蜃気楼ロードに入った時にしばらく一緒に歩いてくれた日本一周をやったというウォーキングの人が、歩き方について色々教えてくれた。
彼は全体をいくつかに分けはしたが、1回の行程で例えば下関から東京までを40日間で歩くと言うように一気に長い行程を組んで2~3年で一周したと言う。
時速5kmで歩き、それに合わせるために荷物は10km以下に押さえる,1人用のテントに夏用のシュラフは持つが実際にテントを使ったのは数日だけで、夏季ならシュラフのみで済ませることが多い,服装は短パンに半袖シャツで3~4日ごとに着替えてコインランドリーで洗濯する,食事はコンロ,食器を持たずすべてコンビニで済ませて軽量化をはかる等々・・。
それを聞いているうちに自分がどう言う歩きをしたいのか,そもそも何故こんなことを始めたのかと言うことが次第にハッキリして来るのを感じた。
蜃気楼ロードでは沢山のウォーカーを見た。その殆どは距離限定,時間限定のウォーキング,もしくは散歩なので軽装である。スピードはぶらぶら歩きの人も稀にはいるが、押しなべて早足で歩くというよりトレーニングしていると言う感じである。彼の人は1日で黒部から射水まで歩くことがあるとも言った。つまり自分を除くすべての人はウォーキングに勤しんでいたのだ。
ウォーキングの人の歩く姿勢はきれいだ。背筋がピシッと伸びて足の振り出しが大きく、上半身と脚がスッキリした逆Yの字を描く。手の振りもまっすぐで大きい。時速5kmは下らないスピードで、私などはついて行こうとすると小走りになってしまうほどだ。
ウォーキングが健康づくりにいいと言われるが、実際にはこのようなかなり負荷のある歩き方をしないと健康な体づくりには寄与しないだろうと思う。
これに比べると自分の歩きは手足の振りは小さいし腰が落ちてだらだらと実にみっともない。それならそのように努力すればいいようなものだが自分には出来そうにない。性分かもしれないが、そう言う歩きをしていると間違いなく走り出してしまうだろうと思う。『正しく歩く』のは難しい。走る方が絶対に楽だ。
自分はウォーカーにはなれないと言うのがハッキリした心境で、『だらだらと歩きたい』のだと言うことが分かったことの第1だ。