遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

あまってら少年団・冒険学校Ⅰ~②活動・行事(4)続・多彩な活動を!

2007-01-31 01:06:28 | 山のあしおと小学校
 活動の舞台はあらゆる自然と人々の暮らしの場面に広がっており、子ども達の活動要求に応える指導者組織の柔軟で包容力のある対応能力と、特に登山を中心とする野外スポ-ツの技術(安全確保を含む)に関わる高度な指導能力(より高度で専門的な分野については専門家の援助を受ける場合もある)によって子ども達の活動の可能性は無限に広がるのである
 ただ、このような高度の技能を必要とする、危険因子をより多く内包した登山が、平易で安全度の高い山行に比べて高級であるというような、活動の難度の高さが野外活動そのものの質の高さであるかのような風潮をもたらすことは避けなければならない。
 また、活動がやたらと先鋭化して、初心者や厳しい山行を好まない子ども達が参加しにくくなるというようなことがないように配慮しなければならない。より困難な課題を求めてそれを克服することに喜びを見いだすような登山を奨励しはするが、そのような登山と、和気あいあいとおしゃべりしながら楽しく歩く山との間で、自然の中に自分を置いて行動し楽しむという点において差はなく、どちらをよしとするかは各人の価値観の問題であって、活動そのものの価値の差ではないということを踏まえておかなければならない。
 冒険学校の目的は“冒険家”のひよこをつくることではなく、人と自然のよりよい関わり方を学ぶこと,言い換えれば子ども達を自然大好き人間にすることだからである。

あまってら少年団・冒険学校Ⅰ~②活動・行事(4)多彩な活動を!

2007-01-31 01:02:18 | 山のあしおと小学校
④日帰りの登山やデイキャンプ,またはそれに類した活動は、月1回程度の頻度で行うことが出来るのでこれを少年団の基本的な活動パタ-ンとする。内容も、沢歩きや滝滑り,カヌーやいかだによる川下り,海釣りや磯遊び・海水浴,街道歩き,バ-ドウォッチングや自然観察,スキーや雪中ハイキング,雪洞(かまくら)づくり,クリーンハイクや自然破壊の実態の観察等々、子ども達の要求も取り入れながら、ユニークで多彩な活動を行う。
 またこれに加え、季節に応じて宿泊を伴う山行やキャンプを行う。特に5月の連休には新しい団員を迎えて親密の度合いを一挙に深めるための行事を、夏休みにはやや難度が高くてバリエーションのある大型の行事を、秋には森の恵みを味わい、冬季には雪と寒さを体験する企画を、また、季節に関わらない長距離の街道歩き,仮想日本縦断ウォーキング,歴史,地理,文学探訪ハイキングや真夜の星空ハイキング・天体教室,伝統的な民間行事や遊びと結合したり、村落の食や職,暮らしを体験する行事等々、考え得るかぎりの多彩な活動に取り組む。
 一方で安全確保の知識・技能の徹底をはかりながら、日本アルプス3000m級の山岳の縦走や沢登り・岩登り,積雪期の登山・幕営等、より高く,より険しく,より困難な登山にも取り組み,過酷な自然を体験する中で、それに対処しながら自然の恵みを享受する能力を高める。結果として自然に対する認識を体験的に深める。
 

あまってら少年団・冒険学校Ⅰ~②活動・行事(3)宿泊を伴う行事

2007-01-31 00:45:53 | 山のあしおと小学校
③何回かの山行を経験した後、できるだけ早い段階で宿泊を伴う登山かキャンプを行う。少年団は、子ども達のよりよい集団的発達~真に対等平等で、互いに相手を尊重しつつ共に成長しようとする自治的子ども集団~を実現することをめざすが、はじめから無理に子ども達同士をくっつけて仲よくさせようとしたり、協力や援助を強制することはしない。
 本来子ども達は群れるものであるが、すべての子どもがそうだとは言い切れない。まして、初めて会った子ども達がすぐに仲よくなることを期待するのは楽観的に過ぎるし、子ども達はだれ構わず他人に手を差しのべたり、他人の援助を受けることは下手で、群れるよりもむしろ一人になりたがる傾向の方が強いと考えておいた方がよいかもしれない。
 また、子ども達はそれぞれに課題を抱えており、学校や地域の関わりの中で傷つき、他人との関わりをむしろ避けたがっている場合も考えられる。このような子どもに対して無神経に他の子ども達と交わることを強制することは避けなければならない。
 このように、ことさらに協力や援助を強制することはしないが、協力,共同し、遊んだり交流する場面はできるだけ早く多くつくる。

 日帰りの登山では、極端に言えば一人ひとりバラバラに歩き、一人ひとり黙って弁当を食べ、黙って帰ってくることもできるが、宿泊を伴う登山ではテントや宿泊施設を利用し、また、食事を自分達の手でつくらなくてはならないという差し迫った要請から、お互いに口をきいたり、仕事を手分けして分担したり、共同したりしなくてはならず、また、狭いテントや同じ屋根の下で一緒に食べたり寝たりして生活するため、互いに口を利く機会も多くなる。キャンプの場合それ自体が目的であるから、この傾向はより強くなる。
 宿泊を要する登山やキャンプは、子ども達が自然に協力,共同し、交流する絶好の機会なのである。むろん、この場合も集団になじめない子どもに対する配慮を怠ってはならず、その子どもが自発的に集団を受け入れ、接近し、交わるようになるまで粘り強く慎重に対処しなければならないが、多くの場合子ども達は一緒に泊まって、食べたり遊んだりすることを通して急速にうちとけ、親密の度合いを劇的に深めていくのである。
 できれば5月の連休を利用して1泊以上の行事を組む。2年目からは恒例とする。

あまってら少年団・冒険学校Ⅰ~②活動・行事(2)自然をまるごと知る

2007-01-31 00:23:12 | 山のあしおと小学校
②2回目以降の山行も、基本的にはその山域(コース)自体に魅力があることと、課題や難易度において一定の困難さ,手強さを持ち、子ども達に期待感,ワクワク感を抱かせ、結果的に達成感,充足感を味あわせることができるコースや日程・課題を選ぶ。初めての参加者を迎える場合は、特に天候などの要素を重視する必要があるのは言うまでもない。
 何回かの登山を重ねることにより、また、花と芽吹きの春,若葉・青葉の初夏,生命輝く夏,紅葉と実りの秋,雪と氷の冬・・・と、四季おりおりの変化や、緯度や高度,個々の山や山域によって異なる山のそれぞれの魅力に触れることを通して、自然の大きさ,やさしさ,豊かさ,自然に抱かれる心地好さ,自然の恵みを受け取るよろこび等を体験する。
 当然の事ながら、回を重ねるごとに季節や天候等の条件によって、快適とばかりは言えない登山を経験することになるが、それは自然から突きつけられた課題であり、子ども達は天候等、自然の条件の変化に対応して装備や行動の仕方を学んでいくとともに、自然というものの有り様の多様さ,とりわけその厳しさ,過酷さを体験として受け止めるのである。
 こうして、自然というものをその豊かでやさしい面と過酷で厳しい面の両面をまるごと体験することを通して、生命の素晴らしさ,尊さを知り、生命を愛しむこと,生命を守ることを学ぶのである。