軽トラキャビンづくりは現場主義。予め用意周到に細かな点まで考えたつもりても、実際の場面ではそれはしばしば破綻する。なので、その場その場で無い知恵を絞って目の前の問題を解決しながら手探りで進めて行く。
この日の作業は左側に同じ高さの机をつくり、左右の机の天板の間の空間にもコンパネを入れて机の面を荷台いっぱいに広げること・・。
はじめに中間の通路にあたる部分の幅を右側の机と同じ40cmと決め、左側の机の幅は残りの長さに合わせるつもりで作業を進めていたが、机の幅が決まらないと作業がやりにくいのに、これでは細かい寸法が最後まで分からない。
中間に40cm幅のコンパネを仮置きして何度も行ったり来たりして測っているうちに、通路にもなるその空間がそれでは狭すぎることに気づいた。その瞬間,左の机も右と同じにして、最後に中間の幅を決めればいいんだとひらめく。
なぜ最初からそれに気づかなかったかと言うと、中間のつなぎの幅は蝶番で折り畳めるようにしたかったので、右の机と同じ幅でなければいけないと言う思い込みがあったからだ。
こんな風に紆余曲折を経ながらの作業なので遅々とした進みであるが、閃いて1つクリアーする度に充実感を覚える。そこにアハ体験的な楽しさがある。
3cm増えただけだが、左右の長机の間は歩くには支障のない広さ。コンテナに板を置いて椅子にすると、長机は食卓,事務机になる。
右の机の上に折り畳まれたパネルを開くと左の机の面とつながる。こうして高さ55cmの台上に広々とした部屋が出来、どこでも車を停めた所で寝られるようになったが・・,
実は後ろ側の机の長さが決まっていなかった。それは後部の戸の立て方を先送りして決めていなかったからだ。散々考えた末に、キャビン後部の柱と机の後ろ端との間隔を2cmと決めて電ノコで切り落とす。
一方コンパネは横遣いにして、長さを後面の幅に合わせ125cmとした。これを内側から2cmの隙間にストンと落とすことが出来れば後ろの戸になり、また机が後ろに飛んで行かないためのストッパーになるのだが・・。
果たして90cm×125cmの大きな板を、後ろの柱と机の間の2cmの隙間に落とし込むことができるのか・・!?
できたのである。こうもうまく行くものかと、まるで魔法を見る思いがした。
ストッパーの戸板は、下から天井ギリギリの高さまで持ち上げるとパタンと前に倒れてくれるし、立てる時はその逆でスムースに落ちる。これで床から90cmまでの荷物は、走行中に落ちる心配がなくなった。
後ろの戸に関しては、ルームミラーの視野確保のためのくり抜き,持ち上げる時に手を入れる隙間のくり抜き、立てる時に掴む把手の散りつけのみとなる。
1つだけ失敗があった。左右の机の柱の間の幅は36cm。一方コンテナの幅は37cm・・。しまったと思ったが時すでに遅し・・。仕方ない,柱を左右1cmづつ抉るしかあるまい・・。
明日は手つかずになっている屋根の後ろ部分を貼り、シートをかける。まだまだやることはいっぱいあるが、今回の作業は取り敢えずはこれで終りとし、月曜日から広島・山口に向かう予定。
やり方は色々あるだろうが、『細工は流流,仕上げを見やがれ』ってもんだ!