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性犯罪等と女性の尊厳

2019-12-20 15:21:20 | 女性の尊厳・性犯罪等

以下文は内外のメディア等の記事を参考等(一部コピー箇所有り。)していますが、素人個人の思いを記したものです。当プログの「女性の尊厳・性犯罪等」には13の記事をupしています。

 

少し古いデータですが、内閣府男女共同参画局の「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、2015年に強姦(レイプ)された人のうち、警察に相談したのはわずか4.3%、誰にも相談していない人が67.5%もいます。注意する必要があるのは性犯罪の発生件数は、あくまでも報告された件数で潜在的な被害者がどのくらい存在するかは、それぞれ事情が異なります。数値そのものを素直に受け取れないと思います。日本では女性が性的暴行を受けたことを恥と考え、近親者にも容易に相談できないというケースが相当あると言われています。

加害者が近親者、会社の上司、身近な人等々であれば・・・強姦と言えば突然知らない暴漢に襲われるイメージがありますが顔見知りの犯行が極めて多く、関係性を利用して迫ってくるようで逆にそうやって狭い関係の中だからこそ被害を言えない、被害者が言わないため事件化されていないとも言われています。警察庁の統計によると強姦被害者の過半数は加害者と面識ありで、その内半数は知人、友人と言われています。日本社会のネガティブな慣習、しがらみ等々が被害者でありながら被害女性に沈黙を強いているのは間違いないと思います。本当に理不尽なことです。

このような日本社会で、ジャーナリスト伊藤詩織さんは実名と顔を隠さずに自身の性的暴行被害を世に訴えたことは極めて少ない、勇気ある珍しいケースと言われています。対し、当時のメディア等は伊藤詩織さんを面白、可笑しく歪曲・報道等々したように思います。

今までの刑法があまりにも時代遅れで、男性優位社会の表れだったという声もあったようですが問題はいくら法整備を行っても、これらの官側等の被害者への対応、法の運用がお粗末だったら旧態以前と同じでしょう。

 

2016年5月29日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが元・TBS記者山口敬之さんから性行為を強要、損害賠償を求めた民事裁判で東京地裁が2019年12月18日、山口さんに330万円の支払い判決を言い渡しました。裁判結果は、海外メディアは速報等で伝えています。伊藤詩織さんの勇気ある姿勢が日本のみならず海外でも大きく扱われ、先進国でありながら性犯罪対応は稀に見る後進国、この事件も氷山の一角と思います。今回の判決が表に出ない日本社会に一石を投じたことは間違いないと思います。

伊藤詩織さん事件は、2012年・ミスインターナショナル・吉松育美さん事件(性的等関係の要求等々)を思いだします。伊藤詩織さんの最終的な道のりは遠いかも知れませんが、孫氏の兵法の勝利する戦いが必要だと思います。吉松育美さん事件も伊藤詩織さん同様、世界に発信され表に出ない日本社会の一部を世界に示しました。日本のメディアは極一部を除き、沈黙して国内には報道しませんでしたが、世界の良識ある多くの人達はこの事実を知っています。2人の事件等は現在もデータ・ベース等として保存等され世界中で何時でも見ることが出来るようです。

私達が考えなければならないのは伊藤さん事件が何故、世界主要国で主要メディアに大きく速報・報道等されたかです。強姦は魂の殺人とも呼ばれ、被害を受けた人のトラウマとなってその後の人生、生活に計り知れない多大な影響を及ぼすとも言われています。日本は先進国ですが他先進国等に比べ、性犯罪に対する認識が極めて甘いように思います。

 

海外の報道
AFP通信

日本人ジャーナリストが注目の#MeToo「私も・を意味する英語にハッシュタグ(#で言葉やスペースの無いフレーズの前にハッシュ記号、#を付ける形のラベル)を付したSNS用語で、セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白・共有する際にソーシャル・ネットワーキング・サービスで使用されています。」で“裁判で勝訴”という見出しで大きく速報されています。

*BBC

伊藤さんは、性的被害を発言しにくい国で#MeToo運動のシンボルになっていると伝えています。

伊藤さん事件は、証拠不十分で事件化されなかったことを指摘、強制性交を取り巻く環境についても触れています。

2017年現在、日本では強制性交の被害のわずか4%しか警察への被害届がでない点をあげ、伊藤さんが警察へ相談した際には人形を使ってレイプの現場を再現させられセカンドレイプ(性犯罪、性暴力の被害者が、診察する産婦人科医や事情聴取をする警察官から、被害者にも責任があるという趣旨の発言を受けたり、好奇の目で見られたりすることで、更なる心理的・社会的ダメージを受けること。)のような扱いを受けたことに触れています。
BBC・TWO(英国放送協会のテレビチャンネル、1964年4月20日開局で全世界に放送を行っています。日本におけるNHK Eテレに相当します。)は過去、伊藤さんを数ヶ月間密着取材、性的暴行をめぐる日本の刑事法制の問題点を取り上げたドキュメンタリー番組日本の秘められた恥(Japan’s Secret Shame)を2018年月放映しています。

*ロイター

日本のジャーナリストが強制性交を訴えた注目の裁判に勝訴と速報しています。

*ワシントンポスト

日本では女性が声を上げにくい環境であるものの、伊藤さんの活動は日本の#MeToo運動を加速させ全国に性暴力や性差別の撲滅を訴えるフラワーデモのうねりを巻き起こしたと伝えています。男性が管理職に多く、男性支配が強く古典的な日本のメディアは伊藤さんが刑事では不起訴になったことから、彼女の訴えを積極的に擁護することはなかったと指摘しています。

*中国
検索最大手、百度(バイドゥ)では伊藤詩織勝訴が検索ワードランキングのトップ10入りしています。現地メディアが日本の報道を引用する形で伝えています。
共産党系メディアの環球時報(デジタル版)は伊藤さんについて、日本で初めて名前や身分を明かした上で性被害を訴えた女性と紹介しています。

ニュースサイト・澎湃新聞(中国)

日本司法システムのブラックボックスを打ち破ったと題して記事を掲載、伊藤さんについて民事訴訟は時間を要し、また辛いものだったが、伊藤さんは訴訟を進めつつ女性の権益のために活動を続けてきたと評しています。
中国では手記・Black Box(ブラックボックス)の中国語版、黒箱が刊行(初版3万部)されています。

*ハンギョレ新聞、東亜日報

日本の#MeToo運動のシンボルが勝訴と伊藤詩織さんを見出しでそれぞれ取り上げ詳報しています。

 

2017年、リアルに性暴力を描いた日本映画があります、その映画は「月光」です。被害者・主人公カオリが強姦に苦しみを一人で抱え込んでしまったわけは・・・小澤雅人監督作です。

当時、NHK総合・おはよう日本でも特集を組まれるなど全国的に大きな反響を呼びました。2017年6月11日に封切りされています。被害者支援団体も自主上映会を開くなど、性暴力の当事者たちの間でも話題になった映画です。ポーランドで2017年10月に開かれた、第32回ワルシャワ国際映画祭では1000以上の応募作の中から選出され、国際コンペティション部門で監督招待・上映されています。

ユーチューブで佐藤乃莉&小澤雅人監督・「月光」 独占インタビューがあり、自分なりに考える一助となると思います。

日本は世界から見たら素晴らしい国です。この日本の中で男女平等同権とは言え、性犯罪に関しては日本社会特有の環境等々で日本女性は極めて弱い立場にあると思います。世界の性犯罪率から見たら日本はいい方だと言われる方が居られるかも知れませんが、問題本質のすり替えに過ぎないでしょう。

Nothing can stop the man with the right mental attitude from achieving his goal; nothing on earth can help the man with the wrong mental attitude.(正しい心の姿勢を持っている人が、目標を達成するのを阻むものは何もない。間違った心の姿勢を持っている人を、助けられるものなど存在しない・・・トーマス・ジェファーソン)

勇気ある伊藤詩織さんの行動が、より良き日本社会の未来の一助になることを願っています。

 

 

 

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