強い北西風で海は大荒れ/山際に咲き乱れるツワブキ
前夜から強い北西風が吹いて海が荒れ、平郡東地区から西地区に至る県道は至る所で波しぶきがを被っていたが、その一方で山際にはツワブキと野菊の花が咲き乱れていた。
このところ天候不順でできることが限られ無聊を託っていたところに『長深山に登る人が来るので一緒に登ってはどうか』と言う声がかかり、兼ねてからの懸案としていた島の脊梁山脈・長深山(451m)~深山(468m)ラインの調査をする機会が突然やってきた。
野菊もいっぱい/カラスウリの実赤く‥
がしかし、前夜来の強風~波浪注意報のせいで相方となる人が来られなくなり、1人での決行を決める。とは言え、下調べもなしで手がかりが何にもなく、頼みは地元の方々の情報だけである。船を出そうとしていた漁師さんに聞くも分からず、野菜づくりに精を出すご夫婦も『‥‥‥』
第3島人に登山口を尋ねる/出張所の所長さんにも
3番目に尋ねたご婦人が『鶴甫と言う地区の一番上のミカン農家さんの所からよ‥』とにこやかに教えて下さった。『これからお仕事ですか』と言うと『みかん畑にネ。寄って食べて行きなさい』と言って下さったのを丁重にお断りして、教わった方に向かう。
市役所の支所のそのまた出張所兼診療所の前を通りかかると管理人さんがおられたのでまた尋ねると、『40年前に登ったことがある』とおっしゃったこの方が、個別詳細地図をコピーして、昔あった筈の道を書き込んで下さった。
地図をコピーしてルートを書き込んで頂く
診療所の上からも行けるが、その道は今は歩けるかどうかわからないと言うことで、先刻のご婦人の言われたように、一番上のミカン農家さんの所からが登るルートと両方を書き込んで下さった。地図とルート図と言う願ってもない手がかりを得て、そのみかん畑を目指し勇躍坂道を登る。が、その坂道の傾斜のきついこと‥。
最後に農家から山道に入る~竜脳菊が見られる(9:07)
ようやくその農家に着いてそこからみかん畑に続く細道を登る。そのまま登ればみかん畑に至り、『柵を空けて畑の中を通り抜けると、長深山から真西ないし西・西北西に延びる尾根に出る』との説明だったが、みかん畑を通らず尾根に出るには『もっと前にある細道を左折する』とも教わっていたので、その道を選ぶ。
集果用のワイヤー(9:15)
多少の薮漕ぎの末にその尾根に出ると道らしき踏み跡があり、それを辿ると集荷用のワイヤーに出くわす。
発動機小屋~今は使われていないらしい(9:16)
道がしっかりしてきた~ここにもツワブキ
さらにそこに今は使われていないと思われる消毒剤を播くポンプの小屋があり、その脇を通って上へ上へと進むと次第に道がハッキリしてきた。
現役の発動機小屋(9:27)
9:27、先刻来、ポンポンポンと言う音を立てていた発動機のある小屋に到達。そこはみかん畑の西下側の端と思われ、そこから柵をめぐらしたみかん畑に沿って細道が、またそれに並行して尾根の道が伸びていた。
モノレールを潜って(9:34)
崖を攀じ登ると(9:36)/海ッ‼(同)
迷いようのないその道を進むと、今は使われっていないモノレールが現れ、その下を潜ってひと登りすると突然右手の視界が開けてみかん畑超しに海が見える場所に出た。おりしも西港を出たばかりのフェリー『ヘグリ』が眼下を航行中である。
ヘグリが航行中(9:37)/階段付きの石垣(9:38)
その辺りには昔の耕作地らしい石垣のある畑が数段続く。面白いのはその石垣に階段がつけられていたことで、このような石垣を見るのは初めてである。それはかつて盛んにこの棚畑が耕作されていたことを物語っていた。
みかん畑の上に出た(9:42)/目印が現れる(9:43)
9:42、みかん畑の上に出る。みかん畑の方から続く道がここで合流し、しっかりした道になると同時にテープによる目印が現れた。 目印には、赤いビニールテープの他、青や黄色のビニールテープ、青い荷造りテープ、タフロープ、赤ペイント等、少なくとも6種類以上があり、可なりの人に登られていることが分かる。
NTTの反射板(10:00)
もらった地図によると尾根は東10°南の方向にまっすぐ伸び、その先にNTTの反射板があることになっていた。10:00にその反射板に着く。
この先通行困難(10:09)/
目印もあることはあるが‥(10:18)
そこまでは問題なく行けると言うのが出張所の管理人さんの話しだったが、そこから先は多分倒木などで歩きづらいだろうとの言葉通り、はっきりと道と言えるものがなく、倒木が折り重なって進路を阻み、また大小無数の様々な蔓植物が簾のように垂れ下がったり横に這ったりして侵入が躊躇われた。折り畳みの鋸でこれらの蔓や邪魔な木を切って道を切り開きながら進むこととなる。併せて無数にあるアオキの幹や枝を折って帰り道のための目印とする。
重要なポイント(10:20)/石垣にもペイント(10:26)
頭上の木々は青々と~/臨床は明るいが荒れている
そんな中にも時折目印があり、また石垣の棚畑があってそこにもペイントがあったところを見ると、そこが道なのだろうがハッキリせず、その目印も石垣の消失と共になくなって後はただ高みを目指して進むのみとなる。
相変わらずだが(10:34)/こんな所にも石垣(10:43)
こう言う時、登りはいいのだが下りが怖い。確実な目印をつけて行かないと迷うのは必至であるが、何も持ってないのでナタメ代わりに枝を折って行くしかなかった。
その向こうに空が(10:49)/ハッキリ見えた(10:50)
そう言う不安を抱えながら手探りでひたすら登り、前方の木々の間に空が見え、やがてだだっ広く平坦な高みに着く。
倒木を潜り抜け(10:52)/岩だらけのピークへ(同)
大きな石がゴロゴロしてはいるが、山頂を示す標識のようなものはなく、右手(南)に向けて更に緩やかな登りが続いていたが、そこに踏み込むと下りの方角が本当に分からなくなる危険を感じてそこまでとし、10:54から下山に向かう。
広くて緩やかなピーク(10:52)/太陽の方向にn緩やかな登りが続く(10:53)
そして予定通り間違った‥。 続