6:20発,県道2号を進む。道はほぼ海岸線に沿って南進し、二つ屋と言う小さな橋を渡って更に直進。6:55,立野と言う所で右折して海岸に出る。
この辺りはJR黒部駅に近く、また宇奈月温泉に向かう富山地方鉄道の電鉄黒部駅も近いので時折電車の音を聞くが、海岸線を歩いていると市の中心部だとか外れだと言うことを意識することが殆どなくて、ただひたすら歩いているうちにいつの間にか次の町に進んでいるところがいい。
海岸線行脚と言うのは浮世離れした旅であり、内陸との関連で意識するのは市街地ではなく川である。
石田浜の海岸線
久々の海・能登方向
久々に海岸線に出る。ここから再び長い海岸線歩きが始まるが、はじめの頃は行く先が見えないほど長いことに感じていたストレスを意識しなくなっていることに気づく。
行く先は遠く、海を隔ててはっきりと見えてきた能登の影は更に遠いが、振り返ってみる越し方の湾や岬や灯台もまた気が遠くなるほど遠い。そこから確かに歩いてきた。だから恐れることは何もない。ただゆっくりと歩けばいつか必ずそこに着くと言う揺ぎ無い確信めいたものがいつの間にか腹の中にどかっと居座っている気がする。
海岸線が長ければ長いほど確実に距離を伸ばしていることに確信が持てるようになると、距離的には短いはずの国道を通るよりも、むしろ市街地の猥雑さを避けて歩けることが嬉しくて遠回りすることが苦にならないばかりでなく、それを楽しむようにさえなってくる。海岸線はやはり浮世離れした場所のようだ。
定置網の魚網
下新川海岸を守る工事
海辺には漁師らしい人や釣り人,散歩の人,ぼんやりと海を眺めている人や話しに熱中している人などがいる。会う人ごとに湾を隔てて見えている能登半島の位置を訪ねてみたが、返って来る答えがみんな違うのでどこがどこなのか特定できない。犬を散歩させていた女子高生に聞くと『よく分かりません』と申し訳なさそうに答えてくれた。彼女が一番正しかった。
二人連れの男性に能登島の位置を聞いてみると、多分正面に見えているのが七尾辺りで、能登島は七尾湾に抱かれいるのでここからは見えないだろとのことだった。明日は射水まで行くと言うと、西北西方向に見える高い煙突を指してあれが富山港付近で、その右手に見えている2本の煙突の下が射水市だと教えてくれた。
富山港方向はもや
生地鼻灯台方向
その2ヶ所の煙突のある方向で蜃気楼が見られると言う話しから、蜃気楼の話しになり、一昨日は魚津で見えたらしいとか、富山港とは逆に生地鼻の灯台方向でも見られると言うようなことを教えてくれたりした。
ハマダイコンの花がいっぱい咲く砂浜を小1時間歩いて7:20,フィッシャリーナと言う海釣り公園に到達。面白そうなので寄ってみた。
ハマダイコン