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極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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江戸時代の一般庶民の心得、道徳等

2015-10-29 13:32:58 | 日本文化等

江戸時代、当時の文献等を読むと、日本を訪れた外国人が一般庶民の心得、道徳心等の高さに驚愕します。

江戸参府随行記
地球上の民族のなかで、日本人は第一級の民族に値し、ヨーロッパ人に比肩するものである。その国民性の随所にみられる堅実さ、国民のたゆまざる熱意、そして百を超すその他の事柄に関し、我々は驚嘆せざるを得ない。政府は独裁的でもなく、また情実( 個人的な利害・感情がからんで公平な取扱いが できない関係や状態)に傾かないこと・・・日本人の親切なこと、善良なる気質について私は色々な例について驚きをもって見ることがしばしばあった。国民は大変に寛容でしかも善良である・・・P・ツュンベリー(スウェーデン人、医師・植物学者、ケンペル、シーボルトと並んで出島の三学者と謳われた。1775年来日)

何処から日本人は心得、道徳心等を学んでいるのだろうかと思っていたようです。
江戸時代は一般庶民に対しても朱子学(道学、理学、宋学、性 理学、程朱学、新儒学などとも言う。中国、南宋の朱子、あるいは朱子に代表される人々の学説)が広まり、学び・・・特に五倫を学ぶことにより、高い心得、道徳心等を持っていたようです。
徳川家康は庶民等に対して、心得、道徳教育等とでも言える朱子学を奨励していました。特に朱子学の中の「五倫」という教えがあります。

五輪とは・・・「君臣の義」、「父子の親」、「夫婦の別」、「長幼の序」、「朋友の信」の五つだそうです。

当時の江戸時代は、寺子屋等を通じ五倫が広まったように思います。幕末には全国で1万5千から2万ほどの寺子屋があったと言われ、寺子屋のない村はないとまで言われたようです。
当時の寺子屋は、現代のような教員免許はなく、教える場所も自由、誰でも自由に開くことができたと言われ、師匠の裁量が大きな部分を占めたようですし、幕府とか藩の援助もなく、介入もしなかったと言われています。師匠は報酬よりも教えることに喜びを感じ、受講料は個人の経済状態等で収めていたとされ、家計に無理な負担が無かったと言われています。多くの庶民も経済的に無理なく学んだようで、これにより多くの人が五倫等を学ぶことができ、江戸時代の心得、道徳規範等が出来ていたように思います・・・

五倫とは・・・・・・・「君臣有義」、「父子有親」、「夫婦別有」、「長幼有序」、「朋友有信」と言う人間関係

*君臣有義
君主は臣を礼を以て使い、臣は君主に忠を以てお仕えします。臣は君主に小さな過りあれば、過りを指して明かにすべき、忠誠心からの良い行いなくしてはいけません。君主は間違いの臣あれば、当然誡めるべきで、臣は道に背き君主を恨んではいけません。君主は敬い、臣は忠すれば、自然と君臣は義が整います。

*父子有親
父は子供に教えるには仁徳が必要、子供は父母に仕えるには孝行の心が必要、父母は子供に教え諭し、事の大小を偏ってはいけません。子供は親に仕えるに当たり、父母を分けて考えてはいけません。人の父となりては慈に止まり,人の子となっては孝に止まる。そうすれば、自然に父子に親しさが生まれます。

*夫婦別有
夫は妻を朋友(朋は同門の友、友は同志の友)のように待遇(もてなし)し、妻は夫に貴賓(身分の高い客)のように仕えるべき、家に大小の課題あれば、夫婦相談、夫婦が子を産み育てるには、礼を以て教訓とします。子供が成長し成人になれば、祖先を祀り拝ませます。夫は身を修め、妻子はその命令に従うことが大切、自然と夫婦は別の役割にならないといけません。

*長幼有序
兄は弟を愛し、弟は兄を敬わなければいけません。住まいは一家団らん、和気があり、外では近所の人々と睦まじく、物事の処理には、礼と謙譲を最重要におく必要があります。世の中皆兄弟、兄が寛大で、弟が忍べば、自然に長幼に序があるようになる。また年長者が寛大で、年少者が堪え忍べば、自然にうまくいくようになります。

*朋友有信
朋友(朋は同門の友、友は同志の友)と交わるには、言葉に信用がないといけません。もし過ちや錯誤があれば、努めてこれを改め、もし善事であれば援助してこれを完成させないといけません。時として衣食共用し、生死でも離れず、富貴貧賤を論ぜず、徳を以て往来することが大切、自然に友達関係はうまくいきます。

江戸時代の心得、道徳心等の高さは、5倫によるところが大きいと思います。何時の時代も心得、道徳心等なくして国の発展、民の幸せは無いように感じます。

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