山と畑と田圃と人に捧げる食の感謝祭
合鴨,野菜の祭典 終わる!
・・・ 10月25日(土)~26日(日)
~森くら囲炉裏端より転載~
絞める作業は木崎湖畔のYan先生のお宅へ持っていってやってもらった。頚動脈を切るのだが、まだ苦しませずに処置する自信がないので・・。
写真は70度のお湯に1分間通したあとの羽を抜き取る作業。これとて楽しい作業ではないのに、子供達もがんばってくれた。
実は春からここまで、母親と合鴨農法の先生と子ども達には、長くて密度の濃い体験の物語がありました。 (by トモさん)
以下・・・
『 昨日と今日はいつもお世話になっている千年の森の仲間のところで収穫祭でした。山の恵みと一緒に僕の田んぼのお米や鴨が食材として使われました。
昨日、鴨の血抜きをしました。早い話、殺すのです。僕がやります。
今回は仲間たち、とくに子供たちが可愛がってきたかもなのでぼくがやりたかったのです。
殺すときに失敗すると、時間がかかると、かもは苦しみます。
それは避けたかったのでどうしても僕がやりたいと思っていました。
僕の田んぼに特によく来てくれていた小さい友達のひとりは、やっぱりとてもかもをかわいがっていて、カモを殺すのを嫌がりました。つれて帰りたいと言いました。僕ももし出来ればそうでもよいと思いました。そうして欲しいと思いました。
でもやはりその仲良しの鴨を絞めることになりました。鴨を僕が絞めているとき、その彼は泣いてしまいました。僕は鴨を絞めるのは未だに少しつらいです。特に今回はつらかったです。
彼らのかもを殺した僕は、小さい友達のみんなに嫌われたのだろうと思っていました。一日中そのことを考えていました。
田んぼの仕事が忙しかったので、鴨の血抜きが終った後は僕は手を出さず、収穫祭の準備や、毛抜きや解体は仲間のみんながやってくれました。田んぼの仕事の間、僕はずっと、泣いていた彼のことを考えていました。
夜は収穫祭だったのですが行くのが少しつらかったです。
少し遅れていきました。行くと、まず最初に子供たちが僕に声をかけてくれました。少しほっとしました。
かもを殺すのを嫌がっていた子達がとても嬉しそうに食べ物が美味しいといってくれてとても嬉しくなりました。
実はその子たちはこれまで決して鴨を口にしませんでした。
今まで何回か僕のうちで鴨を食べる会に来てくれたのですが、鴨を食べるのはかわいそうだからといって決してかもの肉は食べなかったのです。
でも今日、仲良しだった、一番可愛がっていた鴨が絞められるところを見て、泣いて、半日寝込んで、そのあと、はじめて鴨を食べました。そして、美味しかった、と本当に嬉しそうに僕に話しかけてきてくれました。
僕は彼らに何かが伝わったと感じて嬉しかったです。
そして今日伝わった何かはきっと彼らの子供たちにも伝わるだろうと確信しました。
いろいろ嬉しいことがあった二日間でしたが、そのことが一番嬉しかったのでそのことを書きました。 』
※この記事は『森のくらしの郷(森くら)』のブログ『森くら囲炉裏端』と、記事の中に紹介されている『YAM先生』のブログ 『木崎湖畔の生活』
http://www.doblog.com/weblog/myblog/78163/577#577
から転載したものです。