9:20発。いきなりの急登。周辺にはブナの巨木がいっぱいで、特に大きなこの1本はブナ独特のなよとした腰まわりに深い皺を刻み込み、蒼苔やツルアジサイを絡みつかせてどっしりと立つ。
ブナの倒木に頭が茶色のジャグマアミガサタケに似たキノコを発見。似てはいるが少し違う。足元にズダヤクシュ。
?ダケ
ズダヤクシュ
9:55,相方の調子が上がらず1500m付近で休憩。10:05発,徳本峠に比べると1ヶ月遅れのサンカヨウを見る。
10:15,巨大化したミズバショウのある湿地帯を通過。入り口に門衛のように並び立つ2本のブナの樹肌に醜い刃物による落書きがある。100年,200年と晒される恥を本人はこの世に生きてこの地を踏んだ証しとでも思っているのだろうか・・。
湿地帯付近から道が幾分緩やかになり、1670m付近で5mほど下って小さな雪渓を越え、やせた尾根の登りにかかる。10:45,サラサドウダンの咲く1741mのピーク付近を通過。左手南西方向の樹間に雨飾山,北に金山と思われる雪に覆われた丸い山頂と南西に派生する尾根を見る。
雨飾山方面
金山方面か
右手の眼下には先刻まで歩いて来た林道がつづらに折れて乙見峠のトンネルにつながるのを、また遠景に黒姫山,高妻・乙妻山,戸隠山の山々を見る。
乙見トンネルへ
やや下って左に廻りながら進むと沢音が近づく。沢は道の10mあまり下にあって突き当たりに細い滝があり、道はその滝の上部に廻りこんで沢に入るが、沢はまだいっぱいの雪でそこからはずっと雪渓歩きとなる。
標高1800mを越えてダケカンバ帯へ入った。