遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

キジ2世・デビュー

2014-10-29 22:26:38 | 生き物達




 5月30日のカップリング以来 その動静が分らなかったキジの番から
 立派な2世が育ち 姿を見せるようになった
 世間知らずの少年らしく 何と今日は車道を歩いていた

 ここのところタヌキやムジナの 幼獣の轢死体を見かけることが多いので
 いささか気になる







 夏の間、大町にいなかったので 消息が分からなかったのだが
 お隣さんは3羽のヒナを見たとのこと

 他の2羽や♀親がどうなったかは分からないが
 ♂親の姿は時折見かけていたし 鳴き声も聴いていたので
 今も健在と思われる


 この若鳥もいずれは追い出されることだろう

事件勃発~侵入♂,♀を略奪か・・!?  しかもキツネまで!!

2014-06-15 15:11:47 | 生き物達

 いつもの♂/羽ばたき


 激しい羽音がして思わずも窓から原っぱを見ると、いつもの♂が何かに追われるように左手から飛んできて舞い降りるところだった。キジの♂同士の縄張り争いは何度もみているので、別の♂が現れたに違いないと思ったが、問題は攻守逆転して元の♂が追われていると言う只ならぬ事態である。

 平和だった原っぱに別の♂が侵入し、元の♂を押しのけて♀に接近しディスプレイ。♀は戸惑い気味で右往左往していたが、そのうち侵入♂とつかず離れずで採餌し始める。侵入♂は♀の周りから離れず交尾の機会を窺ってディスプレイを繰り返し、♀もまんざらでもなくはしゃいでいるように見えなくもない。




 侵入♂ディスプレイ/♀が受け入れ態勢か‥!?


 追われた元♂は離れたところで時々鳴いて羽ばたきするものの、侵入♂に立ち向かう様子なし。♀は巣から出て早2時間近くになり、このまま抱卵を放棄して侵入♂とペアになる可能性もある。♀の挙動に落ちつきがなく、元♂とのランデブーの時とも様子が違う気がする。
 ひょっとすると迷い込んだ別の♀で、侵入♂はそれを追っかけてきたのかもしれないが、真偽のほどは不明。成行きを見守るしかない。




 キツネ!!


 更なる事件,
 北側でけたたましい鳴き声がした。異変を感じて北窓に飛んで行って見ると、何とキツネが現れたッ!
 『禁』を破り、農作業者を装って駆けつける。元々人の生活圏なので行く時はこっそりとでなくドカドカと行く。キツネはいち早く遁走した後で、あまり遠くない所で囁くような♀の鳴き声がしたのでそちらに1歩踏み出すと、2羽の♂と1羽の♀の合せて3羽が一斉に飛び立った。他にキツネに襲われた個体があるような形跡はなくひとまずは安心。従って♀は1羽しかいないことが分かったが、3羽が同じ所に一緒にいたと言うのがまたまた謎である。

 3羽が飛び立った辺りに巣があるのかもしれないので、そちらには近づかず早々に引き揚げたが、何らかの影響を及ぼしたであろうことは否めない。それ以前、にキツネに目をつけられてしまったことで原っぱも安住の場ではなくなったと言えよう。
 それにしても白昼堂々とキツネが出てくるとは驚きだ。

寄り添うナウ~そしてカップル誕生!

2014-05-30 10:34:04 | 生き物達

 2014年5月30日8:06 いつもの♂

 同 ♀がいた

 同 接近! 

 家の周りの原っぱを2羽のキジが歩いている
 すぐ目の前~現在進行形で‥

 ♂はいつもの奴だが ♀は今日初めて見る個体だ
 そう言えば一昨日、♂が別の♂を追いかけて追っ払っていた。

 キジを撮る時はいつも窓を開けっぱなして
 こちらの姿を見せてカメラを構える
 なので彼は私を恐れない


 ♂はひたすらこの日を待ち続けて 
 声を限りに『ケックォーン』と鳴いていた

 そして待望の日は来た!




 8;07 ナイス,ツー・ショット‥ カップル誕生か!?

 8:15 強い意志で守る

 8:16 守られている




 8:47 辺りを見廻して

 8:48 急接近

 同 飛び乗って

 同 交尾

 同 同 

 同 わずか2~3秒

 原っぱは広いが周りは住宅地で
 猫がいる カラスガいる ヘビもいる
 夜中に時々キツネも鳴く
 いつかは男たちが何かを探してもいた


 あちこちに茂みがあるので
 隠れ場にはなるにしても
 先行きは厳しいに違いない




 8:49 暑くなってきて

 8:57 木陰に誘い

 9:05 くつろいでいる 


 それでも何とかするだろうが
 草刈りはしばらくお預けにしよう


最後のイナゴ

2011-10-29 15:02:05 | 生き物達

 イナゴの甘辛煮完成/まだいたイナゴ


 生垣の刈り込みの仕事で一日市場に行く。昼食をそそくさと済ませて田圃のあぜ道を歩いてみると、何とまだイナゴがいた。捕まえてビニール袋に入れ、2~3日脱糞させる。その極限下で交尾している奴がいるのには驚いた。

 
 極限下で交尾・・

 9月のイナゴはすばしっこく、稲の中に逃げるので捕まえるのは容易でないが、10月になると動きが鈍くなる。
 飛び跳ねても2~3回で力尽きて動かなくなるので捕まえやすく、それも昼間の暖かい時間帯だけで、3時過ぎて陽が陰ると1回跳んで蹲るか、動きもしなくなる。動いてくれないと逆に見つけにくいが、よくよく見ると草むらの中にじっとしている奴がいて簡単に拾える。・・が、面白みもなくなる。


 ぐらぐらの湯につけると真っ赤になる

 子どもの頃、イナゴ捕りは仕事の1つで、一升瓶を持って田圃に行き、片っ端から捕まえては瓶に入れて持ち帰って鶏のエサにした。瓶の口を押さえていた親指を離すと、イナゴが1尾づつ出てきてピョンと地面に飛降りる。すると目ざとくそれを見つけた鶏達が先を争って駆け寄り啄む。それが面白くてよくイナゴ捕りに行った。



 入念に空煎り

 ある年,高校のグランドのバックネット裏に大量のイナゴが発生したことがあった。それを捕まえてかき揚げをつくり、翌日学校に持参して級友諸氏に『えび天』だと称してふるまったことがある。
 バレないように翅と後肢の下半分を入念に取り除き、自分は本物のえび天を持って行ってそれを見せてから配ったので諸氏は疑わずに食べたが、誰一人『???』と言う者がいなかった。
 つまらなくなって『実はイナゴだ』と自ら暴露したが『何となくおかしいと思った』と言う程度の反応で、怒った奴はいなかったからまんざらではなかったのだろう・・。

 高校の先輩には、ネコを殺してすき焼きをつくり、生物の先生にふるまって自分達は牛肉のすき焼きを持ってきて食ったと言うツワモノいたから、イナゴのかき揚げなどは可愛い部類に入る。



 低温でじっくりと

 今年もイナゴの甘辛煮をつくったが、昨年はあれほどうまく行ったのに今年はイマイチだった。
 モサモサして口の中に羽が残らないようカリッと仕上げるのがコツで、そのためには入念に空煎りする必要がある。
 一度目は早くカリカリにしようと高温で煎って焦げ臭くなったので、2度目は低温で時間をかけて空煎りし、そこまではうまく行った。
 が、砂糖と醤油を絡めた時、イナゴ(の翅)が水分を吸いこんだ段階でカリカリがモサモサに戻ることが分かった。そこでまた冷温で時間をかけてねっとりと甘辛くなるまで煎って最後に水アメで照りをだし完成。それでも去年の出来には遠く及ばなかった。

 去年はどうしてあんなにうまく行ったのかさっぱり思い出せないが、出来立ての時はモサモサしても時間が経って冷えるとカリッとして来て意外と好評だった。それでもモサモサが気になる場合は羽を毟るしかあるまいと思う。



 信州ではイナゴの甘辛煮をスーパーで売っている。イナゴを食べると言う風習(?)は地方によって異なり、全く食べたことがないと言う人も多いが、自分は子どもの頃から広島の片田舎で食べていたので何とも思わない。
 イナゴが食べられるのならバッタも食べられる筈であるが、わが借家の周りでいっぱい跳ねまわっているバッタを捕まえてイナゴの代わりに食べようとは思わない。それはそういう伝統がないからに外ならず、そこに日本人(農民)とイナゴとの長くて深い関係性がある。

 本来は憎っくき敵であるイナゴを人々は稲の子と書き、何故か親しみを込めて語る。そして農事の傍らイナゴを追うことを楽しみとし、それを食す。それこそが伝統的な食文化であることの証拠であろう。

♀が♂を食べるカマキリの真実

2011-10-13 05:44:49 | 生き物達
                                           2試合続けて完投~『明日のカープ』をぜひ!




 先日,カマキリ♀がカマキリ♂を食べる場面に遭遇したが、気になって調べてみるとこれについて色々誤解があることが分かった。

 まず♀が交尾中,またはその前後に♂を食べてしまうことは実際にあるが、自然界ではその確率はあまり高くなく、ましてや♀が産卵のために必然として♂を食べるわけでも、また♂が種の保存のために進んで食べられるわけでもないと言うことが分かった。
 カマキリには複数回交尾する能力があり、交尾後に食べられることが必然であるならその能力は必要ないことからもそれは言えるようだ。

 ♂食いの原因は色々あるが、一番はカマキリが悪食で餌の識別能力があまり高くなく、目の前の動くものなら何でも捕えて食べようとすることにあるらしい。
 その上にカマキリは♀が大きくて、♂は弱っちいので不本意ながら食べられてしまうことがあると言うのが真相のらしい。
 ♂はこのことを知っているので、交尾の時には慎重に近づいて背後から交尾に至り、素早く事を終えて離脱したり、夜間に交尾するなどして食べられないように振る舞うのだが、それでも食われてしまうことがあると言うことらしい。

 特筆すべきは、交尾中に頭から食われていてもなお交尾は継続可能で、更に胴体から腹まで食われても繋がったまま継続されるように出来ている。
 そこには交尾中に食べられても子孫を残すための能力だけは確保しようとする宿命のような♂性があることも事実だ。

 ただ、動くものに反応して食べると言うのであれば♂が♀を食うこともあるのではないかと言う疑問が残る。実際にその場面を見た時,食っている奴が果たして♀なのだろうかと自分も思った。
 この点については、♂はフェロモンに引き寄せられてメロメロになっているのでそれは無いと言えるようだ。
 ただし、虫かごの中に数尾のカマキリを飼育すると♂♀関係なく共食いして最後には1尾だけになってしまうらしい。自然界でも餌が極度に不足するような条件下では共食いし、その場合は♂♀の差はない


 その♂食いの映像を発見した
http://animaldouga.blog108.fc2.com/blog-entry-168.html



 真実がそうであっても♀はしたたかで♂は健気~と言う印象は変わらない気がする・・。


 2試合続けて完投~『明日のカープ』をぜひ!

友,モリアオガエルを守る モリアオは卵を守る

2011-08-24 08:31:33 | 生き物達

 卵を守るモリアオガエル
 
 中国山地で隠遁生活を楽しむ友から、間髪を入れずの便り・・。

『 こんにちわ・・・

 一時の猛烈な暑さはないが、蒸し暑い広島です。
 昨日は深川の山(果樹園らしきいろいろなもの植えている)に行ってぶどうとブルーベリーを収穫した。蚊の猛襲撃を避けるためカッパを着て作業したため、暑さで30分余りの作業でヘトヘトになった。
 やはり今の時期は作業できん。
ぶどうは一番簡単なデラウェア・・・焼酎に漬けた。

 盆は大暮で3日間過ごしたが、人がごちゃごちゃで疲れた。
 もっぱら風呂職人・・・,クロモジ湯は最高、皆さんに大好評だった。
 これから自分の季節、まつぶさを求めてウロウロします。(さるなしはちょっと飽きたがまつぶさ酒が美味い。これホント)

 自分の土地の動植物はかわいいよね。アルバム作るのも悪くないね。
 しかしアブ・蚊・ムカデとか洋種ヤマゴボウ等・・・ごめんだね。
                            

 杉の枝に止まり動かん/木の枝で池に移動した


 ケロケロのその後・・

 盆前に行ったら折角掃除していた五右衛門風呂にまた卵を生んでいた。♀か♂か判らんが卵を守っている。
 普通の青い小さなケロケロは見たことがあるが、モリアオガエル見るのは初めてだった。結構大きなケロケロで感激した

 
 杉の枝に止まり動かん!! 揺すったり、火吹き竹で吹いても我関せず・・,翌朝見たら何処かに行っていた。
 卵は木の枝で池に移動した。泡には適当な接着性があり、池でも容易に木に接着できた。                              
                              (8月22日)  』
 ・・だそうだ!

 友人とモリアオガエルのいきさつは・・


 五右衛門風呂に卵/引っ越し中

 
『 7月3日
 昨日から大暮サティアンに草刈に行った。一人で泊まるのも慣れたがやはり気持ちが悪い。夜に鳴く変な鳥の声は背筋が寒くなる。 それにしても小屋が倒れずによく持ちこたえてくれた。 上隣の山小屋はつぶれたのに・・・雪下ろしの甲斐があったかもね。

 オタマジャクシが100匹位泳いでいた。可哀想なので掃除できんかった。オタマジャクシは近くに池があるのでそこに逃がそうと思います。 孵ってもあの高さはよじ登れないのにどうして卵を産むのか判らん!!


 引越し先の池~先住民が一杯いる/ナルコユリが咲いていた


たっぷり2時間も・・

2011-03-11 17:13:43 | 生き物達

 発見当時の位置/全景・・母さんが下に向かう訳は

どんどん降りてきた!

 
 ボクがいるからサ!/ここまで来ちゃった

 20ヶ所近くある定点を1つ1つ調べて七倉ダム上の七倉山荘のゲートまで来た時、Tomさんが『いたッ!』と叫んで右手斜面の中腹を指しカメラを構えた。
 森くらではカモシカと一緒に暮らしているようなカモシカ通のTomさんが『ここは目撃例が多い所』なのだが『これまで一度も会えなかった』のだとやや興奮気味。この場所での発見がよほど嬉しいらしい。
 調査と言う目的を持って出会うのは、森くらでの日常的な遭遇や偶然の出会いとはまったく意味が違うわけだからその気持ちはわかる。


 雪止め柵を乗り越え/さらに下りてくる

 カモシカは垂直に切り立った崖の下の、周辺に比べればやや緩やかな窪地に立っていて上に登ろうとする姿勢をとっていたが、一転して右下に降り始めた。Tomさんの『もう1ついるッ!』と言う声に右手を探すと上の個体の少し右下にひと回り小さい個体がいるのが認められた。明らかに親子だ。
 しばらく見ていると2頭は何と下に降りようとしていた。『下にある栂の葉を食べたいんじゃないか・・』とTomさん。その言葉通り、下にいた小さい方の個体がどんどん降りてきて温泉パイプの保護柵を乗り越え、さらに下って至近距離と言えるところまで降りて来ると言う願ってもない展開となった。 . .


 目の前15~20っまで来た!/食べている

 途中にある雪止めの柵を乗り越えてさらに下り目の前まで来た。距離約15mか・・。こちらを気にはしているが恐れている様子はない。
 けれど、落ち着いてたらふく食ったかと言うとやっぱりお邪魔虫だったことは否めず、20分ほど食べてから一旦上に引き上げたが、そこから登って行かないでじっと立っている。
 もう一度食べに下りて来ることを期待してその場を離れ、高瀬ダムに向かう。


 帰りにもいた/食べると言うより遊んでいる感じ


 帰りにもう一度見るとやはりいた。母さんの姿は見えなかったが、近くで見守っていたに違いない。 .

カモシカ調査

2011-03-10 11:05:01 | 生き物達

 ボク,1才・・/おっかさんもいっしょだよ 


 3年目にして初めて会えたカモシカ。しかも1才児と思われる幼獣を伴って長時間にわたり、愛らしい姿を見せてくれた。

 一昨年2月に森の支配人,森のくらしの郷のTomさんから『カモシカ調査に行きませんか』と言う誘いを受け、この地域の調査に同行するようになって3年目にしてやっとカモシカに会えた。



 調査は定められたポイントを巡回して目視によるカモシカの固体視認,足跡や食痕等の棲息痕を調べると言う仕事。20ヶ所近くある定点のそれぞれで15分間,目視による固体の発見の他,足跡や食痕等,生息痕の発見に努める。
 決定的なのは固体を発見することだが、そのような幸運は一冬に1~2例ある程度で、それだけを目的にするわけには行かないので痕跡の発見が重要な仕事になる 定点を正確に把握するために、時には雪に埋もれた欄干をスコップで掘り出して確認することから始め、次にその周辺の足跡と食痕を調べる。


 先端が齧られている/サルの食痕

 灌木の枝先の芽の部分が齧られていれば『前年の春から現在までに何者かに食べられたと言う事実が分かる』と言う程度のゆるい痕跡調査でしかなく、しかも競合するサルの食痕との違いが明確でなく『?』をつけるものが大半である・・,と言う風に状況証拠の発見と記録に終始する地味な仕事である。
 サルは前肢で枝を掴んで食べることが出来るので樹肌がきれいに剥ぎ取られている場合はサルの食痕と特定できる。カモシカにはそれが出来ないので先端のみを齧り取られている場合が殆どであるが、今食べたばかりのサルの食痕を確かめると先端だけを齧り取ったものが見つかることがある。


 サルの糞/テンの糞か?
 そうなるとカモシカのものは推測の域を出なくなる。なので足跡と食痕が同時に見つからないと特定するのは難しく、そして見つかる足跡の殆どはサルのものである場合が多い。
 このように視認が難しいだけでなく、生息痕の発見も容易ではないと言うことなのだが、居ることは確実なのでわずかでも痕跡の発見には大きな意味があるのだそうだ。


 カケスがいた

獣達の足跡考・・,カモ調同行記

2010-02-15 18:07:21 | 生き物達
 前肢?
            後肢? 
 獣は前足の足跡を後ろ足で消しながら歩くと言うことを聞いたことがある。獣によってはそう言う風に歩くものもいるらしい。
 ではサルはどうなんだろう,と、先ほど遠くから見たサルの足跡を見に行った。
 ハッキリしたことは分からなかったが、前肢っぽい足跡とそれよりやや大きくて幼児の足型に近い後肢っぽいものがあるような気がした。前者(写真2)はポツンと置いたような足跡で丸っこいのに比して、後者(写真3)はやや縦長で後の端に引きずったような跡が見られるように思ったが、明瞭とは言えず無理にそのように見ようとしているのかもしれない。

                
 写真1は向こうからこちらに歩いているものだが、奥の方に見られる2つ並んだ足跡は一方がやや小さい。これは前肢のすぐ横に後肢を置いたものではないかと思ってみたりした。
 歩き方にもゆっくり歩く,立ち止まる,向きを変える,スタスタ歩く,やや小走りになる等色々あるだろうから並び方も間隔も一様ではないだろう。

        
                
 この3枚の写真の中に去るが1頭いる。それぞれ他の写真にない黒い小さな点がそれ

 例えばウサギはある地点から次の足跡を見せないほど大きく跳躍して直接木の根穴に飛び込んだりして身を隠すことがあると言う。それが事実であるとすれば獣達はそれぞれの立場に応じて足跡に随分と気を遣っていると言うことなのだろう。
 後肢を前肢の上に置くように歩く~,と言うのが本当だとすると、いかにもある意図をを持った歩き方と言う気がする。多分それは狩りをする時の忍び足であったり、追跡者を惑わすと言うようなことであろうか・・。

                
 しかし遠目に見たこの時のサルの歩き方は、足跡など気にせず餌を探しながらのんびりと自由気ままに歩いていると言う風だった。それはサルには強力な捕食者がいないと言うことなのかもしれない。


サルの食痕~カモ調同行記

2010-02-15 11:27:43 | 生き物達
 北葛2号橋
             食痕 
 森の支配人(大町森のくらしの郷)トモさんが環境庁に委嘱されて行っているカモシカ調査に同行して厳冬の高瀬ダム・不動沢辺りまで行って来た。
 カモ調は定められたポイントを巡回して目視によるカモシカの固体視認,足跡や食痕等の棲息痕を調べると言う仕事。20ヶ所近くある定点のそれぞれで15分間,目視または双眼鏡で固体の発見に努めるのだが、実際に固体を発見できるのは一冬に1例か2例ある程度で、大半は足跡や潅木の枝先が齧られていたりする状況証拠の発見と記録に終始すると言う地味な仕事である。
 トモさんがやおら欄干の雪を掻き始めた。雪の中から探し当てたのは『北葛2号橋』と書かれた名標。こうしてまずそこが定点であることを確かめる。
 竜神湖(大町ダム)
          七倉ゲート 
 次に周辺の足跡と食痕を調べる。枝の先端だけを齧っているのは推測の域を出ないがカモシカである公算が大きい。
 決定的なのはやはり固体を発見することなので目視できる範囲の山の斜面をしっかりと見る。何年か続けていれば出現するところとまったく出ない場所が分かって来るそうで、移動中でなければ栂の木の根元に蹲っているか、崖の上のちょっとしたテラスのようなところに立っていることが多いのでそう言うところを重点的に観察する。
 1場所15分間の観察時間でそう簡単に見られるものではないが居る時には居るそうだ。
 ニセアカシアの食痕
      歯型が残っている 
 食痕のある場所はサルのそれと重なるが、サルは前肢で枝を掴んで食べることが出来るので樹肌がきれいに剥ぎ取られているのに比して、カモシカにはそれが出来ないので先端を齧り取られている場合が殆どである。
 しかし、この日サルに遭遇してその食痕を確かめたところ、カモシカの食べ方と同じように先端を齧り取ったものが見つかった。そうなるとサルの食痕はハッキリしているがカモシカのものと思われるものは推測の域を出なくなる。なので足跡と食痕が同時に見つからないと特定するのは難しいということになりそうだ。
 従って何よりも固体の視認が重要なのであるがその確率は極めて低い,低いけれどたった1例でも確認できればそれは重い意味を持つ・・,そう言う仕事なのだ~,とトモさんは言う。


あわや衝突・・・矢の沢のカモシカ

2009-11-14 22:12:38 | 生き物達
 
 ※写真は森くらのカモシカ         
 矢の沢の農園に向かう途中の山道でのこと・・。
 突然、右手の山の中から子牛ほどもある黒い獣が飛び出してきて目の前の道路を斜めに横切り、あっと言う間に左下の谷に飛び込んで消えた。その間,わずか1秒ほど・・。
 見たこともないほど大きくて黒いカモシカである。しかも素早い。曲がりくねった細い山道なので20~25km/hのスピードでゆっくり走っていたのだが、カモシカはそれをはるかに凌ぐスピードで軽々と道を横切って行ったのだ。

 もしもっとスピードを出していたら、あるいはもう1秒ほど早くそこに達していたらカモシカはもろに車にぶつかっていたかもしれず、ぶつかっていればその巨体で谷に突き落とされないまでも慌ててハンドルを左に切って車もろとも谷底に突っ込んでいたかもしれない。
 いや、あの俊敏な動きからすれば車の屋根を一蹴して軽々と跳んで行ったに違いない・・。そう思わせるほど見事な身のこなしだった。

 パラポックス病(矢の沢)
        同 
 つい先日,パラポックス病に冒されたカモシカに遭遇したことばかりである。↓
 9月10日,カモシカ無惨・・・パラポックス罹患固体に遭遇http://blog.goo.ne.jp/yamanoasioto/s/%A5%AB%A5%E2%A5%B7%A5%AB
  3年程前には鹿のワナにかかったのを放すのに大騒動したということもあって長峰山にカモシカがいることはハッキリしている。実際に出会ったのは今年が初めてであるが、このところ遭遇する機会が多くなっているのは何を意味するのだろうか・・。
 
 ※写真は森くらのカモシカ
 それにしても森くら等で見かける固体よりひと周りもふた周りも大きなカモシカであるにもかかわらず、その動きが軽やかで俊敏だったのには驚くばかりである。 

カモシカ無惨!・・・パラポックス罹患個体に遭遇

2009-09-10 00:13:16 | 生き物達

          
 矢の沢の農園に向かう途中の町道脇の側溝にカモシカが蹲っているものを見つけた。至近距離でも逃げないのを訝ってよく見ると、このカモシカは左目の眼球が白く蝋のようになって明らかに失明している上に右目も負傷したらしく完全に塞がった状態で、つまり全盲状態で動けず、また目だけでなく口の周りや鼻等の皮膚・粘膜の裸部がことごとく膨れ上がって瘤こぶになり異常な状態であることが分かった。
 あまりの無惨さに驚き明科支所に連絡すると、すでに同様の連絡があって今職員が現場に向かっていると言うのでその場で待つことにした。

     
 待っている間に顔中に出来た瘤の状態を克明に写真に撮るとともに大町山岳博物館の宮野さんに報告すると、即座に『それはパラポックスと言う伝染病です』と言う答えが返って来た。説明によると、パラポックスは他の個体に感染する恐れがあるので隔離する必要があるのだが、長野県内にはそれを受け入れる施設がないので捕獲して隔離することは出来ず、結局は『山に追い返して天寿(?)を全うさせるしかない』とのことだった。この状態ではまともに生きていけるとは思えず、早晩死ぬしかないので『天寿を~』云々は矛盾だが、要するになるべく他の個体と接触しないで、ひっそりと死んでくれるのをのを待つしかないと言うことのようだ。

     
 30分後に顔見知りの職員さんが来たので宮野さんから聞いたことと、地方事務所の林務科に連絡するようにとの言を伝えてその場を離れた。
 首から後ろの部分は毛並みもきれいで健康そうな若いカモシカであっただけに気の毒で可哀想でいつまでも気になって仕方なかった。我々にできることは何もないと言う冷徹な事実を受け入れなければならないのはつらいことだ。
          

カモシカ調査・続

2009-02-27 08:18:53 | 生き物達
 高瀬ダム堰堤から見下ろす
   この堰堤を向こうに渡る 
ブナ立尾根 不動沢吊り橋
 高瀬ダムの堰堤に戻って上から墨絵のような景色を撮ろうとしたらガスが上がり始めていた。2月末とは思えない温かい雨に、心なしか木々の芽も膨らんで見える。
 堰堤を渡って不動沢に向かうトンネルを抜け、烏帽子岳登り口の吊り橋付近に車を停めて一帯を歩く。
 烏帽子岳ブナ立尾根登山口 
 不動沢の吊り橋
 ここは日本三坂と言われるブナ立尾根の急登を擁する烏帽子岳登山道入り口の吊り橋。まっすぐ伸びた橋とそれを吊るす簾のようなワイヤーの直線が群れて織りなす曲線と青いネットに人工の美を見る。
 それにしても厳冬期にここに来ようとは思っても見なかった。トモさんにくっついているといいことがあるものだ・・。
 キツツキの穴
         サルの食痕 
 サルが齧ったニセアカシア,両手でつかんで食べないとこうはならないそうで詳しく見れば歯の跡も分かると言う。キツツキの空けた穴,ウサギの糞,キツネの足跡等々・・,至るところに生き物達の生息痕を見ることが出来る。
       トックリ蜂の巣 
 これもキツツキ
 だがこの日、カモシカのサインは何一つ見かけることが出来なかった。それはそれで調査価値があるのだとトモさんは言う。棲息区域内においては、出て来ないということも1つの生活のありようなのだ。
 全方位をくまなく見る
           不動滝  
 見渡せば、凍らぬ滝に一条の水,
                 
 
 雪深き不動沢なれどカバの芽の色づきて、かすかにも春を兆す。 


                
                          

カモシカ調査

2009-02-26 00:48:20 | 生き物達
 緑の水を湛える高瀬ダム
    烏帽子岳登山口の吊橋 
七倉ダム 高瀬ダム
 森の支配人,森くらのTomoさんから『カモシカ調査に同行して見ませんか』と言うお誘いを受けて2つ返事で駆けつけた。
 環境省の依頼で年に何度か決められた定点を廻って固体や棲息痕を確認すると言うもので、カモシカに会えるかもしれないと言うこともさることながら、普段は入れない道路に車で乗り入れることが出来ると言うのが魅力。
        七倉のゲート 
 これより、一般車両進入不可
 夏場は七倉の登山案内所まで入れる道も、冬季は葛温泉の先のトンネルの前で通行止めになっている。これを越えて更に七倉のゲートから先に入る。通常はそこから先は歩くかタクシーで行くしかない道に入る。5~6年前に野口五郎から湯俣に下って歩いて帰った時以来だ。
 高瀬ダムのロックフィル堰堤
 長さ900mの高瀬隋道入り口 
 歩くと2時間近くかかると言う高瀬ダムの堰堤まで一気に登ると鮮やかな緑の湖水が広がる。白と黒の墨絵の世界の中で、そこだけ色づいていることがむしろ異質な感じがする。
 高瀬ダムの右岸から湯俣山荘に至る道はおよそ9km余り。その最初の取りつきに長さ900m余りの高瀬隋道がある。
        高瀬隋道を行く 
 はるか先に入り口
 歩けばうんざりするそのトンネルを出て次のトンネルの入り口まで行くのが限度で、そこから引き返す。ここまで、サルは無数にいたが、カモシカは足跡さえも見られなかった。
          2つ目の隋道  
 本日ここまで
   

      

野性の鹿,野性を失った鹿

2008-04-02 02:20:45 | 生き物達

 3年前までは鹿に与える餌を売っていたので、鹿達は観光客を見ると近づいてきて餌をねだっていた。客達は擦り寄ってくる鹿達を『可愛い~』と言って餌を与えたり触ったりしていたが、今はそれを止めたようで観光客に鹿が群がる光景は見られなくなった。
 
 宮島の鹿を『可愛い』と思う人は本当の鹿を知らない人達である。鹿に責任はないが、宮島の鹿は決して可愛くないどころか見るからに気持ちが悪い。
 まず体格が悪く体がどこかいびつで毛並みが悪い。そして例外なく皮膚病を持っている。

 これらの写真は苦労してやっと見つけた皮膚病の跡ではなく、どの鹿にもある病痕なのだ。
 愉快腹さんの説明にあるように、ビニールやプラスチックゴミを食べてそれを胃に詰まらせた結果、栄養が摂れなくなって体力の低下を招き、抵抗力が落ちて皮膚病などにかかりやすくなっているのだろう。

 野生を失った鹿は哀れと言うしかない存在だが、一方,宮島には山の奥深く,決して人間からの施しを受けず、野性を保って毅然として暮らしている一群があり、愉快腹さんはかつてその集団に遠巻きに囲まれたことがあると話した。
 彼等は一定の距離を保ってそれ以上は決して人間に近づかず、人間が近寄ろうとすると威嚇の声を発して退かないので恐さを感じたと,何よりも体が大きくて目に力があり、威厳に満ちているので存在それ自体に圧倒されたと言うことである。

 今現在は餌を売ることを止めてしまったようだが、今まで与えていたものを急に止めてしまうと、飢えるしかない鹿達の食圧は島の植物群に及んでいくことは必至で、すでにこれまで食べられることのなかった椿の樹皮が食べられていると言う。 
 翌2006年に愉快腹さんとそれを確かめに行ってきたそれが下の写真。

 人間の都合に振り回されてきた犠牲者とも言える鹿達がどうやったら健全な体と生活を取り戻すことが出来るのか、真剣に考えている人は今のところ極めて少数でしかないようだ。