105246
米国債利回り
2年債 1.916(-0.145)
10年債 2.128(-0.085)
30年債 2.570(-0.070)
期待インフレ率 1.741(-0.008)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場で利回りは下げが続いている。きょうの市場は再びリスク回避の動きが
強まった。トランプ大統領がメキシコが米国への不法移民流入を止めるまでは、同国に対する
関税を最高25%まで引き上げていく方針を打ち出した。
強まった。トランプ大統領がメキシコが米国への不法移民流入を止めるまでは、同国に対する
関税を最高25%まで引き上げていく方針を打ち出した。
10年債利回りは2.13%台まで低下し、2年債が1.92%まで低下している。
2-10年債の利回り格差は20(前日15)にスティープ化している。
スティープ化でもブル・スティープ化で、10年債など長期ゾーン以上に政策金利に敏感な
2年債など短期ゾーンの低下が激しく、それによってイールドカーブがスティープ化してる
状況。教科書的には景気の先行きに不安を強める中で、市場がFRBの利下げ期待をかなり
高めていることを示している。
実際、CMEがFF金利先物取引から算出しているFEDウォッチでは、年内据え置きの確率
が10%まで低下している。逆に2回以上の利下げの確率を58%まで高めている状況。
https://fx.minkabu.jp/news/105245
が10%まで低下している。逆に2回以上の利下げの確率を58%まで高めている状況。
https://fx.minkabu.jp/news/105245
3.NY株式市場 結果(5/31)
NY株式31日
ダウ平均 24815.04(-354.84 -1.41%)
S&P500 2752.06( -36.80 -1.32%)
ナスダック 7453.15(-114.57 -1.51%)
CME日経平均先物 20430 (大証比:-110 -0.54%)
今日のNY株式市場でダウ平均は大幅反落。きのうは一服していたものの、きょうの市場
再びリスク回避の動きが強まった。トランプ大統領がメキシコが米国への不法移民流入を
止めるまでは、同国に対する関税を最高25%まで引き上げていく方針を打ち出した。
再びリスク回避の動きが強まった。トランプ大統領がメキシコが米国への不法移民流入を
止めるまでは、同国に対する関税を最高25%まで引き上げていく方針を打ち出した。
市場にとっては寝耳に水だったかもしれない。NAFTAに代わる米国・メキシコ・カナダ
協定(USMCA)を脅かす行為でもあり、米中合意の可能性にも影響するとの声も出てる。
米中対立の長期化に備えて企業はサプライチェーンを中国からメキシコにシフトするのでは
との期待感もあっただけにネガティブ・サプライズとなった模様。
この日発表の中国の企業景況感指標が弱い内容となったことや、中国政府がレアアース輸出
規制導入を示唆していることも警戒感に繋がったようだ。
GM、フォードといった自動車株の下げが目立った。関税が引き上げられた場合、米自動車
業界への悪影響は必至で、特にフォードよりもGMのほうが影響が大きいとの分析も伝わっ
ている。GMがメキシコで生産している車種はフォードよりも利益率が高い車種が多いという。
ダウ平均は360ドル安まで一時下落し、2万5000ドルを再び下回った。
ダウ採用銘柄はマクドナルド以外の29銘柄が下落。ベライゾンが下落しているほか、ダウ・
インク、シスコシステムズ、ゴールドマン、P&G、ユナイテッド・テクノロジーズが下落。
ベライゾンは、AT&Tと伴に通信キャリアの売りが目立ってる。ロイター通信が、アマゾン
TモバイルUSとスプリントからプリペイド携帯事業の「ブースト・モバイル」の買収に興味
を示していると報じた。
TモバイルUSとスプリントからプリペイド携帯事業の「ブースト・モバイル」の買収に興味
を示していると報じた。
ナスダックも大幅反落。クアルコムは上昇した以外は、アマゾン、マイクロソフト、フェイス
ブックなど他のIT・ハイテク株は揃って下落した。
ギャップが大幅安。2-4月期決算を発表しており、旗艦ブランドのオールドネイビーが予想
外の減少だったことが市場の失望感を強めた模様。減少は約3年ぶり。
同社はオールドネイビー部門のスピンオフを計画しているが、今回の決算を受けて、その
魅力が低下するのではとの懸念が高まったようだ。
企業向けソフトウェア開発のズオラが大幅安。2-4月期決算を発表しており、減益決算
だったものの予想ほどではなかったものの、売上高は予想を下回った。5-7月期も1株
利益は予想以上の減少が見込まれていることが嫌気された。
https://fx.minkabu.jp/news/105243
4、NY市場、原油先物7月限/金先物8月限 各結果(5/31)
NY原油先物7月限(WTI)
1バレル=53.50(-3.09 -5.46%)
NY原油は大幅続落。米大統領のメキシコに対する関税発表で貿易摩擦が懸念された事や
中国の製造業購買担当者指数(PMI)悪化で景気減速懸念が高まったことを受け、リスク
回避の動きが広がったことが圧迫要因になった。
https://fx.minkabu.jp/news/105242
NY金先物8月限(COMEX)(終値)
1オンス=1311.10(+18.70 +1.45%)
金8月限は続伸。時間外取引では、米大統領のメキシコに対する関税発表や中国の製造業
購買担当者指数(PMI)悪化などを受けて堅調となった。日中取引では、株安やドル安を
受けて堅調となり、4月11日以来の高値1311.9ドルを付けた。
https://fx.minkabu.jp/news/105240
購買担当者指数(PMI)悪化などを受けて堅調となった。日中取引では、株安やドル安を
受けて堅調となり、4月11日以来の高値1311.9ドルを付けた。
https://fx.minkabu.jp/news/105240
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