遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

鍬ノ峰 another

2013-05-30 14:25:03 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 フジ蔓でブランコ/シャクナゲドンピシャ! 


 2013年5月26日(日)
 忘れていたッ!

 畑に向かって家を出たところに比呂君から『木偶さん,まだですか・・』と電話。『?? 何だっけ・・?』『鍬ノ峰じゃないですか。みんな待ってますよ!』『JJ,JJJJ!』『(比呂君)ジェジェ(絶句している)』
 急遽Uターンして出発点・渋沢の入渓点に駆けつけるとTomさんの指揮で打ち合わせ中。間に合った! 参加者は地元と東京からの子ども8名に保護者3名~いずれも自分とは初顔合せ~,スタッフは3名。(Tomさん,ごめん & 比呂君,ごめん)

 ルートは前越林道が、鍬ノ峰北北東の1526mピーク付近からほぼ真北に流れる渋沢を横切る地点から渓に入り細い流れに沿って遡上。最後は1526mピーク付近で仏崎からのルート(大町高校ルート)に合流し、残りの標高差100mを登って鍬ノ峰に至る森くらオリジナルのルート。
 後半は北面の支尾根のいずれかを地図とコンパスで読みながら前越平へ下ると言う,これも森くらならではの『道なき道』を行く薮漕ぎ山行となる。




 リーダーはSora君/滑滝を行く

 

 沢はV字型の細い沢で水量もなく滝もない。本格的な沢を楽しむそれにはほど遠いが、最後は源流の様相を呈し、水が枯れた斜面を登りつめて稜線に這い上がると言う点でまさしく沢登り。
 途中でイワナを追いかけたり、高い木のてっぺんから垂れ下がるフジの蔓に捕まって空中ブランコを楽しいんだりもでき、子ども達の冒険心を満たすには充分なコースである。


 ちっちゃい子をサポート/ラショウモンカズラ


 子ども達は大都会や近隣の町から頻繁にやって来る森くらの常連が多く、その中には森から山から高瀬川の川床までを自在に駈け廻っているヴェテラン君がいて、当地に関しては時たま参加する自分より遥かに詳しい。
 Tomさんや比呂君がそんな風に育ててきたその自然児達が、初体験の都会の子ども達を引っ張ったり、逆に都会からやって来る常連君が地元の子ども達をリードしたりする『森くらワールド』のメンバー達。

 V字谷の底には落ち葉が堆積しており、普段の水はその落ち葉に隠れてしまう程度の量なので、ここでは沢の中をじゃぶじゃぶ歩くのではなく流れを避けて歩くことを優先し、リーダーに指名されたヴェテラン君が初めての子や年端もいかない小さな子をリードする。
 リーダーは沢の中の足場を探し、後続にそれを示しながら安全に導くことに一生懸命なのだが、沢の中にいるとどうしても近視眼的になりがちなので、スタッフは出来るだけ離れた場所にいて、時々リーダー君の視線を渓全体に向けさせるちょっとしたアドバイスをしたりする。




 サワグルミの台地に/シダ類が繁茂


 小さな渓ではあっても土砂の堆積で平らな広がりを見せる部分があった。
 そこは典型的な沢型の植相が見られる平地で、すっくと伸びた若々しいサワグルミの一群だけでなく、分厚い土砂の堆積がブナの若木をも育てるまでに扇状地化し、新しい森が出来つつあった。下草のヤマドリゼンマイの群生に混じってわずかながらラショウモンカズラの花が見られる等々・・。

 そう言う処では渓から離れてその平坦な所を歩くよう誘導し、スタッフはそう言う平らな場所の成因や植相に関する知識を入れ、また休憩場所としてだけでなく幕営地としても有力である~数張りのテントを張るに充分な広さがあった~こと等を話して次の冒険へと誘う。もちろんミズナラの木に熊棚があることも見逃してはいけない・・。




 源流近く/最後の水場


 最後の水場で水をしっかり補給するようにと、言ってもすぐには動こうとしない子ども達に、そこでだけは声を少々張り上げて飲める子には飲ませ、ペットボトルにもしっかり詰めさせたが、案の定,強い陽射しの山頂では水を欲しがる子が続出し、多めに持って来た水も全部なくなった。
 渓は涼しくて稜線の暑さが想像できないから、山頂を知らない子達は実際に乾いて覚えて行くしかないのだ・・。




 ボク,女の子!/稜線間近


 水のない斜面を詰める途中に格好のフジ蔓があった。Tomさんはこういう時のための用意を怠らない人ですぐにノコを送って寄越す。フジ蔓の下を切れば大人がぶら下がっても切れないブランコになる。
 大きく揺すって空中に踊り出し、それが絵になる子,カッコ悪くしがみつくのが精いっぱいの子,何回やっても落ちてしまう子,押すことに専念する子etc・・と思い思いに楽しませ、休む子はしっかり休ませて・・。
 出発から1時間半で巨大なネズコが目印の稜線に着くと、そこには期待通りのシャクナゲの花があった。




 目印の巨木/ブランコ上手は木登り上手





 鍬の刃を登る/美しシャクナゲ


 さて、ここかが鍬ノ峰らしいルートとなる。
 そもそも鍬ノ峰の名前の由来は、遠くから見ていくつものピークが鍬の刃のように見えることに依るらしい。確かに安曇野の方から見てそう見えなくもないが、鍬の刃と言うのはいささか大袈裟ではないかと思っていた。
 が、実際にその稜線を辿るルートを歩いて見ると、鍬の刃の上を歩かされていると言う実感がしなくもない。仏崎のルートはそのようなアップダウンの連続で、前週登った南側のルートが鞍部から山頂までまっすぐ登って行くのと対照的である。尤もどちらも急登の連続である点は同じである。




 シャクナゲロード/もう休むの!?


 子ども等はこういう登山ルートを登ることには不慣れのようで20分もしないうちに休む。それではデーターがとれないのでマイペースで先行し、大町高校の標識で後続を待つ。
 30分遅れでやって来た集団はここで昼食を摂り、更に30分歩いて登頂。

 それまではシャクナゲとネズコの樹林帯で涼しく、花も前週より一段と賑やかで心地よかった道が一変して、頂上直下から遮るもののない草原帯となり、ジリジリと照りつける陽射しに焼かれて山頂では水を欲しがる子が続出。多めに持って来た水も全部なくなった。




 クマに変身/さぁ,下ろうか!


 山頂からの景観は前週と同じ眠い感じでハッキリしないが、ただ一つ大きな変化があった。それは、爺ヶ岳の南の種まき爺さんが大きく育ってクマさんになり、爺ヶ岳変じて熊ヶ岳となっていたこと・・。
 一通り景観を楽しんで下山開始。ここから森くら登山の真骨頂である尾根下りが始まる。
 

 この山行に同行するのは3度目だが、過去2回は東側の浅い渓を飛ばして大町高校の標識のある地点まで戻り、あまりハッキリしない広い尾根を下っていた。
 それは前越平からの登山ルートがある尾根なのだが、ルート自体利用者がなく深い笹に覆われて分からなくなっているのに加えて、尾根と渓の起伏が明瞭でなく、尾根を下っているつもりがいつの間にか渓に入り込んでいて、一旦渓に入り込むと密生する笹に逆らって尾根に戻るのは至難の極みで下へ下へと降りるしかなく、降りても問題はないのだが笹薮の深さに難渋するルートだった。



 
 コンパスで読図,目標は蓮華岳

 今回,Tomさんは山頂直下から北西に延びる明瞭な尾根を下って前越林道を目指すと言う。ハッキリした尾根なのでその尾根に乗ることが出来さえすれば楽々と下れるはずの尾根である。
 全員に持たせた地図とコンパスの出番である。まず地図とコンパスで自分の位置と目標を定め、目標となる山,または大径木を決める。
 山が見えていればベストで今回は蓮華岳山頂のやや東(右)が目標方向となる。樹林帯に入って蓮華岳が見えない場合は大径木を目標とし、そこに到達したらまた次の目標を決めてそれを繰り返す。
 最初の尾根への取りつき部分のみ西北西方向へトラバるのでそこまでTomさんが誘導し、後は子どもに任せる。



 目標の木~特徴をインプット


 尾根がやせているうちはいいが、少し広くなると間違いやすく、左手の渓が降りるに連れて浅くなって行くので、そちらに釣り込まれそうになるのを後から矯正しながら下る。
 幸いこの尾根はすぐ右手の渓との境に落差があるので、その縁のギリギリを歩けばよかった。笹の深さも尾根にいる限りはあまり問題にならず、2度の休憩を挟んで1時間半で見事に前越林道に到達し、山頂から最短の下山コースを開拓する結果となる。ただし、これはあくまでも下山ルートであって、これを下から遡る等と言うことはクマかシカ,イノシシでないとできるものではない。




 ドンピシャで林道へ



 林道に降りると右手の沢にきれいな流れがあり、咽喉を潤し顔を洗って出発点に向かう。
 スタスタと歩いて30分,のんびり行けば1時間近くかかる林道で30頭ものサルの大集団に遭遇。一番大きな奴は道のすぐ傍を動こうともせずやる気満々で『フゥーッ』と荒い息で威嚇してくる。珍しく目の端でこちらを睨んでいるのが分かり、顔を覗きこまないように知らん顔をして通り抜ける。


 サル軍団,約30頭/崩落地点を急いで通過


 林道には毎年大きな崩落を繰り返す場所があって現在も通行止め。そこを歩いている間にもパラパラと砂粒が落ちてくるその現場で子ども達を誘導し、17時前に出発点に帰着,終了となる。




 前越平登山口はここ


 終わりに
 前述したように、元々前越平からは山頂に至るルートがあり、自分も2度ほどそのルートを登ったことがあるが今は深い薮に覆われており、尾根をまっすぐ登るならともかく何度かトラバるので、そこを正確に辿ることはもはや難しいかもしれない。
 Tomさんは『道なんかない方がいい』と言うが、道には歴史があるのでこのルートを埋もれたままにしておくのは勿体ないと思う。
 下から慎重に行けば微かな踏み跡でも辿れるかもしれないが、刈払機で笹を刈りながらでないと発掘は難しいかもしれない。何とかして発掘したいと思っている。









鍬ノ峰~大町労山・募集山行

2013-05-19 19:26:50 | 山行

 総勢22名/鍬ノ峰の象徴はシャクナゲ


2013年5月19日(日) 大町労山恒例の鍬ノ峰募集登山。
 標高1623mの鍬ノ峰は大町市の南西にあって里山以上アルプス以下の手頃なハイキングコースとして親しまれており、初夏ともなれば360度の大展望とシャクナゲの群落を求めて多くのハイカーが訪れる。
 大町労山は、毎年この時期に行う鍬ノ峰登山を『募集山行』として広く一般市民や近隣・近郊のハイカーに呼びかけており、今年は12名の一般参加を得て会員を合わせ、総勢22名が初夏の山行を楽しんだ。



 入念に準備運動/登山口の三つ圧辻


 19日7:30コングランドP集合。テキパキと資料を配り、全員揃ったところで挨拶の後、入念なストレッチ~準備運動を行ってさらに上部の登山口へ移動し、7:58K会員の先導で出発。初っ端からかなりの傾斜であるが、経験豊富なK会員の先導でゆっくり登る。
 20分で送電線鉄塔したに着き、調整のために休憩。10分後出発。直後の8:31頃、最初のシャクナゲを見る。数えるほどしか花を見なかった昨年に比べると早く、またミツバツツジの花もチラホラと見うけられる。



 リョウブの新芽は逆光に映え・・/カラマツの芽吹き




 不動岳(飛騨r)・七倉岳/蓮華岳(右)・針ノ木岳・7北葛岳


 逆光に映えるリョウブの新芽やカラマツの芽吹き,目立たないが初々しいクロモジの花等を見ながら登るうちに、はじめに七倉岳や不動岳が見え始め、高度を上げるに従って大山容を誇る蓮華岳と鋭い北葛岳,その間に針ノ木岳が見え始めると、山々の展望なら右に出る者なしのT会員が口調も滑らかに解説を始める。



 安曇野は水びたし/


 1100mを越えて稜線に達し、東側,安曇野の展望が開ける辺りで2回目の休憩をとると、眼下にはこの時期ならではの特異な景観が現れる。安曇野中の田圃と言う田圃に水が張られ、早苗が植えわたされて安曇平が水びたしとなり、さながら湖のようになるのだ。



 危険ヶ所でサポート~緊張感を演出/Mr・労山K会員


 ここからトップを通り越して1250m地点の難所に向かい、崖から突き出した2本の木の上に陣取ってサポートに立つ。サポートと言っても実質的・物理的に何かの手助けができると言うものではなく、そこにいることで緊張を要する場所だと言うことをアピールする役廻りである。



 笹薮あり/ロープ場あり


 

 岩場を乗り越え/烏帽子岳現る


 9:05,全員がその場所を通過。その先の鞍部を越えるとそこからは一直線の登りとなる。途中にロープのある岩場を乗り越え、山頂下での小休止を挟んでひたすら登ること約1時間で鍬ノ峰山頂に着くこととなる。



 登頂/豚汁ナノダ!


 10:11登頂。すぐにスタッフによる頓汁づくりが始まる



 改めて烏帽子岳/



 サバの3枚おろし雲/我が館は・・


 鍬ノ峰山頂からの展望は360度申し分のないもので、T会員の解説はますます冴えわたるばかりなのだが、前日からやや下り傾向の天候がどこまでもつか心配される状況で、途中から見え始めた烏帽子岳付近の空は暗く、全体として山々の顔は眠く、碧空を背景のスッキリアルプス~とはいかないが、風は涼しく陽射しも暑くなく、空気は爽やかで程よい天候っである。



 山頂賑やかに/ウドブキ&kゴミのおひたし



 残存物処理係/プハ~・ご勘弁を!


 珍しく他の登山者がなく、また立錐の余地もないほどだった前年に比べればゆったりとした空間で時間的にものんびりでき、早や発ちのすきっ腹に早めの昼食を摂った上にたっぷりの豚汁を詰め込んで、更に山々の名前も繰り返し教わり頭に入れたつもりになり、そこにK会員の念入りなストックワークの指導が入って11:45から悠々と下山に向かう。



 サポート地点



 イワカガミ/白花シャクナゲ






 途中で追い越して難所に向かい、緊張感創出サポートを終えると、後はゆっくりペースののんびりとした下りとなり、数回の休憩をはさんで13:52下山となる。
 コングランドPに移動し、閉会挨拶後14:10解散。

 帰宅と同時に降り始め、しのつく雨となる。

食う寝る○太推奨の鶏油(チーユ)をつくって見た

2013-05-13 18:46:50 | 喰う寝る○太

 週刊B・Cスピリッツ連載中の『食う寝るマルタ』/鶏油(チーユ)香りづけ


 週刊ビッグコミックスピリッツに連載中の『食う寝るマルタ』に載った『鶏湯(チーユ)』をつくって見た。



 鶏皮127円


 鶏の皮(100円)を適当な大きさに切って、弱火でじっくり炒めて油を採れるだけ採りだす(約1時間)。
 油が出なくなったら皮を取だし、ツブしたショウガとネギを入れて、香りをつければ
 『鶏油』の完成!
 鶏皮を弱火。これに潰したショウガとネギを加えて香りづけし保存する。ただそれだけ。
 鶏皮


 炒める

 幸田露伴の娘の幸田文さんの台所にもあったと紹介されている『チーユ』は、調味料として炒めものや煮物に使われるそうだ。




 ポルトガル名
 


 『マリア・マルタ・クウネル・グロソ』~NO45ではマルタの実名が明らかになった。

 この長たらしい名前・・,マリアは洗礼名,マルタが名前,クウネルは母方の姓,グロソは父方の姓。因みに『グロソ』の意味は食いしん坊だそうだ。




 お金がなくて食いしん坊のマルタに『食う寝るマルタ』とは分かりやすくて実にいい。

蒼き渓

2013-05-13 08:16:24 | ふるさとの山





 蒼き渓を行けば

 深きゴルジュあり

 泳ぎ抜ければ堂々の滝








 滝は見るものに非ず

 怒涛に抗いて

 直登のシャワークライム








 滝の上には硬質の節理美しく 

 滑滝は跳ねることなく ヒタヒタと

 滑るがごとく 舐めるがごとく

 






 幽谷を遡れば 緑の苔筵

 シラヒゲソウの精緻を極め








 源流近きを歩けば

 冷えた体に 妖しのキノコ

 あたたかきその色





 草鞋のフリクションに酔いながら歩く爽快感
 この世にこんな楽しい遊びがあるなんて~と
 友が言った
 あれは30年もの昔
 追憶の渓

めっちゃくちゃ!

2013-05-03 05:16:16 | 山のあしおと小学校
御浜着午前3時15分。550km。紀州は遠かった。

大町発13:25。12時に出れば悠々セーフだと思っていたのがそもそも間違いで、それが更に1時間半の遅れ。
予想に反してR158は安房峠を越えるまでは楽勝だったが、高山までがやや渋滞気味。何とか東海北陸道に乗ったものの、一宮手前から大渋滞に嵌まって動かず、この時点ですでに18時前。おまけに一宮で左折すべきを右折したために第2名阪からは遠ざかるばかり。羽島で降りて桑名に向かうことにしたが、道がわからずウロウロと小1時間無駄走りした末にようやく辿り着いて高速に乗ったのが20時半で、今夜中の合流を諦めて友人は新宮市内のBH泊となる。

鈴鹿辺りで第2名阪で関西圏に向かう車の渋滞から解放されて伊勢道を走りは始めた途端に睡魔に襲われ、鉛のように重い目蓋をこじ開けてふと見ると、紀勢道路の分岐点を通過して伊勢に向かっていた。
いや、もう何処だって構わん,とにかく寝る・・ンだッと直近のPに飛び込んでそのまま正体なく眠り込むことで3時間。
目覚めると辺りは5月3日になっていた。
次の出口でUターンさせてもらい、紀勢道路に戻ってまっしぐらに熊野に向かって道の駅御浜着3:12。
中京圏の道路網の知識がまったくないのに事前に調べてなかったのが災いした。
1人の時はいつもこんな感じの行き当たりバッタリを楽しむむのだが、今回は関西在住の友人と御浜で合流と言う条件があったのでこんなテキトーなことではいけなかった。迷惑かけてしまった。
それにしても、八十八夜だと言うのに寒い日だった。