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山田歯科エクセレンスクリニック:山田忠生の歯医者人生&文化活動人生

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■ゆめ機構・代表 

腕だけでは、どうにもならないのが歯医者ー(19)

2011-03-18 | デンタル・トーク
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生


チラッではない期間とは

話は、10年前の件にもどる。といって、まったく別の話題のことだというのではない。私が日ごろから拝見している患者さんについて言えば、治療終了後の半年など、一瞬の期間である。自分が治療をした患者さんの半年後の結果など、結果ではなく最初の途中経過だ。

それをもって、このような成果があったなどと言えるようなものではない。いくらなんでも半年という期間は短かすぎる。私の臨床経験から言えば、自分の行った治療の結果の是非を判断するには、少なくとも3~5年を要すると考えている。そこまで、問題なく経過していれば、臨床的にはうまくいっていると言えるのではないかと思う。



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腕だけでは、どうにもならないのが歯医者ー(18)

2011-02-28 | デンタル・トーク
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生


眉つば鑑定団を自覚する

これは日本の歯科大学の話ではないという断りを、まず述べておく。日本では、「眉につばをつける」という表現を、だまされないように用心する、というときにい使うが、アメリカではどうなのかは知らない。

アメリカの優れた開業歯科医師が、私の先輩に語ったことの受け売りだが、アメリカでは大学の先生の研究には、しっかりと「眉につばをつけてチェックする」ということだそうだ。

「だから、ドクター。君も大学の研究結果を鵜呑みにはしないで、十分に注意したまえ。」と忠告されたそうだ。特に経年的な臨床経過を追い続けて、安心して患者に薦められる修復歯科治療などは、論文の結論に至る過程をしっかりと鑑定しながら、取り入れるべきかどうかを判断しなければならない。





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腕だけでは、どうにもならないのが歯医者ー(17)

2011-02-14 | デンタル・トーク
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生


大学の研究も、チラッなのか?

これはほんの一例で、とても極端なことだと考えるが、どうだろうか…。ある歯科医師対象の研修会での出来事だ。講師の先生が、かつて大学の研究室で実施された研究結果の論文を紹介されたときのことである。

某国立大学歯学部の有名な教授の名前で発表された論文だった。その先生は教授の許で研究されていたそうだ。内容は省略するが、とにかくしっかりと成果のある論文であると私たちに話された。

しかし、私はその結果を導くための患者の追跡調査の期間を知って驚いた。たった、半年間であった。ある装置を患者に装着させ、わずか半年間だけの追跡調査で結論をだすとは、あまりにも追跡調査の期間が、短すぎるのではないかと思った。大学の研究と、その調査結果を結論づける内容が、この程度であることに驚くとともに、そのことに何の疑問も抱かずに発表されている先生の言動から、これが一般的なことなのではないかと、愕然としたことを覚えている。



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腕だけでは、どうにもならないのが歯医者ー(16)

2011-01-31 | デンタル・トーク
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生


チラッと診せていただき、通り過ぎて行かれる人

痛いときにのみ来院されて、痛みから解放されれば来院されない人、ときにはこの人とは二度とお会いしないだろうなと確信するときもある。
こんな方からは、「せめて、10年は持たせてください。」などという要請はまずは無い。「痛みとともにやって来て、痛みが止まれば去っていく。」という失礼な言い方かもしれないが、月光仮面のおじさんのようだ、(これはこれで月光仮面に失礼か?)

かつて勤めていたときに、おじさんではなく、そのような受診スタイルの若い成人女性を数多く拝見したことがあった。チラッと拝見したときに、その無残なお口の状態にショックを受けたことが何度かあったが、暗いライトの下ではそこまでは見えず、夜のお仕事には差し支えないのだろうと推察した。

そのような放置をされたままでの10年後は、今よりはひどくなっている10年後として予測することは可能かもしれないが、歯科医師が責任をもって手を下したお口の10年後となれば、これは中々に予測はむずかしい。




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腕だけでは、どうにもならないのが歯医者ー(15)

2011-01-19 | デンタル・トーク
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生

10年先は見通せないかもしれないが

現状を正確に知るために、歯医者は診査・診断を実施する。当たり前のことだ。どこかで読んだ話だから本当かどうかは定かではない。将棋のプロと言われる実力者には、何かの機会に「詰将棋」の詰め方について教示を求められることがあるそうだ。

そのときには、その譜面をチラッと見て、決して手にとってじっくりと見るようなことはしないそうだ。しかし、一瞬見たときに、その配置を覚えてしまうとか。そして、話題を別のことにしながら、頭の中では猛烈なスピードでそれを詰めていくそうだ。回答ができたところで、さきほどの譜面を見せてもらい、さも始めてみるような態度で、しかもすらすらと解いていく。

譜面を渡した人は、そのときが始めてと理解(誤解)して、さすがはプロだ、見た途端に解いていかれた、ということになるとか。

私たち歯医者は、チラッと診ただけでは、残念ながら10年先はわからない。



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