遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

黒部のクロベ物語・2

2011-11-19 20:25:53 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 まっすぐ立つ黒部/若いブナの門番君達


 ロッジくろよん手前のキャンプ場に道標があり、平の小屋を経て五色ヶ原へ向かう道(8.8km)と黒部平駅下(1.4km)を経て東一ノ越に向かう道(4.6km)を分ける。
 黒部平への道・・,門番のような若い2本のブナの間を通リ抜けると、10分も歩かないうちにすっくと直立するクロベの大木に迎えられる。クロベは大きな岩の上で成長し、巨大な根がその岩を抱いていたり、倒木の上で成長し、その倒木が朽ちて空洞になっていたりすることが多く、このように地面から生えてまっすぐに伸びているものは珍しい。
 そこから先の道を挟んで右手にクロベ,左手にブナが対峙する道が続き、やがてクロベが優勢な尾根道に変わった辺りで奇妙な木に出くわした。



 マングローブか?/気根か・・?


 地上3m辺りの幹からタコの足のような根が出ているのだ。まるでマングローブのような根の張り方に興味を覚えて裏側に廻って見ると、枝分かれした一方が地面に潜り込んだかのように地中に根を張っている。気根と言うにはあまりにも太いし、ネズコの気根など聞いたことがない。
 一方,まっすぐな側の根元を見ると、そこにはちゃんと普通の根があって幹を支えている。
 そのクロベはチョウセンゴヨウと2本立ちで寄り添うように立っていたが、よくよく見るとたこ足のような根の下にも枯れた大木の基部があり、3本の木が絡んでこのような姿になったものと推測された。



 奇怪な瘤/むき出しの根


 そこから先は大きな岩を抱いたもの,根がむき出しになったもの,奇怪な瘤を持ったもの,大きな空洞のあるもの等々,様々に変形したクロベのオンパレードである。

 クロベを盟主とする針葉樹の森を歩き、多様な形態の成長過程を見ているうちに、クロベをめぐるもう1つの特徴とも言えるあることに気づいた。それは、1つの大岩の上でクロベとチョウセンゴヨウ,あるいはコメツガの木が2本セットで成長していることが多いと言うことだ。



 反目しあう2樹/真ん中に小樹

 
 その2本の大樹は互いに反目しあうかのように反っくり返って斜め後方に延びて行く。ために真ん中にぽっかりと空間ができ、漁夫の利の諺の如くその中央の空間に第3の木がまんまと入り込んで大きく成長していることがある。御山谷の3本立ちの場合がまさしくそれである。
 同じ場所でクロベ同士が2本立ちになっている例がないわけではないが、その場合は反目しあうと言うより寄りそう感じで並んでいることが多い。
 これをどう考えるか・・。



 クロベ同士が寄りそうのは珍しい/岩と根が融合


 異なる樹種の場合は1つの場所をめぐって激しい生存競争が繰り広げられ、互いに負けまいとして張り合った結果反っくり返って行くのではなか・・。一方が破れて枯れたり倒れているものも多く、互いに斜め後方に延びているのは痛み分けと言うところではないだろうか。そして結果的には第3の樹種に最もいい場所を取られてしまった・・,と考えてはどうだろう・・。

草に埋もれた野菜達

2011-11-19 02:01:54 | あまってら農園

 草に埋もれたホウレンソウ/コマツナ


 ホウレンソウ,コマツナ,ルッコラ,キヌサヤ,グリーンピース・・,播種・発芽以来一度も草を取ったことがないが、それでも草と一緒に育っていた。
 草と競争させて逞しく・・,とか、余分な肥料を草に吸い取らせる・・,等と理屈を並べて見ても、所詮は横着と言うことに尽きるのだが・・,
 これ以上放置すると、収穫の時に草が絡んで葉を傷めてしまう。ホウレンソウやコマツナは特に傷つきやすく、一番大きな葉をダメにするので収量に響く・・。



 この草の中で/キヌサヤが発芽


 なのでやむなく草取り。発芽しかけたキヌサヤ,グリーンピース,スナックエンドウ,3列の手取り除草に2時間近く、ホウレンソウ,コマツナ,ルッコラにさらに2時間あまりかかった。
 午後のハウスは日当たりが全くなく、天井は未だ張ってないので極寒・・。



 ホウレンソウ畑/らしくなってもう収穫可


 この時期に蔓延る草はハコベとヒメオドリコソウ。根を探って下から引き抜けば意外と簡単に取れ、野菜を傷めないのが救い。がしかし、同じ姿勢を取り続けるのは結構足腰に来るもので、たった4時間の草取りなのに、登山以上に全身の筋肉が痛い。



 コマツナもすっきり/ルッコラ畑よし!


 完全には取りきれないしその必要もなく、これでOK!




 いつの間にかブロッコリーが収穫期

黒部のクロベ物語

2011-11-16 10:43:27 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 黒部湖畔・御山谷の8人クロベ/威風堂々


 11月14日(月)
 黒部湖畔遊歩道・ネイチャーガイド講習の6回目。今回はホテルや観光事業に従事する人をツァー参加者に見立てて、これまで積み重ねてきたガイド研修の成果を検証しようと言う内覧会で、いつも通りのコースを歩き、要所要所で担当者が簡潔な説明・案内を披露すると言うもの。ダムの歴史や現状について述べる人,植生や植物の分布について述べる人,針葉樹と広葉樹の相克,それぞれの戦略について述べる人,東西の文化や歴史の違いについて述べる人等々,それぞれに研鑽を積んで新しい話題や視点を提供してくれて面白かった。
 自分はただくっついて歩くだけであんまり役に立ってないが、そのうちに出番が廻ってくることだろう・・,と意に介さず。



 黒部湖はどんより~立山も見えず/メモを取る可愛い参加者,1才君・・


 参加者一行16名は扇沢駅発9:00のバスで黒部ダムへ。ダムサイトでの進行のU氏の説明の後、どんよりと曇って今にも降り出しそうな中,遊歩道に向けて出発。
 気温6℃と寒くて観光客もまばら。みんながヤッケで身を固めている中,半袖シャツ1枚で歩いているとジロジロと視線を浴びるのが少々うるさいが、堰堤の上は風があってさすがに寒かった。



 御山谷方面を望む/パンパ橋から原始の森へ


 晩秋の湖畔は、見るべきものもあまりないだろうと、新たな発見にはあまりお期待していなかったが、広葉樹が葉を落としたおかげで、後述するようにブナの純林の実態を見ることができたのが大きな収穫だった他、今年は特に多かったブナの実やチョウセンゴヨウマツの実を実際に食べて見たりしたのはいい経験だった。



 早くもオオカメノキノ冬芽/まだあったマイヅルソウの実


 ブナの実はほとんどの場合,痩せていて殻をむいても実らしい実が入っていることは稀なので実際には食べたことがない。だが今年の実は充実していて食べ応えがあり初めて旨いと思ったし、チョウセンゴヨウマツの実は殻が固くて割るのが容易でないが、そうして得られた実はまさに市販されている『松の実』そのものでこれも旨かった。
 ブナの実が数年に一度の割で大量に実をつけることによって種を維持するのに対して、チョウセンゴヨウは1つの松かさに無数の実をつけるのでなく数個の実を確実に実らせ、これを毎年繰り返すので豊作・不作の波がなく、多くはないが常に一定量の実をつけることによって種を維持する。実物を齧りながらのこれらの説明には非常に説得力があり、この分野を担当するトモさんの面目躍如と言ったところだ。


 フユノハナワラビ/ツルリンドウ

 前回(9月28日),1株だけ見られたフユノハナワラビを今回は多数見た。東京辺りでは文字通り初冬から冬にかけて見かけるので早すぎる気がして別種かと疑ったが、調べてみるとやはりフユノハナワラビに間違いなく、こちらで早いのは標高が高いせいかもしれないと不審に思っていたが、この時期ならおかしくないと思った。
 


 8人クロベの巨大さ/黒部平へ


 いつもの通り御山谷で昼食を摂った後、ロッジくろよんのキャンプ場で一行と別れて湖畔から黒部平駅までの登山道を調査すべく、1人黒部平駅に向かう。

 続く
 
 

海岸線からの米山登山果たせず

2011-11-04 15:29:05 | 山行

 米山山頂にて/山頂


 山頂から米山の市街地・海岸線を俯瞰する


 11月3日。
 7時に米山駅を出発の予定がバッテリー・トラブルで車が動かなくなり、やむなく大平P登山口からの登山に切り替えて7:25発。小雨降ったりやんだりする中、11時登頂。すぐにキノコ汁つくりに取りかかり、丁度出来上がった頃に下牧コースから登ってきたラブさん等8人が着くと言うベストな展開となる。


 大鍋を背負って/大平登山口から出発



 クルマバハグマ/クロモジの黄葉



 階段を大鍋が登る・・/黄葉たけなわ



 ブナの林の/ブナの風格



 コイワカガミの群落に/ガンバレ! と励まされ



 避難小屋に着いた/米山山頂933m



 山頂付近のツリバナ



 スミレも咲いていた/広くてきれいな避難小屋で



 キノコ汁をつくる/ 元気に登頂の母子4人も合流



 大鍋いっぱいのキノコ汁/食べるぞッ!



 あっと言う間に/底が見えてきた



 山頂に別れを告げ/山頂を振り返る



 アオバナアオキ/ツルリンドウ



 一番の難所を下る


 大鍋いっぱいのキノコ汁を10人できれいに平らげ、ラブさん等と一緒に下牧に下る。
 米山山頂からは上越から米山に至る海岸線を俯瞰して今冬の海岸線歩きの足跡をしっかり見ることができた。


 三十三体の観音様/こまがたけ休憩所



 皮だけで立っている/不思議なブナを見た



 キッコウハグマ/センボンヤリ



 石仏達に導かれ/下山


 下山後、まるさんに上越の量販店まで連れて行ってもらいバッテリー交換。痛い出費となったが致し方なし。

 笠島駅に移動して翌日からの海岸線歩きに備える。今回も事前計画なしで行き当たりばったりの旅