宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生
ただ、歯科医師の立場から言いますと、これが結構時間のかかる前準備になります。例えば、歯を1本抜いて、そしてブリッジで修復するケースをお話ししましょう。診査・診断の結果、その歯を抜いて、その両側の歯を支台として、つまり3本が続いたブリッジで修復するという治療計画が立てられ、その方法・治療費・治療期間などについて説明を行います。そして、患者さんの了解が得られ、いよいよ治療ということになりました。
まず第一歩は抜歯ということになります。抜歯をしますと、もちろん抜歯をした歯の状態にもよりますが、傷跡が癒えるまで2~3か月はかかります。かつては他にするべき治療がなければ、その間は休みましょうということであったのです。つまり、それぞれが並んでいた歯は、抜けた個所で2つに大きく分断され、そして抜けた歯の反対の歯はまったく噛めない状態がしばらく続くということでした。そして、目に見えるような状態ではないとはいえ、それぞれの歯がバランスを崩して移動するという事態を、私たちも黙認せざるを得なかったのです。