遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

戸倉山登山,代替ドライブ

2008-04-30 10:02:28 | 境界線・新境界線

 廻り目平の奇岩群

 4月26日(土)の朝,月例山行戸倉山登山のための準備をしている最中に、じゅんちゃから『雨だがどうする?』と電話。まったく念頭になかったので慌てて外に出てみると結構降っている。何とも判断がつきかねて『とりあえず集まろう』と言うことになった。

 観音平にて

 特に月例山行の場合は、日取りを決めるのにもみんなの日程を合わせるために非常に苦労しているので、簡単に中止してしまうのは惜しいと言うこともあって、一旦集合場所に集まって合議することをクラブの山行での原則としたが、去年は天候に恵まれたので実際には今回が初めてのケースとなる。

 衆議の結果,伊那・木曽方面は空が重いので行くなら佐久方面だろうと言うことになり、あちこちの登山口へのアクセスの確認を兼ねて歴史・文化施設を見学し、温泉に浸かって帰ろう~となる

 結果的には1日中,雨につきまとわれたが、八ヶ岳縦走路の起点に当たる編笠岳登山口観音平と、金峰山の川上村側からの入り口に当たる廻り目平・金峰山荘を見た後稲子湯に浸かり、麦草峠経由で茅野に戻って尖石考古館を訪れる・・,と言ういいドライブとなった。

 
 廻り目平・金峰山荘/奇岩にもハーケンの跡

 3月の天狗岳登攀の時,本沢温泉から稲子湯に下る案を検討したが時間のロスが大きくて断念したと言うこともあって稲子湯に寄りたいと言うじゅんちゃの強い希望もあり、それなら開通したばかりの麦草峠経由で茅野に帰るのがよかろうと言うことになる。

 松原湖を望む駐車場のコブシの蕾。コブシには花のつけ根に葉があるが、タムシバにはない。

 
 本沢温泉の入り口,徒歩で2時間。宿泊すればスノーモビルで送ってもらえるそうだ。


  
 稲子湯・みどり池経由,中山峠への起点
 
 6:50スワンガーデン7:10⇒豊科IC7:15⇒7:30みどり湖P7:50⇒8:25小淵沢IC⇒8:30スパディオ小淵沢8:45⇒8:55観音平9:00⇒川上村⇒10:05廻り目平10:30⇒11:20松原湖⇒11:35稲子湯12:30⇒麦草峠⇒14:40尖石考古館15:55⇒諏訪IC⇒みどり湖PA⇒豊科IC⇒スワンG
走行距離,約270km/豊科⇒小淵沢1900円/諏訪⇒豊科1250円/稲子湯600円

考古館ではボランティアガイドの方と一緒に見学して多くのことを教わり、また久々に縄文のヴィーナスや仮面土偶の妖しい美しさを堪能した。
 


やわらかタマネギ

2008-04-30 00:45:17 | あまってら農園

 早くも新タマネギが出回っているらしいが、畑のタマネギはやっと太り始めたくらいで食べられるのはまだまだ先なのだが・・,

 農園では今,面白いことが起こっている。昨年,収穫するのを忘れていたタマネギから秋になって芽が出たのをそのままにしておいたのが、生き生き,青々,スクスクと育っているノダ。
 試しに2~3株引き抜いてみると根元の部分はまっしろでふっくらとしてタマネギっぽく、葉っぱの部分は濃緑で柔らかくネギとして使える。味噌汁に入れたりヌタにしたり炒めたり煮たり・・,どうやって食べても美味しい。こいつぁ儲けものと言うものだ。

 実は、タマネギが一番美味しいのは一番外側の皮が薄っぺらで茶色になる前の、まだ皮が厚くて青い時だ。その青いタマネギはほんの一時期だけ出荷されることがあるが、見た目がおいしそうでないのであまり買われないのではないかと思う。
 なので一般消費者の多くはその味を知らず、知っているのはタマネギ農家や菜園でタマネギをつくっている人達だけかもしれない。
 また、沢山ある中にはネギ坊主が出来るものがあり、ネギ坊主が出来たタマネギは出荷できないので、その時点で引き抜いて食べたり、地場産コーナーに一山いくらで売りに出したりする。地上部も全部食べられ、これが抜群に美味しい。
 たっぷりのコンソメのスープでゆでるだけで美味しく食べられる。

アミガサタケ・・・別称バイパスタケ?

2008-04-28 19:57:09 | 花・植物・自然界

 本日,サイクル・デビュー。山仲間に借りた自転車で運転免許センターのある塩尻へ向かって奈良井川沿いのサイクルロードを疾走中,風圧で帽子を飛ばされて取りに戻った所で思いがけずアミガサタケを見つけた。松本に来て探してはいたけどなかなか見つからなかったキノコの発見に小躍りし、5本をゲット。

 塩尻の免許センターまで行かなくてはならなかった訳は、免許の更新期限をうっかり忘れて無免許となり、再交付手続きのために自転車で行かざるを得なくなったからだが、免許の失効と自転車デビューによって日頃の行動のパターンと範囲が著しく変わり、それに帽子を飛ばされたと言う偶然が重なったところがなんとも言えずおかしかった。

 
 広島時代の話し。ある日の退勤時,同僚Aの車に便乗して帰宅中,西広島バイパスの佐方SAで休憩した時に法面で偶然このキノコを見つけた。同僚にも勧めたが固辞されたので全部持ち帰ってバター炒めで美味しく食べた。
 翌日は急用が出来たので仕事を休んでその翌日職場に行くと、職場の人達が口々に『大丈夫か?』と聞くので『何のこと・・?』と聞き返すと『変なキノコを食べて当たったともっぱらの噂だが・・』と言う。同僚Aが面白おかしく話したのに尾ひれがついたらしい。以来,同僚Aとの間ではこのキノコを『バイパスタケ』と呼ぶこととなった。
 八王子で草刈りの仕事をしている頃には毎年決まって生える仕事場があって随分楽しませてもらったし、沢遊びの際に河原の焚き火の跡にも決まって生えていたが、信州ではついぞ見かけなかった。 
 単純にバター炒めで食す。美味であるが見た目がグロテスクなので大抵の人は尻込みする。

イチゴの花弁をめぐって・・・ノウゴウイチゴ,その後

2008-04-28 01:07:39 | 
 6枚花弁のイチゴ・女峰
 あるブログのイチゴの花の写真を見ていると花弁が6枚あるように見えたので、次のコメントを送った。   
 『 ・・・。この記事のイチゴの花の写真ですが、花びらが6枚あるように見えますが、他に花びらの数が分かる写真はありませんか?
 と言うのは、先日(22日)『ノウゴウイチゴ』の記事で、「バラ科であるイチゴの花弁は通常5枚なのが、ノウゴウイチゴは7枚花弁だ」と言うことと「自分の畑で7枚花弁のイチゴの花を見つけた」と言うことを書いたばかりなのです。もし分かったら教えて下さい。 』
 
 以下,返事のやりとり

 『お久しぶりです。・・(略)・・。いちごの花弁、わたしはずっと5枚だと思っていました。木偶さんのコメントをきっかけにちょっと調べてみたところ5枚~8枚なんだそうです。ここをご覧ください
 ⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%B4 
 あいにくいちごの花がしっかり写っているものは他にはありませんが、よく見ると確かに6枚ありますね! 気がつきませんでした。ちなみに写真の花は女峰という品種です。
 あるサイトで女峰の花の画像をたまたま目にしたのですが、やはり花弁は6枚ありました!
ついでに、花びらが大きいと実も大きくなるらしいです。 』

 『6枚花弁はオドロキです。女峰に6枚花弁のものがあると言うことが他の所でも確認されたと言うことで貴重な情報を頂きました。
 花びらが大きいものほど実が大きいと言うのも普通の野生のイチゴが2倍体であるのに対して品種改良されたものには8倍体のものが多く、8倍体のものは植物体全体が大きくなると言うことなので頷けます。
 私は自分の畑の7枚花弁のイチゴを見て先祖返りかと思ったのですが、むしろその逆で品種改良の過程で花びらの数が変化したのではないかと思うようになりました。コメントからヒントを頂きました。 』

 『わたしも木偶さんのコメントをきっかけに、いちごについて調べてみたくなりました。ちなみに7枚、8枚花弁の写真もどこかのサイトで見ました!
 それにしても木偶さんのいちごの花弁が7枚というのも驚きですね。わたしが撮ったいちごの花がたまたま6枚だったのか、それとも女峰という品種がそもそもそういうものなのか、もうちょっと調べてみても面白そうです^^ 』

 『コメントが2つあったのに気づかず、後の方だけ読んで書き込みしていました。ウィキペディアの記事は参考になりました。私もウィキペディアで倍数性について調べました。  
 ⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E6%95%B0%E6%80%A7
 私の仮説は、オランダイチゴはすでに品種改良された8倍体で、その原種であるバージニアイチゴやチリイチゴは多分ノウゴウイチゴに近い2倍体(野生)種で、ノウゴウイチゴが7枚花弁と言う特殊性を持っているように、6枚以上の花弁を持つものがあったのではないか・・,これらの野生種に共通した形質が改良種に受け継がれる過程で5~8枚と様々な数になって現れているのではないか・・,と言うものです。
 同じ畑で今年はいくら探しても5枚花弁しか見つかりません。花弁の数は不安定なものなのかもしれませんネ・・。 』



間一髪・・・幼虫君,セーフ

2008-04-27 20:54:40 | あまってら農園

 鍬の刃の跡がくっきりと残っているが、スレスレのところで助かっている。
                 
 畑を起こしていると、鍬の刃と刃の間に大きなカブトムシの幼虫が挟まって出てきた。幸いにも間一髪のところで幼虫は傷つくことなくセーフ。全部で9匹の幼虫が出てきた。
 去年の秋に牛糞堆肥の山から90匹あまりの幼虫を掘り出して養生してきた。その大量の幼虫を発見する以前に、ダイコンの播種に向けて鋤きこんだ堆肥の中にすでに幼虫か卵がいて、それが厳冬に耐えて生き延びていたものと思われる。

                
 ハウスの一画につくった養生場からは、丸々と肥えた大量の幼虫がコロコロと出てきた。夏になると100尾あまりのカブトムシが羽化することだろう。

インカのめざめ・アンデス・オオジロ・・・ジャガイモの植えつけ

2008-04-27 20:33:27 | あまってら農園
 
 やっとジャガイモの植えつけに漕ぎつけた。とりあえず、アンデス,インカのめざめ,オオジロの3種を植えつけ。
 
 植えつけたと言っても量はまだ半分。他にキタアカリとメークインが丸々残っているので大車輪で耕さなくてはならない・・。


縄文のヴィーナス&仮面土偶

2008-04-27 19:53:25 | 境界線・新境界線
 尖石考古館の2大土偶
 
 左:縄文のヴィーナス/右:仮面土偶
 7年ぶりに尖石考古館に行き、縄文のヴィーナスと仮面土偶を見た。
 釣りあがった目におちょぼ口で全体にぽってりした感じのヴィーナス,かたや幾分おどろおどろさを漂わせ、謎めいた妖しさを秘めた仮面土偶・・,両者共,何度見ても素晴らしい。
 
 前者のふくよかさは気候が暖かな時代,現代なら四国か九州くらいの温暖な気候のもとで広葉樹の森が広がり、豊富な食糧に恵まれて豊かに暮らしていたであろうことを物語ると言われる。
 
 一方,後者は今より平均気温が4℃くらい低く、針葉樹の森に覆われて厳しい生活を強いられていたであろう時代を反映していると言われる。

 

牛糞堆肥来る

2008-04-24 21:01:01 | あまってら農園
 
 去年の後半頃から畑仕事に意欲がわかなくなって今年はまだ何もしていない。畑だけでなく色んなことにあまりわくわくしなくなって、そろそろ限界が見えてきたのか知らんと思うこの頃,一生懸命けしかけて色々やってはいるが、展望が開ける感じがしない。
 ジャガイモの種芋20kgと夏野菜の種数種類を買ってはいるが、すぐにも播種すべきトマト,ナス,キュウリの種はまだ袋のまま・・。
 こう言うときは何も考えずに目の前の仕事をこなしていくしかないと思って久々に畑に行くといつの間にか草が伸びていたので、取あえずは草刈からと刈払い機のエンジンテスト。幸いなことに一発で始動したのでハウス周りをきれいに刈った。
 
 収穫せず花を咲かせてしまったルッコラを刈り、抽苔(塔立ち)してしまったホウレンソウは全部引き抜いて先端の柔らかい部分だけを採る。

 昨年暮れに予約しておいた牛糞堆肥がやってきた。去年は牛糞堆肥が間に合わなくて、待っている間に大量の種芋をダメにしてしまったので同じ轍を踏むわけには行かない。今週中に畑をつくって日曜日にはジャガイモを植えつけられそうだ。
 

糸魚川~富山海岸線80kmウォーク・・・日本海海岸線行脚・第1弾第1行程

2008-04-22 21:04:34 | 山のあしおと小学校

 日本海海岸線行脚・第1弾,第1行程・・・日本海の海岸線を歩くツァー
  糸魚川~富山海岸線80kmウォーク・・・・5月3日~6日


A計画:快速ムーンライトを利用できる場合
5月3日
松本4:35快速ムーンライト⇒5:08大町5:10⇒5:36白馬6:00⇒6:20南小谷7:41⇒8:46糸魚川駅9:00⇒(16km)⇒13:30親不知14:00⇒(10km)⇒17:00市振の関・幕営(自炊)
5月4日(祝)
市振7:00⇒(12)⇒11:00入善12:00⇒(20)⇒18:00魚津漁港・幕営
5月5日(祝)
魚津漁港7:00⇒(20)⇒13:00富山市古志の松原・釣り・幕営        5月6日(代)
古志の松原10:00⇒(10)⇒12:30富山駅13:25⇒14:37糸魚川14:55⇒15:55南小谷16:09⇒17:06大町17:09⇒18:11松本
        
B計画:ムーンライト指定券取れない場合
5月3日(祝)
松本7:08⇒8:10大町8:15⇒9:12南小谷9:24⇒10:19糸魚川10:30⇒親不知
5月4日(祝)
親不知⇒黒部市黒部川河口・幕営
5月5日(祝)
黒部川河口⇒滑川市滑川パーク・幕営
5月6日(代9
滑川パーク7:30⇒(20)⇒12:30富山駅13:25⇒14:37糸魚川14:55⇒15:55南小谷16:09⇒17:06大町17:09⇒18:11松本

参加対象;
小学3年~中学生までの男子3名
5~7kgの個人の荷物と1人約2~3kgの共同装備・食糧,合せて8~10kgの荷物を背負って1日焼く30km歩ける人。

参加費;中学生11,000円 小学生8,500円
内訳;交通費:中学生以上約5,150円 小学生約2,575円 食費:約4,000円 その他の費用;2,000円
※電車運賃
 松本~糸魚川・・・1,890円(115.9km)
 富山~松本・・・・3,260円(194.9km)
 計        5,150円(310.8km)

以下,詳細略
申し込み締め切り;4月30日(水)

森くらネイチャーガイド教本~植物編・・・ノウゴウイチゴ

2008-04-22 15:16:14 | 
 
ノウゴウイチゴ(能郷苺))
科名:バラ科 オランダイチゴ属
学名:Fragaria iinumae

 岐阜県の能郷白山で発見されたことからこの名があり、登山者にはなじみ深いもので、甘い果汁はのどに染みわたる。
 栽培種の食用イチゴは、南米と北米原産の2種の野生イチゴが交雑して生まれた8倍体種(※)であるが、日本に自生するイチゴはいずれも2倍体種で、食用のイチゴにくらべるとずっと小振りである。
 このうちノウゴウイチゴは主に本州の日本海側と北海道に分布し、亜高山帯の登山道の土がくずれたようなところでよく見られる。
 栽培種のイチゴ(オランダイチゴ)の白い花に似ているが、ほとんどのイチゴの花は花弁が5枚であるのに対して、この花は花弁が7~8枚と多く、見分けのポイントとなっている。

 北海道、本州の北部・日本海側に分布し、低山~亜高山の湿った草地や林縁に生える多年草で高さは10cmほど。太い根茎を持ち、長いつるを伸ばして一面に広がる。葉は3小葉からなる複葉で葉は緑白色、粗い鋸歯がある。
 直径2cmほどの純白の花を咲かせ、8~9月に長さ1cmほどの真っ赤な果実を実らせる。実は円錐形で小振りだが、香り・甘さとも最高で、野生のイチゴとしてはシロバナノヘビイチゴとともに栽培種に劣らぬ美果である。


※8倍体
 基本的な数の染色体すなわちゲノムを複数組もつ細胞または個体のこと。生物の細胞はふつう母親と父親に由来する2組のゲノムをもつので2倍体であるが、一部の生物では2組以上のゲノムをもつことがあり、ゲノムの組数に応じて2倍体、3倍体、4倍体、8倍体などとよばれる。
 ほとんどの動物は2倍体であるが、少数の動物およびかなりの植物で2組以上のゲノムをもつ倍数体種が知られている。
 動物では、ホウネンエビ類の1種(4倍体、8倍体)、ヤブキリ類の1種(4倍体)、メキシコサンショウウオ類の数種(3倍体、4倍体、5倍体)、フナ(3倍体、4倍体)、コンゴウインコ類の1種(3倍体)などである。ただしほとんどは雌個体だけが単為生殖によって繁殖している例外的な存在である。

 これに対して、植物の倍数体はごくありふれた現象で、植物の進化にとって重要な役割をはたしている。被子植物の半数近くは倍数体であるといわれており、ひとつの種または近縁種間に染色体数の倍数系列が多くみられる。
 倍数体は、通常の2倍体よりも全体の大きさや個々の器官が大きくなりやすい反面、成長はおそくなる傾向がある。こうした特性を利用するためにコルヒチンなどの薬品によって人工的に倍数体をつくり、花の大きな植物や収量の多い作物,種無し果実などをつくる倍数体育種(倍数性育種)がおこなわれている。


宮前自然園

2008-04-22 14:21:10 | 花・植物・自然界
   
 タムシバの花が咲いて大町にも遅い春がやってきた。ザゼンソウの花期は長く、前回(3月17日)アップしてから悠に1ヶ月を越えた。

 
 
すっかり暖かくなって幼児の手を引く人も軽装になった。テーブル・クレソンの傍らにはショウジョウバカマが咲く・・。

  
 夥しい数のザゼンソウ達が、雪の下でこの時が来るのを待っていたようだ。

救助・捜索費はいくらかかるのか・・・労山遭対基金資料から

2008-04-21 22:05:21 | 境界線・新境界線

 救助・捜索費は幾ら掛かるの?
遭対基金は他の山岳保険に比べて救助捜索費用給付に手厚いことはご承知の通りです。加入初年度の場合、払込金の300倍を限度に実質が補填されます。(例えば、5口5000円の払込金の場合、150万円まで給付。加入年数が1年増えるごとに倍率は10倍ずつ加算)。

 では、捜索や救助にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。迅速な救助のために、多くの場合、山域の地元遭対協の方々に出動していただくことになります。また、ヘリコプターによる搬出が必要な場合も少なくありません。
 遭対協の方々はほかに仕事をもち、遭難となればそれをなげうち危険を冒して救助してくださるのです。謝礼、保険料、食料費や消耗品代を事故者において負担することになります。ヘリコプターも警察や消防・防災ヘリが稼動できない場合(少なくない)、民間ヘリコプター会社に出動してもらうことになり、その運賃は当然事故者の負担になります。

 例えば、長野県の諏訪地区遭対協では、隊員の謝礼が季節によって3万円から3万5千円、保険料の遭難者負担2万円(それぞれ1人1日、保険料は遭対協の負担分もある)、隊長・班長手当などの規定があります。ヘリでは遭難に最も活躍している東邦航空の料金は、空輸料約47 万円、サーチ・レスキュー料約51万円(各1時間当たり)です。

 冬の八ヶ岳広河原沢の遭難(転落骨折)では、場所が氷瀑ということもあって、ヘリの東京からの回送料も含めて遭対協と合わせた費用260万円あまりでした。西穂高での転落死亡事故では、ヘリによる遺体搬出を含めて約140万円かかっています。しかし、ヘリコプターは別にしても、救助費用として請求される金額の基準は、全国一律(あるいは、だいたい同じ)というわけではありません。遭対協の出動費用は、地方によってかなりバラツキがあるのです。

 例えば、雪崩遭難に20人近くの隊員が出動してくれた東北のある県の遭対協からは、消耗品まであったにもかかわらず救助費用の請求が一切なかったということもありました。一方で、中部地方のある遭対協のように、隊員1人あたりの出動手当3万円、冬期危険手当1万円、保険料が約2万円あまりという規定を設けているところもあります。(指揮者の場合はさらに1万円)。決して前者の遭対協に資金が潤沢で、隊員の保障も十分というわけではありません。それどころか、不十分な装備に恥じ入っているほどだといいます。かといって、「それに比べて後者の方は……」と言うこともできません。


 この問題(バラツキということではなく、隊員の不安定な保障)は、全国連盟がおこなった昨年の警察庁に対する要求でも取り上げ、各地の遭対協の活動に対する十分な補助を求めているのです。
いずれにしろ、西穂高での死亡事故の例は夏でしたが、現場が確定している、近くに使えるヘリポートがありすぐに出動できるヘリコプターがいたなど、条件はよい方でした。それでも140万円かかっています。ヘリコプターが出動する例は頻繁にあるわけではありませんが、最低限の目安にはなるでしょう。


 では、救助隊だけが出動して救助した場合に救助費用は総額どのくらいかかっているのでしょう。前述したように基準にはバラツキがあって、全国どこでも同じではないのですが、ここでは先の中部地方の遭対協に出動してもらった例を紹介しましょう。
 2月の山行でしたが、5人パーティーがルートを誤り夕方になってビバーク。翌朝までにかなりの降雪があって動けず、無線で地元警察に救助を要請しました。警察は地元遭対協に出動を要請し、所属会にも出動が要請されました。これに応えて遭対協の15人が救助に向かい、その日の夕刻に現場に到着して、所属会の会員を含む県連救助隊12 人が待機する麓まで下山させたというものです。 この例での救助費用総額(遭対基金で給付対象になったもの)は131万円あまりでした。内訳は、遭対協の出動費用で97万円(出動手当、消耗品代、食事代など)、県連救助隊の交通費や装備・食料費、宿泊費などが約22 万円、所属会の会員を除いた救助隊員の日当が8万円でした。これに関係者への謝礼も、救助費用として給付されます。ヘリコプターの場合と、そう変らない費用がかかるのです。(登山時報No280 No281)
※この記事は、日本勤労者山岳連盟『登山時報編集部局の了承を得て転載したものです。

***日本勤労者山岳連盟***
〒162-0814 
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TEL 03-3260-6331 FAX 03-3235-4324
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二十四節気『穀雨』・・・4月20日,太陰太陽暦三月(弥生)十五日

2008-04-20 02:09:51 | 月・星・太陽・暦・天体&気象・自然現象

穀雨 (こくう) 4月20日頃 三月中 (弥生:やよい)  太陽視黄経30度
 『春雨降りて百穀を生化すれば也』(暦便覧)
 田んぼや畑の準備が整い、それに合わせるように、柔らかな春の雨が降る頃。この頃より変りやすい春の天気も安定し日差しも強まる。

 月と季節の暦より・・・
 穀雨・・・太陰太陽暦3月23日~4月8日(西暦4月20日~5月4日)
 この頃よく雨が降って、万物を生育させ、百穀を潤す。菜種梅雨のころ。

第1候:4月20日~24日 
 『葭始生』よしはじめてしょうず。水辺では葭(葦)が角のような芽を出し始める。
第2候:4月25日~29日 
 『牡丹華』ぼたんはなさく。このころ,牡丹が豪華な花を咲かせる。
第3候:4月30日~5月4日 
 『霜止芽出苗』しもやんでなえいず。霜もほとんど降りなくなり、苗代の稲苗が成長する。

 
 次の二十四節気は5月5日『立夏』

勤労者山岳連盟の特別基金

2008-04-19 15:40:28 | 山のあしおと小学校

勤労者山岳連盟の特別基金について・・・遭対基金が凍結されている間の措置

特別基金 規定
第1条(目的)
 この基金は、遭難対策基金の適用除外または経過措置期限の延長が、2008年3月31日までに実現しない場合における、期間を1年間に限定した遭難対策のための特別基金とする。
 特別基金は、現行遭難対策基金の第2種個人のみを対象とする。

第2条(運用と管理)
 特別基金の運用は、遭難基金の定款および細則の趣旨に準じ、遭難対策基金管理委員会が管理する。監督体制および財政も同様とする。

第3条(特別基金への登録および期間)
 特別基金の運用は、2008年4月1日からとし、会・クラブを通じて申し込みを行う。登録の期間は、従来の更新月から1ヵ年とする。

第4条(寄付金の納付)
 特別基金は、会員の寄付金で運営する。特別基金の登録機関終了後、更新月に全国連盟遭対基金管理委員会へ申し込み金を納付して清算する。

第5条(見舞金の交付) 
 登録期間中に事故があった場合は、申請した個人の寄付金の口数に応じ、各会・クラブあて見舞金を交付する。

第6条(特別基金の廃止)
 労山遭難対策基金の適用除外が実現した場合は、速やかに特別基金を廃止し、もとの労山遭難対策基金の体制を回復する。その場合、2ヶ月以内をめどに申込金の清算を行う。

付則
1.遭対基金の新規加入、継続は2008年3月31日までとし、それ以降の活動を凍結する。加入者の給付申請に対しては、従来どおり活動を継続する。
2.この規定は、2008年2月17日から実施する。