以下文は、2001年当時の松下政経塾、出入国管理及び難民認定法等々の資料を一部参考にしています。
日本は独立国、法治国家であり当然、私達は法を遵守する義務があり、破れば相応のペナルティを受けます。昨今、何かと話題になっている不法入国問題・・・日本の入国管理等に関してはどんな法律があるでしょうか?
*出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)、第3条第1項
有効な旅券を所持しない者(有効な乗員手帳を所持する乗員を除く。)は、本邦に入つてはならない。
*同法、第5条第11項
日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入している者は本邦に上陸できない。
*同法、第5条第14項
前各号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者は本邦に上陸できない。
*同法、第70条第1項
第三条の規定に違反して本邦に入つた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
マレーシアで殺害されたと言われる金正男(キム・ジョンナム、45才、北朝鮮外交旅券保有者)氏は、過去、本人、一家は3回、日本に不法入国した事実が間違いなくあるとされており、その度に警察庁、公安等はこれを厳重な監視体制の下に置いて尾行を続けてきていたとされています。日本は法治国家なのに何故、拘束しなかったのか到底私達には理解できません。当然、呼称は金正夫容疑者となります。
金正夫容疑者は、2001年5月1日にシンガポールから成田空港に到着、ドミニカ共和国の偽造パスポートを使用し、中国名の胖熊という偽名で入国しようとしたところを東京入国管理局に身柄を拘束されました。4、5歳ぐらいの男児と女性2人と一緒だったと言われています。日本に不法入国する1カ月位に、法務省等々から入国する可能性があるとの情報が、米韓等情報機関から寄せられていたと言われています。
不法入国した金正夫容疑者に当時の警察庁は、入管側に不法入国で警察に刑事告発するよう求めましたが、政府等の意向で告発は見送られ、超法規的な超VIP待遇での強制送還となっています。
当時の外務大臣は正義感が強い田中真紀子氏ですが、政府等対応に相当違和感を感じていたようです。その当時、金正夫容疑者は既に3回日本に不法入国している常習犯でした。
国外追放の理由
法務省は、この金容疑者が金正男氏であるかどうか確認できなかったと発表しているようですが、収容先の牛久法務総合庁舎から成田空港までの移送時の厳重な警備体制、政府が敢えて本人かどうかの明言を避けたこと等からも本人であることが断定されていると言われています。
韓国の中央日報は当時の2001年5月5日の朝刊で彼が金正男であると断定して報道しています。当時、不法入国者は慣例では経由地(シンガポール)に送られるのに中国へ追放、北京に到着した時に中国当局と北朝鮮大使館が動いた点を考慮し金正男であると断定しています。
当時の政府は外務省、法務省等が協議を行なった結果これら4人について刑事告発することはせず、事件が公になった翌日の金正夫容疑者の強制送還は超VIP待遇でした。
北京便はANAの767が就航していましたが、超VIP待遇にするため予備機の747に機種変更し、2階席を貸しきり状態にしています。これらの日本側の策は、全て超法規的処置でした・・・本件が政治問題化するのを避けたと言われています。
日本のマスコミは、これほど明白、断定できる事実があるにも関わらず、今も金正夫容疑者に氏をつけての報道、何故、氏をつけるのか大きな疑問が残ります。
マレーシアで善良な一市民が、殺害されたかのような日本のマスコミの報道ぶりに違和感を感じます。常識で考えて、北朝鮮外交旅券を持つ金正夫容疑者が北朝鮮に殺害されることは有り得ないでしょう。外交旅券を保有させると言うことは北朝鮮の信頼の証でもあると思います。専門家でない素人の私には、殺害には大きな疑問が付きまといます。
日本への3回に及ぶ不法入国の常習者・・・正義の金正夫容疑者VS悪北朝鮮の報道のようにも思えます。やはり北朝鮮と国交を結んでほしくない、北朝鮮は殺人国家であってほしい、国を上げて殺人を容認、実践してる、北朝鮮には近ずかないほうがいい・・・
日本のマスコミは、今も異常なくらい連日、長時間、北朝鮮&金正夫容疑者の報道をしています。何時までも対立を好くする人達がいるかも知れません。トランプ大統領は選挙期間中、直接北朝鮮に行ってトップと話し合ってもいいと何回も発言していました。本当に北朝鮮に行って話し合いをされ、多くの問題が解決でもされたら困る人達がいるかも知れません。
昼間、空港で堂々と殺害・・・如何なる理由があろうとも殺害は絶対に許される行為ではありません。日本のマスコミ報道を鵜呑みしないことが、正確な事実を知る第一歩と思います。
今も連日の北朝鮮、金正夫容疑者の報道を見ると、日本のマスコミの人達は、「一体何者」なのかと思っている人がいるかも知れません。