遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

ついの栖か 雪五尺

2013-06-24 09:34:45 | 山のあしおと小学校
 死んでもおかしくない事故で車を1台潰しながらもかすり傷で生きながらえた。つくづく悪運が強いと言われ、自分でもそう思う。
 その日から1週間あまり・・,車がないので動くこともままならず、何もできない日々を過ごしているが、こう言う状況を余儀なくされて改めて見直すと、自分には今ここにいること以上にやるべきことが何もないことに思い至る。
 大町にいれば体は無条件に畑に向かい齷齪と農事に追われていたり、あるいは子ども達対象の冒険学校を企画したり、山仲間やガイドの仲間達との様々な活動の合間に一人歩きの旅等があって、沢山のスケジュールをエネルギッシュにこなしているかのように振舞っていることだろうが、こうして一週間もそれらの諸々から離れてみると、どれもがすりガラスの向こうの景色でしかなく、大して重要なことではなかったように思えてくる。
 もちろん、決して無意味なことではないのだが、今ここで『じっとしている』こと以上に重要ではないということだ。

 これがまぁ ついの栖か 雪五尺

 一茶さんではないがこの地で『終の棲家』に籠るのも悪くない気がして、大町に還るか否か,決めかねているところ。
 とりあえずミカン畑の草を刈りに平郡島へ行って来る。



6月の白い花

2013-06-09 11:33:22 | 花・植物・自然界

 朴の木/エゴノキ


 梅雨空には白い花が似合う・・,6月の山は白い花が多い。


 ウツギ(卯の花)/〇〇〇ウツギ?




 カンボク(2012年6月14日)





 オオカメノキ(ムシカリ)





 サワフタギ(?)





 マタタビの擬似花





 ミズキ





 ヤマボウシ/ノイバラ




 以下,園芸種


 カモミールの丘

 



 シャスタ―デージー/〇〇〇ウツギ(?)



針ノ木雪渓から蓮華岳へ~夏山の幕開け

2013-06-03 19:56:05 | 山のあしおと小学校

 蓮華岳モルゲンロート・2012年5月13日

  

 大町労山の6月山行は毎年第1日曜日,針ノ木雪渓からの針ノ木岳または蓮華岳登山と決まっている。この日は恒例の慎太郎祭の日でもあり、針ノ木雪渓から針ノ木岳,蓮華岳を目指す夏山登山の幕開けともなる日なので、地元山岳会としても外せない行事となっている。






 今年は、スキーを担いでマヤクボ沢を詰め針ノ木岳を目指すグループ3名と、針ノ木峠から蓮華岳を目指すグループ5名とに分かれ、これに友好関係にあるマミクトイのグループ4名が加わって賑やかな出発となったが、先行2名(Jun1とnobou)と後続との間に大きな差がついてしまったため、針ノ木峠で追いついてきた3名と顔を合わせただけで、殆ど別行動になってしまい、会山行としては??だったが、今季初アルプスの雪渓登りと夏山の雰囲気を楽しむことが出来、上々であった。
 
 7:00発,林道の間を縫う登山道をしばらく歩いて、慎太郎祭の本部のある広場からジグザグを繰り返し、堰堤の手前から雪渓末端に取りついて堰堤を越えて雪の上を行く。小沢を越えた辺りで大沢小屋への道を見送って灌木の中の踏み跡を辿り、堰堤を2つ越えて本格的な雪渓に入る。
 下部では雪渓が痩せていて端を歩くと踏み抜きそうになるのを騙しだまししばらくと大沢小屋からのルートが入って来る。
 

  

 遥か前方を行く登山者は10名あまりで、先頭とは1時間程度の差か・・。
 今冬はワカンハイクのガイドを3~4回やっただけで、長い距離を歩いていないのでやたらと靴が重く感じられ、靴の重さに慣れるだけで疲れてしまいそう。
 8:21,慎太郎祭の祭事を行う祭壇(?)を通過。ここで行われる祭事に参加することを目的とする人達も決して少なくないようだ。



 慎太郎祭の祭壇/アイゼン装着


 

 この辺りから少し傾斜が出て来てJun1さんがアイゼンを装着。自分はここでアイゼンを使ったことはなく、面倒なのでそのまま7行く。
 前方に小学生を連れたお母さんが、子どもに合わせたステップを切りながら1歩1歩ゆっくり登っている。先刻から丁度いいステップがあるのをこれ幸いにと利用させてもらっていたのは、実はこの2年生君のものだった~と知ってはいささか恥ずかしい。



 崩落地


 雪渓の中央部にデブリの堆積が見られ、どこから来たものかと見廻すと左岸側にむき出しの崩落の跡や土砂が流れた所が見られた。
 9時過ぎてようやく咽喉と呼ばれる地点に差しかかる。この頃になると祭壇の周辺に集まる人も増え、また峠をめざす登山者もどんどん登って、元気ぞろいの若者の集団が軽々と追い越していく。



 咽喉/続々と登って来る


 針ノ木雪渓は緩やかに左に屈曲しており、下部から最奥部の様子を窺い知ることはできないが、高度が増すにつれて少しづつその先が見えて来る。
 『咽喉』を過ぎると斜面はいよいよ傾斜の度合いを強め、スリバチのようなその斜面を、ある者はジグザグを切り、またある者はそれを嫌って力強く蹴り込みながらまっすぐ登って行く。



 ジグザグに・・/・・まっすぐに


 咽喉から1時間と踏んだが歩いても歩いても立ちはだかる壁は大きく、峠はなお姿を現さない。
 ジグザグに登る人には前方を見る幾分かの余裕があるが、まっすぐ登る人は足元を見つめ深く首うなだれて、歩いた時間ほど立ち止まっては息を整え、意を決っすると言うより倒れ込むかのようにまた歩いては立ち止まり、それを横目に見ながら自分だけのステップを登る人がいる。



 休み人を見ながら休む/壁を越えて行く人々



 見下ろす/北葛岳か・? 


 11:01,壁の向こうに消えて行く人に入れ替わって、壁から見下ろす人が見えればそこが針ノ木峠~渾身の雪渓登りが一段落する瞬間。目の前の景観に奪われる心の余裕さえなくベンチに座り込む。



 針ノ木小屋周辺/


 昼食をがっついているところへ後続の3人と針ノ木峠までのマミクトイの4名が到着。これに慎太郎祭に参加した会員1名が加わって4人が蓮華岳に登り、山頂で食事をすると言って出たのを、Jun1さんと2人,空身で追う。途中,ピッケルが邪魔になったので木に縛りつけて『後刻回収・木偶』と書いたメモを添えて先を急ぐ・・。



 針ノ木峠俯瞰/








 しばらく行くと先に出た4人がのんびりと弁当を食べているのに遭遇。『ガスが湧いてきたので止めた~』と言う。
 ここまで来て引き返す訳にはいかぬとJun1さんを追いかけて12:55に蓮華岳着。とんぼ返りで引き返す途中,ピッケルを回収しようとデポ地点に戻るとメモだけ残してピッケルがない。仲間の誰かがザックの所まで持って行ってくれたのかと思ったが、針ノ木峠にそれらしいものはなく、付近にいる人に大声で聞いてみても出て来なかった。








 結局,ピッケルなしでスリバチを下降,途中から滑っておりたかったのでアイゼンもつけず、上部ではちょっとおっかなびっくりで腰が引けた下りになったが、咽喉の辺りからは尻セードで一気に下る。ブレーキをかけるピッケルがないので腕で止めて方向を変えたり止まったりしながら滑り降りたために剥きだしの右腕が傷だらけだ。






 40分あまりで集合場所の最終堰堤まで駆け下ると針ノ木岳のグループはまだだった。ひと足先に降りて15:34,駐車場に着き終了とする。
 ちょっと統率を欠いた会山行ではあった。

 それにしてもピッケルを持って行かれるとは考えてもみなかったなぁ・・。去年は隠しておいたのだが、隠すほどでもあるまいとタカをくくったのが仇になった。まぁしかし、悪いのはそこに置いた方だ。


 蓮華岳初冠雪・2012年10月24日