遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

雨上がり~わっぱランドの赤ぼうし

2016-07-16 10:48:57 | 森のくらしの郷&ぐるったネット


 雨上がり
 わっぱらんど 白い霧‥
 ぬれた葉っぱ 大きいねェ 






 ウワミズザクラつやつや
 クルミはまるまる
 にょっきりヤマボウシ
 やってきたのは赤ボウシ





 雨上がり
 トンボがぬれた翅をのばします
 みんなも羽根をのばしてネッ‼






 クサフジが咲いてるネェ
 クズテッポウで 遊ぼうかッ
 チガヤのロケット 地球を一周だッ‼






 笹の葉サラサラ 笹の船
 出来たら水に浮かべてごらん
 おや大変‼ 滝がある  難破するぅぅぅッ





 雨上がり
 コガネムシ見つけ
 バッタもいっぱい




 暑くなって来たから
 水に入って遊ぼッ‼



 大きな葉っぱから木漏れ日が‥
 そろそろお昼かな




 さよなら さんかく
 またきて しかく

 今度来るのは い・つ・の・日・!?





黒沢尾根・ネズコの森に弾ける!

2014-03-03 11:35:21 | 森のくらしの郷&ぐるったネット








 3月3日(日)の黒沢尾根は、我が森くらかんじき隊13名の他、グルッタネットのかんじきツアー隊,クラブツーリズム隊の3つのグループ総勢40数名の他、雪洞訓練の登山グループにスキーとスノーシューツアーのグループが2つと合わせて100名近い人達で大賑わい‥。黒沢尾根でこんなに大勢の人達を見たのは初めてだった。












 我が森くら隊は、生憎のガスでチラリとも貌を見せない山には構わず、4人の子ども達が雪の斜面を跳ね廻り、つられて若者達もお父さんお母さん達も雪庇ジャンプや尻セードに大はしゃぎ。最後は30mの急斜面を転げ落ちて無地林道に辿り着いた。









重連の滝 in 森くら

2014-02-18 22:29:53 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 初めてのかんじき体験で結氷した重連の滝に到達


 森くら(森のくらしの郷)にある重連の滝が結氷していると言うので、カンジキの足慣らしにと出かける。同行者はカンジキはおろか、雪のフィールド体験そのものが初めてと言う中年姉妹。(木偶)
 ※以下,木偶とMZがそれぞれの視点出書く




 ふるさとの山に似た雪道/谷底から見えてきた重連滝


 森くらの入り口に車を停めて森の支配人トモさんのワゴン車に乗り替え、たっぷり積もったガードレールも無い雪道を遊園地のアトラクションさながらに、ダンスのごとくお尻をくねくねと振りながら走って管理棟へ。(項MZ)




 林道を400mほど歩き‥


 初めての森くらはツリーハウスも全て雪の中。小屋の前でカンジキのつけ方の説明を受ける。木偶さんの説明に妹と2人ポカンとしていると、すぐにトモさんが詳しくフォローしてくれた。
 底に下駄の歯のようなものが2つ付いていて爪(ツマ)カンジキと言うらしい。(MZ)




 目的の渓に入る


 まずは軽い傾斜の広い林道を歩く。それでも慣れない私たちには難しい。片方のカンジキで反対のカンジキを踏んでしまうと即、雪の中に顔から突っ込む,先頭がラッセルで疲れたら脇に寄り、道を譲って最後尾に付く等々,基本を習いながら蟹股歩行を続け、少しばかり慣れた頃,目的の滝に向かっての沢歩きとなる。
 ここまで1km以上歩いたかと思ったが、わずか400mだと言う。これでも雪が新しくサラサラと軽いので『歩きやすい』のだそうだ。(MZ)




 左の滝は/ちょっと無理そう‥


 管理棟の200m先に渋沢と言う沢があり、重連の滝は林道を更に100m程歩いた地点からの入渓になる。左岸側を50m程登ると沢が2つに分かれるが、たっぷりとデブリが溜っている右手の沢を見送って左に屈曲し、底の石を越えながらしばらく登ると渓が徐々に右に屈曲しつつ大きく開けて来て、右手の奥に標柱のある滝らしいものが見てくる。(木偶) 

 何処を歩いているのか分からない。所々雪がシャーベット状態になっているので沢そのものを歩いているのだろう。大きな石に積もった雪の上をとにかく進む。(夏場はどうなっているのだろう?)
 登る時はカンジキのワッカの前を付き立て雪を踏み込み、下る時は後ろに重心をかけて歩く‥等と、だんだんに要領を覚える。(MZ) 




 見えてきた2段滝~この上にも沢山の滝があるそうな‥


 遠めに滝らしいものが見えてから滝まで、距離はいくらもないのだが傾斜がきつくて容易には滝下に辿りつけそうにない。時折右手の斜面からパウダーに近い新雪がサラサラッと滑るように落ちてくるのが不気味で、チラリと見えた所でやめてしまいたい気持ちを奮い立たせて徐々に高度を稼ぐ。
 滝の両側の斜面は急傾斜だが、滝下一帯は左右に広く安定しており、その位置にいる限りは安全なので右手に寄りすぎないように高度を詰める。
 正面に大きな一枚岩があって、その左側と右側に氷瀑と言うほどではないが結氷した滝があった。
 右奥のそれは手前に張り出した岩が滝の右半分を隠しており、その岩の下を廻りこまないと滝の全体像を見ることが出来ない。その張り出した岩と山肌の間から雪が滑り落ちてくるのを横目に見ながら、素早く廻りこんで滝の直下に出る。 滝つぼのある面まではなお数mの高度を残すがそこでやめて早々に写真を撮り、後続の2人に早く登って来るよう促す(木偶)







 目的の凍った滝の前まで辿り着いたがなかなか直下までは近寄れない。やっと撮影スポットに近づいた時には『早く降りろ』のコールだ。
 急いで滝だけ携帯に納め、次ぎにカメラを取り出そうにもリュックの中で取り出せず、手袋はずぶぬれ,手は悴んで動作もままならない。(MZ)

 モタモタしている2人を早く降ろしたかったのでサッサと先に降りて振り返るも動きがなく、やきもきしているとやっと動き始めたが遅々として進まない。その時、滝の右奥からかなりの量の雪が落ちて来て雪煙が上がり、一瞬,姉の姿が見えなくなった。
 大声で呼びかけたが返事がなく、『返事をしろッ』と怒鳴ると『ハァーイ』とのんびりした答えが返って来てホッとする。肝を冷やした。(木偶)

 妹のスマートフォンで撮り合いをして,そそくさと下り始めた頃、妹の『あっ雪崩!!』という声。振り返る間もなく最初に軽い雪が降りかかって来てだんだん量が増す。まるで雪の滝の中に居る気分だ。棒立ちになったままなすすべが無い。(MZ) 



 早く降りてくれぇ~


 足場が悪く深い雪の中、カンジキをつけて素早く横に飛び出すことなど不可能だ。時間にして僅か数秒だと思うが自分が考えたことは‥,
 このまま雪が止まらなかったら自分はどうなる? この場合、立ってかわすべきか座るべきか、自分の体が埋もれることを考えて少しでも上に体を出しておくべきだろう‥等々と、覚悟とも言えない観念をしたが幸い雪はすぐに止まってくれホッとする。
 下から見ていた2人にどう見えたのかは分からないが写真でも撮ってくれたら良かったのに~って、まず無理だよね。(MZ)

 何んとノー天気なことを! (木偶)




 ツリーハウスでポーズ



 管理棟で一休み/森くらの主人=森の支配人のトモさん


 森くらに帰る最後の坂を滑って下りてツリーハウスで記念写真を撮り、小屋の中に入って暖をとる。小屋なのか何なのか分からないが中は真っ暗、ランタンがあってもほとんど見えない。
 ロフトらしい場所があって、台所があって、そこいら中にランプやヤッケがぶら下がっている。ここがトモさんの活動拠点なのだろうか‥。(MZ)




 ランタンの灯りの下で 温かいコーヒーが何よりのご馳走/ストーブが暖かい

 

 牡蠣を焼いてくれる木偶さん/『紅茶はまだか~』とたぶん言っている。

 
 子ども1人を含め数人の人がいたがすぐに帰ってしまった。座って妹と2人コーヒーを飲みながら、昔、父の炭焼き小屋にいた頃を思い出す。木偶さんが焼いてくれた牡蠣2つを美味しくいただく。(MZ)
 
 長靴にワカン,防水性のない薄物のヤッケを着てスパッツをつけずに歩いたので長靴に雪が入り中が水びたし。ヤッケもぐしょぬれて下着代わりのシャツまでぬれてしまったので、セーターを直接着る。靴下ナシで少々寒い。
 姉妹が土産に持って来てくれた殻つきのでっかい牡蠣を焼いて食べてもらっているうちに乾き、暖まって候(木偶)




 17:17 仲良く記念撮影

  
 最後に小屋の前で他のお客さんと一緒に記念撮影し、あの尻振りダンスみたいな走りで、今雪崩れたばかりと言う1m程のデブリをラッセル車のごとく突き抜けて無事帰還。(MZ)

 当初の予定では、明日黒沢尾根に案内する予定だったが、前日に降った雪が大量で、初心者を伴って1人でラッセルするのは難儀なので『おひさま』の舞台にもなった中山高原のワカンハイクに切り替える。(木偶)


1年生がやって来た~2013秋・草花遊び,前

2013-10-24 14:17:05 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 ススキみみずく/わっぱランドへようこそ


 『秋の自然の不思議と面白さ,自然の中の遊びを楽しもう~わっぱらんどへ行こう』と、今年もやって来た2組,40数名の1年生達。2時間にわたって『フィールドビンゴ』と『草花遊び』を楽しみました。




 2011年・秋~ドングリのお話し

 フィールドビンゴは、わっぱランドで見つけた事物を各自25マス(5×5)のビンゴカードに書きこみ、ビンゴになった子ども達はドングリの殻斗をもらって『ピー』と音を出す方法を教えてもらえると言う趣向で、全員分の殻斗を用意しておきました。
 見つける対象は、水の音,きのこ,ササ,ススキ,ノギク,ねこじゃらし,あかいみ(ソヨゴ・ズミ),あおいみ(ノブドウ),ひっつきむし,うるし,モミジ,サクラ,ほおば,シラカバ,ナラのどんぐり,クヌギのどんぐり,くり,くるみ,まつぼっくり,むしこぶ,きくらげ,トンボ,カエル,チョウチョ,カメムシ,ことり,タカ・トンビ,とりのすあな,どうぶつのフン,クマのつめあと,変(特殊)なもの etc ※クマの爪痕と動物の糞以外は予め確認して置いたもの。
 結果としてクマの爪痕と動物の糞以外は全部見つけたようでした。変なものはナシ




 ドングリ笛をつくる

 一方の草花遊び。用意したのは、クズの葉鉄砲,笹舟,ホウの葉のお面,笹のペロペロ,チガヤの矢,ドングリの笛,ススキみみずく,リースづくり等々。

 はじめはクズの葉鉄砲。クズの葉を軽く握ったコブシの窪みに少しだけ押し込んで、できた空間を一方の手で叩き、『パンッ』と言う鋭い炸裂音を出して楽しむと言うもので、うまく行くといい音が出ますが、失敗するととても手が痛いと言うおまけつきです。この時期の葉は新緑の時のようなしなやかさがないのでうまく行かないことが多く、失敗でした。




 次はそこいらじゅうに落ちているホオの葉のお面。目の部分をくり抜き、口が当たる部分に外から内に向かって細い木の枝を差し込んでこれを咥えると、片手で面を抑える必要がなくなる~と言う、ちょっとしたアイデアを経験してもらいました。
 そこに丁度朴の実が落ちていたので、ついでに朴の実(種)は100年くらい経っていても芽が出ること等を話しました。





 さて問題は笹舟です。笹舟くらいは多くの子ども達が知っているだろうと思っていたのですが、知っていてできる子は1人だけ(完璧)でした。
 子ども達はまず適切な葉を選ぶことが難しいようでした。またそれを丁寧に採ることが出来ず、むしり取って葉をちぎってしまう等々・・。取り方を見せるとそれを『ちょうだい!』と言い、1人に採ってやると他の子も『採ってくれ』と言って全員が待っていると言う感じで受け身です。




 葉を折り返すと言う簡単な作業でも、半分に折ったり、裏表反対だったり、頭の方でなく先端の方を折ったりと様々で、1~2回やって見せただけでは全員に伝わりません。折り方も葉脈を合わせてまっすぐに折ると言うことが出来ません。

 更にその葉脈に沿ってその両側を2~3cmほど縦に裂くことがうまくできません。3つに裂くところを2つに裂いたり、葉脈の固さを利用すればいいことに気づかず3等分に裂いたり,長さの加減が出来なくて折り返し部分を全部裂いてしまったり・・,と実に様々です。





 うまくできる子の方が少数で、大多数が間違ったやり方をしているのですが、よくよく考えて見るとそれは別の方向に進んで『新しい何か』を生み出す可能性でもある気がして、その子ども達の多様性を面白いと思いました。
 そんなところから色んなことに発展していけたら面白いのですが・・、そうは言っても笹舟づくりだから次に進まなくてはなりません。
 その次の、裂いた一方の端を反対側の端の袋状になったところに差し込むと言う作業はもっと難しく、殆どの子がここで躓き、なかなか先に進めませんでした。


 笹舟を流して遊ぶ

 そんな感じで時間が無くて不完全に終わりましたが、出来た子はカッコよく、出来ない子は出来かけのままをぬるみの流れに浮かべて流すよう促しました。 笹舟がゆっくりと流れ始めると、子ども達はたたちまちそのとりこになり、夢中になって笹舟を追いかけます。
 笹を縦半分に折って『僕はこれでいい』と言って流した子がいました。その潔さはなかなかのものでした。




黒部の物語 開催中

2013-07-30 07:06:49 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 黒部の物語館/電源開発


 くろよん50周年記念の『黒部の物語』開催中。案内係をやっている。




 苦闘/完成


 9時から16時までの毎時,01分~23分と、31分~53分,計14回,『黒部の物語』を上映。




 『何じゃ こりゃ・・!』


 壁の絵と床の絵は繋がっているノダ。




 トリックアート


 見る位置はここ!




 破砕帯/立山連峰

 

鍬ノ峰 another

2013-05-30 14:25:03 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 フジ蔓でブランコ/シャクナゲドンピシャ! 


 2013年5月26日(日)
 忘れていたッ!

 畑に向かって家を出たところに比呂君から『木偶さん,まだですか・・』と電話。『?? 何だっけ・・?』『鍬ノ峰じゃないですか。みんな待ってますよ!』『JJ,JJJJ!』『(比呂君)ジェジェ(絶句している)』
 急遽Uターンして出発点・渋沢の入渓点に駆けつけるとTomさんの指揮で打ち合わせ中。間に合った! 参加者は地元と東京からの子ども8名に保護者3名~いずれも自分とは初顔合せ~,スタッフは3名。(Tomさん,ごめん & 比呂君,ごめん)

 ルートは前越林道が、鍬ノ峰北北東の1526mピーク付近からほぼ真北に流れる渋沢を横切る地点から渓に入り細い流れに沿って遡上。最後は1526mピーク付近で仏崎からのルート(大町高校ルート)に合流し、残りの標高差100mを登って鍬ノ峰に至る森くらオリジナルのルート。
 後半は北面の支尾根のいずれかを地図とコンパスで読みながら前越平へ下ると言う,これも森くらならではの『道なき道』を行く薮漕ぎ山行となる。




 リーダーはSora君/滑滝を行く

 

 沢はV字型の細い沢で水量もなく滝もない。本格的な沢を楽しむそれにはほど遠いが、最後は源流の様相を呈し、水が枯れた斜面を登りつめて稜線に這い上がると言う点でまさしく沢登り。
 途中でイワナを追いかけたり、高い木のてっぺんから垂れ下がるフジの蔓に捕まって空中ブランコを楽しいんだりもでき、子ども達の冒険心を満たすには充分なコースである。


 ちっちゃい子をサポート/ラショウモンカズラ


 子ども達は大都会や近隣の町から頻繁にやって来る森くらの常連が多く、その中には森から山から高瀬川の川床までを自在に駈け廻っているヴェテラン君がいて、当地に関しては時たま参加する自分より遥かに詳しい。
 Tomさんや比呂君がそんな風に育ててきたその自然児達が、初体験の都会の子ども達を引っ張ったり、逆に都会からやって来る常連君が地元の子ども達をリードしたりする『森くらワールド』のメンバー達。

 V字谷の底には落ち葉が堆積しており、普段の水はその落ち葉に隠れてしまう程度の量なので、ここでは沢の中をじゃぶじゃぶ歩くのではなく流れを避けて歩くことを優先し、リーダーに指名されたヴェテラン君が初めての子や年端もいかない小さな子をリードする。
 リーダーは沢の中の足場を探し、後続にそれを示しながら安全に導くことに一生懸命なのだが、沢の中にいるとどうしても近視眼的になりがちなので、スタッフは出来るだけ離れた場所にいて、時々リーダー君の視線を渓全体に向けさせるちょっとしたアドバイスをしたりする。




 サワグルミの台地に/シダ類が繁茂


 小さな渓ではあっても土砂の堆積で平らな広がりを見せる部分があった。
 そこは典型的な沢型の植相が見られる平地で、すっくと伸びた若々しいサワグルミの一群だけでなく、分厚い土砂の堆積がブナの若木をも育てるまでに扇状地化し、新しい森が出来つつあった。下草のヤマドリゼンマイの群生に混じってわずかながらラショウモンカズラの花が見られる等々・・。

 そう言う処では渓から離れてその平坦な所を歩くよう誘導し、スタッフはそう言う平らな場所の成因や植相に関する知識を入れ、また休憩場所としてだけでなく幕営地としても有力である~数張りのテントを張るに充分な広さがあった~こと等を話して次の冒険へと誘う。もちろんミズナラの木に熊棚があることも見逃してはいけない・・。




 源流近く/最後の水場


 最後の水場で水をしっかり補給するようにと、言ってもすぐには動こうとしない子ども達に、そこでだけは声を少々張り上げて飲める子には飲ませ、ペットボトルにもしっかり詰めさせたが、案の定,強い陽射しの山頂では水を欲しがる子が続出し、多めに持って来た水も全部なくなった。
 渓は涼しくて稜線の暑さが想像できないから、山頂を知らない子達は実際に乾いて覚えて行くしかないのだ・・。




 ボク,女の子!/稜線間近


 水のない斜面を詰める途中に格好のフジ蔓があった。Tomさんはこういう時のための用意を怠らない人ですぐにノコを送って寄越す。フジ蔓の下を切れば大人がぶら下がっても切れないブランコになる。
 大きく揺すって空中に踊り出し、それが絵になる子,カッコ悪くしがみつくのが精いっぱいの子,何回やっても落ちてしまう子,押すことに専念する子etc・・と思い思いに楽しませ、休む子はしっかり休ませて・・。
 出発から1時間半で巨大なネズコが目印の稜線に着くと、そこには期待通りのシャクナゲの花があった。




 目印の巨木/ブランコ上手は木登り上手





 鍬の刃を登る/美しシャクナゲ


 さて、ここかが鍬ノ峰らしいルートとなる。
 そもそも鍬ノ峰の名前の由来は、遠くから見ていくつものピークが鍬の刃のように見えることに依るらしい。確かに安曇野の方から見てそう見えなくもないが、鍬の刃と言うのはいささか大袈裟ではないかと思っていた。
 が、実際にその稜線を辿るルートを歩いて見ると、鍬の刃の上を歩かされていると言う実感がしなくもない。仏崎のルートはそのようなアップダウンの連続で、前週登った南側のルートが鞍部から山頂までまっすぐ登って行くのと対照的である。尤もどちらも急登の連続である点は同じである。




 シャクナゲロード/もう休むの!?


 子ども等はこういう登山ルートを登ることには不慣れのようで20分もしないうちに休む。それではデーターがとれないのでマイペースで先行し、大町高校の標識で後続を待つ。
 30分遅れでやって来た集団はここで昼食を摂り、更に30分歩いて登頂。

 それまではシャクナゲとネズコの樹林帯で涼しく、花も前週より一段と賑やかで心地よかった道が一変して、頂上直下から遮るもののない草原帯となり、ジリジリと照りつける陽射しに焼かれて山頂では水を欲しがる子が続出。多めに持って来た水も全部なくなった。




 クマに変身/さぁ,下ろうか!


 山頂からの景観は前週と同じ眠い感じでハッキリしないが、ただ一つ大きな変化があった。それは、爺ヶ岳の南の種まき爺さんが大きく育ってクマさんになり、爺ヶ岳変じて熊ヶ岳となっていたこと・・。
 一通り景観を楽しんで下山開始。ここから森くら登山の真骨頂である尾根下りが始まる。
 

 この山行に同行するのは3度目だが、過去2回は東側の浅い渓を飛ばして大町高校の標識のある地点まで戻り、あまりハッキリしない広い尾根を下っていた。
 それは前越平からの登山ルートがある尾根なのだが、ルート自体利用者がなく深い笹に覆われて分からなくなっているのに加えて、尾根と渓の起伏が明瞭でなく、尾根を下っているつもりがいつの間にか渓に入り込んでいて、一旦渓に入り込むと密生する笹に逆らって尾根に戻るのは至難の極みで下へ下へと降りるしかなく、降りても問題はないのだが笹薮の深さに難渋するルートだった。



 
 コンパスで読図,目標は蓮華岳

 今回,Tomさんは山頂直下から北西に延びる明瞭な尾根を下って前越林道を目指すと言う。ハッキリした尾根なのでその尾根に乗ることが出来さえすれば楽々と下れるはずの尾根である。
 全員に持たせた地図とコンパスの出番である。まず地図とコンパスで自分の位置と目標を定め、目標となる山,または大径木を決める。
 山が見えていればベストで今回は蓮華岳山頂のやや東(右)が目標方向となる。樹林帯に入って蓮華岳が見えない場合は大径木を目標とし、そこに到達したらまた次の目標を決めてそれを繰り返す。
 最初の尾根への取りつき部分のみ西北西方向へトラバるのでそこまでTomさんが誘導し、後は子どもに任せる。



 目標の木~特徴をインプット


 尾根がやせているうちはいいが、少し広くなると間違いやすく、左手の渓が降りるに連れて浅くなって行くので、そちらに釣り込まれそうになるのを後から矯正しながら下る。
 幸いこの尾根はすぐ右手の渓との境に落差があるので、その縁のギリギリを歩けばよかった。笹の深さも尾根にいる限りはあまり問題にならず、2度の休憩を挟んで1時間半で見事に前越林道に到達し、山頂から最短の下山コースを開拓する結果となる。ただし、これはあくまでも下山ルートであって、これを下から遡る等と言うことはクマかシカ,イノシシでないとできるものではない。




 ドンピシャで林道へ



 林道に降りると右手の沢にきれいな流れがあり、咽喉を潤し顔を洗って出発点に向かう。
 スタスタと歩いて30分,のんびり行けば1時間近くかかる林道で30頭ものサルの大集団に遭遇。一番大きな奴は道のすぐ傍を動こうともせずやる気満々で『フゥーッ』と荒い息で威嚇してくる。珍しく目の端でこちらを睨んでいるのが分かり、顔を覗きこまないように知らん顔をして通り抜ける。


 サル軍団,約30頭/崩落地点を急いで通過


 林道には毎年大きな崩落を繰り返す場所があって現在も通行止め。そこを歩いている間にもパラパラと砂粒が落ちてくるその現場で子ども達を誘導し、17時前に出発点に帰着,終了となる。




 前越平登山口はここ


 終わりに
 前述したように、元々前越平からは山頂に至るルートがあり、自分も2度ほどそのルートを登ったことがあるが今は深い薮に覆われており、尾根をまっすぐ登るならともかく何度かトラバるので、そこを正確に辿ることはもはや難しいかもしれない。
 Tomさんは『道なんかない方がいい』と言うが、道には歴史があるのでこのルートを埋もれたままにしておくのは勿体ないと思う。
 下から慎重に行けば微かな踏み跡でも辿れるかもしれないが、刈払機で笹を刈りながらでないと発掘は難しいかもしれない。何とかして発掘したいと思っている。









黒沢尾根&千年の森

2013-03-07 11:45:31 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 鹿島槍ヶ岳/爺ヶ岳,中央峰・北峰


 3月5日黒沢尾根,6日千年の森と、2日間にわたってガイド(ボラ)を頼まれ、Tomoさんと2人で7人の方を案内した。

 3月5日(火) 今季3度目の黒沢尾根 ※黒沢尾根の写真は1月8日のもの
 9:10に鹿島槍スキー場着。上のリフトに着く(9:40)と、前日から営業時間短縮で10:00スタートとなったとかで20分待たされ、出発点には10:10着。
 スキー場の周辺や上空は晴れているが、爺ヶ岳北峰,中央峰は雲の動きが激しく、この分では鹿島槍の姿を見ることは難しいと思われた。
 唐沢岳,餓鬼岳以南の常念山脈は何んとか見えているものの眠い感じでスッキリせず、南アや八ヶ岳方面,霧ヶ峰,高ボッチさえもが霞と言うには濃いもやもやの中に沈んでかすかに美ヶ原台上の雪が見えるだけ。
 春霞と言うものなのだろうか・,浅間,根子,四阿山方面もぼうっとした空気が光るだけで形のあるものは何も見えない。そして暖かい。


 スキー場から爺ヶ岳/リフトで上がる


 60代後半から80代半ばの7人のゲストの爪かんじき(1人はスノーシュー)をつけてもらい10:15スタート。50~60mほど前方に見えている尾根にぶつかるまで左に進む。
 何となく生き物に出会えるような予感がして目を上げると、その尾根の右手から左手の林の中に駆け込むカモシカを発見・・,ワカン初体験の諸氏にいきなり幸先のよいプレゼントが飛び込んできた。
 カモシカは疎林の中にジッと立ち止まって逃げるでもなくこちらが行動を起こすのを待っているかのようで、やや距離はあったもののしっかり見てもらうことが出来た。
 尾根に着いて右折しゆっくりと登って1546mのピークに到達。かんじきはしっかり締め上げたつもりでも歩いているうちに緩んでいる場合があるのでここで緩みなどを点検する。
 1146mのピークから先は東側に雪庇が出来るので、右により過ぎないようにしているが、この日は雪庇の雪の重みで亀裂が出来ていた。その位置が自分が大丈夫と思って歩いている場所より内側だったのにギクリさせられたただけでなく、更に進むとパックリと口を開いている所があるのに驚かされる。それはかなり大きなブナの木のすぐ外側だった。


 紺碧の空/樹間を行く


 前年,あれほどあった熊棚は今季はまったくと言っていいほど見当たらず、実が枝についたまま落ちていない木が目立った。それは実入りが悪くてクマが見向きもしなかったことを物語っていると思われる。
 ブナの実が不作だった代わりにミズナラのドングリが豊富だったのだ。
 次の1550mのピーク手前の、初めて鹿島槍ヶ岳を見ることのできるポイントに到達した頃から爺・鹿島の山頂付近を覆っている雲が幾分薄くなり、この後1530mまで下がって再び登りにかかる頃からいつもとは逆に鹿島槍のみ晴れ始め期待が膨らむ。


 鹿島槍/五竜岳


 11:40,丁度最後の登りを終えて目標の1599m高地についたと同時に鹿島槍がほぼ全身を現すと言う奇跡のような展開となり、ワット歓声が上がる。
 上空には雲一つ無く快晴,無風。氷点下ながら暑いくらいの陽射しには眠気さえ誘われ春うららを感じる陽気。そう言えば季節は啓蟄の候。
 一旦撮影を済ませて昼食を摂る頃には鹿島槍の鋭い穂先は紺碧の空をバックにますます冴えて、ヒマラヤ襞の1つ1つをくっきりと目に刻むことが出来た。
 12:20から下山。朝はやや硬めだった雪質が緩んできたので、『緩斜面を大股に歩いて富士の須走り下りのように雪を崩して滑りながら距離を稼ぐ』ことを体験し手もらう。角度があれば尻セードに持って行きたいところだがそれは後半のダウンヒルの楽しみ。
 最後のビューポイントからふり返る鹿島槍は、先刻よりも太陽が西に動いた分だけ陰影を濃くし、今季最高の彫の深い哲学者のような相貌を見せていた。


 雪庇を通過/ネズコ


 P1546m下の尾根,朝方カモシカを見た地点まで戻った所から直進し、東側(左下)のスキーのコースを意識に置いて尾根下りに入る。
 前回(2月10日)にはこの先で1つ西寄りの尾根に入ってしまい、降りてはいけない谷に迷い込んで冷や汗をかいた。
 尾根下りは尻セードに充分な斜度があり、思い思いに滑って降りてもらう。途中に風格のあるブナの大木,奇怪な風貌のネズコ,ミズナラの巨木,最後の最後にはびっくりするほど美しいスギの大木等々・・と、この尾根下りには尽きない魅力がある。
 14:25尾根を下りきって林道に到達。黒沢ヒュッテ横から駐車場へ。15:05参加者全員が満面の笑顔で下山し終了。


 ネズコ/ミズナラ




 大町ダム途蓮華・北葛岳/ビッグママ


 3月6日(水)
 前日と同じメンバー7名の方を千年の森に案内する。
 9時前に大町ダム下,前越林道入り口に集結。林道はモビルのキャタピラで固められているのでかんじきは履かずに背負って出発。
 昨日にも勝る好天で、高瀬川にかかる橋から紺碧の空を背景に真っ白な蓮華岳,北葛岳が映えるのを見る。
 15分ほどで泥混じりの黒い雪の塊~大きなデブリにぶつかる。上の方は完全に雪が落ちて地面がむき出し荷なっている。


 高瀬川春めく/オニグルミ


 林道沿いの樹木~植林されたサワラや山際の小灌木等を詳しく見ながら歩く。サワラは木目がまっすぐでヒノキ風呂に使われる高級な木材で、この場のサワラもまっすぐによく育っているように見えるが、凍裂の跡があって材としての価値は低くく植林の樹種を誤った例と言えるのだそうだ。
 山際の灌木ではダンコウバイの芽をはじめ、コブシ,ホウノキ,ヤマネコヤナギ,クロモジ等のが膨らみ、春の近さが窺えた。
 ゆっくり歩いて三棟の家で大休止し、お昼用のおでんと豚まんを温める。


 デブリ/なごみの時


 昨日の黒沢尾根で満足しきった一行はこの日は多くを求めず、のんびりと早春の息吹を感じつつ、あわよくばカモシカかサルに会えることを期待してそぞろ歩くこととなる。
 こうしてカモシカの足跡を追って十数分,期待は見事に的中して子連れのカモシカに至近距離で遭遇すると言うラッキーな展開となった。
 昨日と言い今日と言い、普通こんな言うまく行くものではないから余程の強運である。逆にサルが出なかったことの方が珍しかったかも・・。

 満足して三棟の小屋に戻り、腹を満たしてきた道を下り、12時前に終了。


 ビッグママとその仔 


 千載一遇とも言える絶好の条件下の黒沢尾根・鹿島槍ヶ岳はじめアルプスの写真がカメラの故障でが撮れなかった。
 やむなく1月8日撮影の写真を使ったので、同山行記録『鹿島・黒沢尾根』に使用した写真と重なる。
 ↓  『鹿島・黒沢尾根』
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-259282.html



木瘤がいっぱい! ・・・ 日向山に登って見たⅡ

2013-03-01 12:08:51 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 木瘤いろいろ


 2月B24日(日)
 前日に続いて日向山に登って見た。前日は北向きに歩いたので、今回は南側から登って前日の足跡の所まで進み、そこから東に向かって犬の窪集落の方に降りたつもりだったが、着いたところは出発点のわずか50mほど東だった。
  日向山は遠く白沢天狗山から派生する尾根の末端だと言うことが分かったので、この次は尾根を少しづつ遡って見ようと思っている。


 穴のある瘤/2段瘤の木発見


 わっぱランドで子ども達と雪の上を歩いている時,アカマツの木コブを見た子に『あれはなんですか?』と聞かれたのに答えられなかった。
 写真のように、アカマツの幹の途中に大きな瘤があるのはよく見かけるが、なぜそのようなものが出来るのか、不思議には思っても深く考えたことがないので答えようがなく、『誰かにたたかれてたんこぶが出来たんじゃないかな・・』等といい加減なことを言っておしまいになってしまったのが気になっていた。
 そう言う対応もあってもいいかもしれないが、最後には『分からないから今度調べとくネ・・』とか『興味があったら調べてごらん・・』くらいのことは言っておくべきだった。
 それが頭にあったからかもしれないが、日向山を歩いて見るとやたらと木瘤が目についたので、これも何かの教材になるかもしれないと思って片っ端から撮って見た。


 2段瘤~上の瘤/下の瘤


 これまでは素人考えで植物体の組織の異常増殖ではないかと考えていたのだが、数ある木瘤の中には、中央に穴のあるものや一面が抉れて窪みがあるものなどが見られ、その成因も1つだけではないように思われた。
 中には窪みの中から枝のようなものが突き出ているものがあることから考えられることは、かつて枝が出ていた所でその枝がもぎ取られて空洞が出来、その傷口を覆うように周囲が盛り上がって次第に空洞を塞ぎ、遂には癒着して球形になったのではないか・・,穴があるのは塞がれる途中なのではないか・・,と言うことだ。

 調べて見ると、木瘤には様々なものがあって樹種も形状も一様でなく、原因も色々らしいが、大別するとウイルス感染による異常増殖とホルモンバランスの崩れによる異常増殖,さらに何らかの原因で出来た傷を塞ぐための防衛的な増殖があるらしいことが分かった。大雑把にいえば植物のガン,あるいはかさぶたと言うものだろう・・。
 こういう木瘤とは別に虫こぶ(虫癭=ちゅうえい)と言うものもあり、マタタビ等の虫こぶはマタタビ酒として利用されること等が知られているが、それは別の季節に譲るとして、木瘤も木の不思議の教材の1つとしてストックしておきたい。


 空洞のある瘤/同じ瘤を少し右から


 さらに調べて見ると、ブナ,ナラ,ヒノキなどの木と表皮の間に出来る木瘤には瘤自体が生き物として推定20年以上の年齢を持つものがあり、非常に硬くまた複雑で美しい木目があるので飾り物やぐい呑みなどに加工して利用されるものもあると言う。
 こんな風に繋がるのであればたかが木瘤と侮れないかもしれない・・。教材はどこにでも転がって(立ってか!)いるものだ。 

 あまり太くない枝にできた適度な大きさの木瘤は、ワラ縄をつくる際にワラをたたく槌にするとすこぶる具合がよく、そういう使い方もある。



 美しいヒノキと/まっすぐなスギ

1年生がやって来た・・,わっぱランド雪遊び

2013-02-23 10:25:18 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 かんじき初体験 


 野外学習でわっぱランドへやって来た1年生達
 今回はかんじきを履いて雪の野山を探検しようと言うもの

 子ども達にとってかんじきを履くのはもちろん初体験
 60人の子ども達にかんじきを履かせるのも初めてで
 1時間かかってようやくスタート



 走ったり転んだり・・


 歩き始めた途端に外れてつけなおしたり
 外れたまま歩いたり・・
 と
 てんやわんやながら 
 楽しそうに走ったり転んだりダイビングしたり・・

 雪の上no落ち葉や松ぼっくり,ハンノキの実
 くっきり残る獣の足跡


 テンの足跡/雪の下は川




 ササ船を流した川/カブトムシvsスズメバチ 

 
 
 足跡を追って川を渡り
 カブトムシやスズメバチがいた木をチェック



 鳥の巣?/キツツキorムササビ?


 樹上に大きな鳥の巣の跡
 カバノキにキツツキの穴を発見!
 そんなささやかなものにも大喜びで・・
 そして


 サルの集団現る/・・やや!! 何ザル・・?


 突然現れたサルの集団に大興奮して突進! 

 サルにも助けられた2時間半は
 アッと言う間に過ぎて
 耳奥に残る歓声


 ドングリ子ちゃん/・・・??

かんじきハイクガイド研修 in 森のくらしの郷

2013-02-02 11:48:06 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 サルになった森の支配人~Tomさん/森のくらしの郷へようこそ!

 
 2月1日(金)
 大町温泉郷のかんじきハイクガイド研修に参加して『森くら』のフィールドを半日歩いた。
 
 いつもは車で通過することが多い道も、雪に閉ざされて歩かされて見ると改めて気づくことが多い。
 かんじきハイクに参加する人達が何に関心を持ち、どんなことに興味を示すかは全くの未知数である。
 であるならば・・と、自分自身が関心を持ち興味を感じることや、普段は『・・・?』と感じてもそのまま放置してしまうような小さな疑問をも殊更に取り上げて投げかけて見る。



 かんじきにも色々ありましてぇ・・/熊棚


 すぐに答えが返ってくることもあれば誰も答えられないこともある。想像を逞しくして大胆な仮説や推論を述べる人もいれば、キチンと調べて後日報告してくれる人もいる。
 その中から明確になったことがらだけを共通認識として蓄積しマニュアル化していく。

 黒部湖畔遊歩道では数十回のこのような研修を経て多くの共通認識を蓄積して来たが、森くらを中心とする雪のフィールドではそれは緒に就いたばかりで、繰り返しその研修を行って認識を共有しなければならない。


 松の樹肌を齧った跡/これもサル~歯形が明瞭



 当然ながら『森くら』に置いては、樹木のこと,鳥獣のこと,雪のこと,雪崩のこと・・,森の中のすべてのことについて、森の支配人と呼ばれるTomさん(写真左・・サルの食べ方を実演中)の知識と経験によるところが大きい。



 繊維質ばかりの糞/サルのフィールドサイン・・これは何?


 例えば、森くらへの入り口にしてすでに見られるサルの食痕とフィールドサイン・・。
 写真中はサルが松の甘皮を齧った跡できれいに歯形が残っている。このような食痕を残すことが出来るのは、手でものを掴むことが出来るサルだけであるが、自分はサルが松の木を齧ると言うことは知らなかったので、そのことに驚いた。

 写真の雪が赤く染まっているのはこれもサルのフィールドサインの1つであるが、何かお分かりだろうか・・。



 雪のバームクーヘン/その原形
 

 雪のバームクーヘンそして谷の誕生
 このフィールドを歩いて自分が知っていることと言えば、『あれはヤシャブシの球果』『これはツノハシバミの花芽』・・,と言った程度の個々バラバラの断片的なものでしかないが、Tomさんはそこで見られる様々な現象について熟知しているだけでなく、10余年間の経験の蓄積によって、この森で起こるすべての事を立体的,構造的に把握していると言っても言い過ぎでない。
 写真は雪の塊が斜面を転がり落ちてロールケーキ状になったものである。
 よく見るとそのような大きなロールケーキにならなかった小さな雪塊が崖から転がり落ちた痕跡が無数にある。

 

 底雪崩のデブリ/ずっと上から始まっていた

 
 『こんな所でのんびりしていてはいけない』と、Tomさんは言う。このようなロールケーキは雪崩の引き金になりかねないのだそうで、事実,そのすぐ先に写真右のような雪崩跡のデブリがあった。
 このデブリは泥まみれであるところから『全層雪崩だ』と彼は言い、表層雪崩と違ってこのようなデブリを掘り返して埋まった人を助け出すことは『不可能に近い』と続ける。



 はるか上方から始まって/河床まで


 もう1ヶ所,前のよりもさらに高い所から滑り落ちたデブリがあった。前シーズンのこの場所で、雪崩は林道を乗り越えて下の河床にまで達したと・・。
 こう言う雪崩が繰り返されることによって削られた斜面はその後の浸食作用も手伝って次第に崩落が進み、遂には谷になると言う。
 初めの小さな雪崩跡は谷の赤ちゃんとも言える訳だ。 



 サワラに開けられた穴/凍裂



 何の木の実?/この生活痕は♀サル(成獣)のもの



樹上の8日間

2013-01-24 02:14:32 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 ツリーハウス作業場の全景~木は椎の木/表側(東)から1Fを見上げる。
 
 1月16日(水)
 益田市での作業初日。すでに1Fと2F部分のデッキができており、階段をどこに取りつけるかが最大の問題となっていた。

 最も理想的な取りつけ位置(西側)の開口部にはすぐ上に太い横枝があって、これを潜らないと小屋に行けないので、諦めて別の開口部を探す。



 階段の開口部(西側)


 数ヶ所の取りつけ位置を検討した結果,邪魔な横枝の内側のデッキをくり抜いて梯子で直上することに決定した。

 次の課題は梯子と階段の取りつけ方。地上4mのデッキまでに踊り場を1ヶ所設けるか2ヶ所か・・。まっすぐ取りつけるか、90度曲げるか、あるいは螺旋階段にするか・・。

 設計者のTomoさんは螺旋を想定していたが、施主さんのたっての希望でまっすぐつけることになる。


 梯子と踊り場の空間を吊り下げる

 まず、開口部の真下に踊り場を設ける。そこからさらにもう1つ踊り場をつくって階段の傾斜を緩やかにしたいと言う思いがあった。それは階段部分を短くすることによって子どもが昇り降りしやすいようにとの配慮でもあった。
 一方で階段全体を1Fのデッキの下にすっぽり収めることで、雨に濡れるのを防ぎ耐久性を高めたいと言う思惑もあり、Tomoさん大いに悩む・・。


 梯子/階段の取りつけ


  結局,階段を少し長くして踊り場の位置を下げ、階段はほぼ45度の角度でまっすぐ取りつけることに落ち着き、階段と踊り場の部分は上から吊り下げることになった。

 かくして連日の雨の中,階段と梯子づくりが始まる。

自転車ロードレース~北アルプス山麓グランフォンド2012

2012-09-09 17:18:08 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 60km走破,揃ってゴール/簗場エイドステーション


 自転車のロードレース『北アルプス山麓グランフォンド2012』の簗場エイドステーションを任され、我が農園の野菜オンリー+平郡島産のヒジキを提供した。

 7月22日の『スペシャライズドデイズロングライド』大峰高原エイドステーションで野菜を提供した経験に倣って、今回もジャガイモと葉野菜をベースにしたサラダを出した。

 前回は蒸したジャガイモを更に油で素揚げしたが、今回は時間がなかったので蒸しただけにし、サラダはルッコラ,ミズナ,トマト,赤タマネギ,キュウリ,バジル,ナスタチウムをゴマドレッシング,バルサミコ酢,マヨネーズで和えた七目サラダとした。
 またキュウリ60本を塩こうじと粉末の漬け素で一夜漬け,更に中・小玉トマト200個をザルに盛った。
 他に、塩分&ミネラル補給用として平郡島産の乾燥生ヒジキを細かく切り、『おしゃぶりヒジキ』として出してみた。



 7目サラダ/小・中玉ジャガイモを蒸しただけ


 簗場駅前のエイドを通過するのは30kmコースと60kmコースの約150人。タイムを競うレースではないのでエイドではトイレ&水の補給等でゆっくりして行く参加者が多く、ジャガイモ,サラダ,キュウリ,トマト共飛ぶように売れた。
 おしゃぶりヒジキは『???』と言う感じだったが、『白い粉は天然の藻塩』『ミネラルたっぷり~』と説明すると『ウン ウン』とナットク顔だった。下手に調理しないのがよかったようだ。



 好評!/先着100名様~ナスタチウム


 11月にまたあるそうだ。猛暑のおかげでトマトが大豊作なので水煮保存してラタトゥユなんかどうかと思っているところ・・。ズッキーニはカボチャみたいにまんまで保存できないのかな・・?

秋色・黒部湖畔

2012-08-31 19:55:11 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 アキノキリンソウ咲く/アサギマダラと遊んだ

 

 7月8日のトレッキング以来,およそ2ヶ月ぶりの黒部湖畔は秋色に染まりつつあった。



 オオカメノキの実/ツタウルシも黄葉


 アキノキリンソウやノコンギク,シラヤマギク等,秋の花がが咲き、オオカメノキやタケシマランの実は赤く、ツバメオモトの実は濃い青に色づき、ツタウルシの葉も黄色く、ヤマブドウは赤くなり始めていた。




 ヒロハユキザサの実ひしめく/フユノハナワラビ


 足元には早くもフユノハナワラビ・・。



 アサギマダラ/カニコウモリの繊細な花


 御山谷半島でアサギマダラを見かけた。白い手ぬぐいを振るとすぐに2頭,3頭と寄ってきて優雅に舞い、手や頭に止まって翅を閉じたり広げたり・・。
 長い口吻を伸ばして皮膚を舐めるのは塩気を求めているのか?



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