ウルップソウの写真を撮りたかった。白馬岳付近にもあるにはあるが、なぜかいつも花が終わっていることが多く、天狗山荘の辺りがなぜかいつもベストなのだ。
雪渓を渡って稜線に出る頃、剛と池田ははるか先を歩いていた。『もっとまわりを見て歩こうよ』と藤井。7時10分,中間のピークの手前で先頭を停める。
昨日よりは展望がよくて剣・立山方面がよく見えた。だが剣・立山の上空には厚い黒雲があって、山もいつになく暗く沈んでおり、剣岳のあの鋭く天を突き刺すようなすっきりした輝きが見られない。
見納めて7時20分発,鑓温泉に下る。
急傾斜のモレーンを一気に下って草つきまで来ると少し落ち着き、そこからは花を楽しみながら歩けるようになる。
ボッカのような大きな荷を背負った1組の男女があえぎながら登っていくのを交わし、脚のそろった中高年のグループとすれ違った他には登ってくる人もない。
カール状の凹地は大出原と呼ばれる豊かな草原で、ナナカマドやコバイケイソウ,ミヤマキンポウゲ,ハクサンフウロ,クルマユリ等の花が豊富に見られる。
8時10分から20分まで小休止。かすかに温泉の硫黄の匂いが漂う。
ここから先にはクサリ場や梯子をかけた岩場があり、前を行く初老のグループを待ったりして意外と時間を喰う。9時05分,鑓温泉着。
私は面倒くさいし、せっかく入っても10分も歩けば汗でべとべとになって反って気持ちが悪いのと、気分が緩んでしまうのがいやなので歩く途中で風呂に入る気はしないが、温泉に目のない面々はここで入浴する。
10時05分,出発。ここから小日向のコルまでの1時間50分と、そこからの1時間半,長い長い下り道である。大池からずっと私達と前後して歩いてきた3人のグループが30分前に出た。
はるか先に道が見えている。それはあのケヤキ平から阿曾原に至る水平歩道を思わせる。あるいはそれ以上に遠いかもしれない。
そこまでにいくつの谷を越え、山襞を廻るのだろうか。気の遠くなるような遠景の先に小日向のコルはある。
自分にはゆっくり下れないと言う悪い癖がある。ゆっくり歩いていると1歩1歩の脚に負荷がかかりすぎるのですばやく次の脚を出す。結果的に走るような下り方になる。その方が負担が少なく疲れない。荷物の重さは関係ない。
稜線の下りでこれをやるとザックザックと大きな音がする。下にいる登山者が驚いて道を空けてくれるものだから若い頃はそれをいいことに飛んで下りた。
あちこちでずいぶん顰蹙を買ったであろうことは疑いない。
できるだけ慎んではいるが、ついつい早くなってしまう。
今は前の登山者に近づくと距離をつめ過ぎないようにしてペースを落とし追走するようにしているが、大抵の場合、先行者が気づいて道を譲ってくれるので丁重に頭を下げて先に行かせてもらうようにしている。
1人または少人数の仲間内では構わないが、今回のような集団の登山でこれをやると後続を引っ張ってしまいまずいことになる。いや、なってしまった。
少し前に出た初老のグループだけでなく、30分前に出た3人グループにもたちまち追いつき追い越す。小日向のコルまでは少しでも早く着きたいという気持ちが働いたのだ。
後続が必死でついてきているのが気になったが、途中2分ほど立ち止まって息を入れただけでノンストップで飛ばし、11時40分にコルの手前で休む。
蛇紋岩の滑りやすい道である。水平道なのに結構登りがあったと思ってふり返って見ると全体としてはやはり下っていた。
11時55分発,猿倉を目指してぐんぐん飛ばす。12時35分から10分休んで後続を待ち、『先に行ってタクシーを予約する』ことを伝える。
以後は走るように下り、13時21分猿倉に着く。長かった。同45分,全員下山。
雪渓を渡って稜線に出る頃、剛と池田ははるか先を歩いていた。『もっとまわりを見て歩こうよ』と藤井。7時10分,中間のピークの手前で先頭を停める。
昨日よりは展望がよくて剣・立山方面がよく見えた。だが剣・立山の上空には厚い黒雲があって、山もいつになく暗く沈んでおり、剣岳のあの鋭く天を突き刺すようなすっきりした輝きが見られない。
見納めて7時20分発,鑓温泉に下る。
急傾斜のモレーンを一気に下って草つきまで来ると少し落ち着き、そこからは花を楽しみながら歩けるようになる。
ボッカのような大きな荷を背負った1組の男女があえぎながら登っていくのを交わし、脚のそろった中高年のグループとすれ違った他には登ってくる人もない。
カール状の凹地は大出原と呼ばれる豊かな草原で、ナナカマドやコバイケイソウ,ミヤマキンポウゲ,ハクサンフウロ,クルマユリ等の花が豊富に見られる。
8時10分から20分まで小休止。かすかに温泉の硫黄の匂いが漂う。
ここから先にはクサリ場や梯子をかけた岩場があり、前を行く初老のグループを待ったりして意外と時間を喰う。9時05分,鑓温泉着。
私は面倒くさいし、せっかく入っても10分も歩けば汗でべとべとになって反って気持ちが悪いのと、気分が緩んでしまうのがいやなので歩く途中で風呂に入る気はしないが、温泉に目のない面々はここで入浴する。
10時05分,出発。ここから小日向のコルまでの1時間50分と、そこからの1時間半,長い長い下り道である。大池からずっと私達と前後して歩いてきた3人のグループが30分前に出た。
はるか先に道が見えている。それはあのケヤキ平から阿曾原に至る水平歩道を思わせる。あるいはそれ以上に遠いかもしれない。
そこまでにいくつの谷を越え、山襞を廻るのだろうか。気の遠くなるような遠景の先に小日向のコルはある。
自分にはゆっくり下れないと言う悪い癖がある。ゆっくり歩いていると1歩1歩の脚に負荷がかかりすぎるのですばやく次の脚を出す。結果的に走るような下り方になる。その方が負担が少なく疲れない。荷物の重さは関係ない。
稜線の下りでこれをやるとザックザックと大きな音がする。下にいる登山者が驚いて道を空けてくれるものだから若い頃はそれをいいことに飛んで下りた。
あちこちでずいぶん顰蹙を買ったであろうことは疑いない。
できるだけ慎んではいるが、ついつい早くなってしまう。
今は前の登山者に近づくと距離をつめ過ぎないようにしてペースを落とし追走するようにしているが、大抵の場合、先行者が気づいて道を譲ってくれるので丁重に頭を下げて先に行かせてもらうようにしている。
1人または少人数の仲間内では構わないが、今回のような集団の登山でこれをやると後続を引っ張ってしまいまずいことになる。いや、なってしまった。
少し前に出た初老のグループだけでなく、30分前に出た3人グループにもたちまち追いつき追い越す。小日向のコルまでは少しでも早く着きたいという気持ちが働いたのだ。
後続が必死でついてきているのが気になったが、途中2分ほど立ち止まって息を入れただけでノンストップで飛ばし、11時40分にコルの手前で休む。
蛇紋岩の滑りやすい道である。水平道なのに結構登りがあったと思ってふり返って見ると全体としてはやはり下っていた。
11時55分発,猿倉を目指してぐんぐん飛ばす。12時35分から10分休んで後続を待ち、『先に行ってタクシーを予約する』ことを伝える。
以後は走るように下り、13時21分猿倉に着く。長かった。同45分,全員下山。