ピリンチョ追悼 自作自演傑作集
東電の国有化問題が表面化してきた。電力料金の値上げの前になすべきことがあるのではないかというのが大勢の意見である。コストをベースに電気料金が決められているが、そもそも、コストの計算が妥当であるかに疑問があり、多分、東電や経産省が妥当と考えるものは、一般国民の見かたと大きく乖離しているようだ。
民営化前の3公社5現業は、民間企業とは意識に大きな差があり、東電には、抜本的な意識改革が必要である。
一方、オリンパスについては、責任調査委員会が、監査法人に責任はないとしたという。
果たしてそうだろうか。責任調査委員会のメンバーは、監査法人の役割を充分に理解しているのか疑問に思う。
日本の社会は、どうも、「責任」と云うことに甘いような気がする。
政治家は、秘書の責任で、自分には責任がないと云う。
企業においても、権限が明確でないので、責任が曖昧になる事が良くある。特に、日本の社会では、共同責任で、どこに責任があるかを明確にしない方が好まれる。
私は、在職中に、職務で、過去の「設備投資」案件の評価を実施したことがある。
多額の設備投資をしながら、事業の業績が向上しないので、今後の設備投資決定のあり方を改善するためであった。
設備投資の評価は、数年間の間に、いろいろな情勢変化が絡んでくるので難しく、一つの試算ではあるが、一応の評価をまとめることができた。
この評価資料をどのような形で常務会に提出するかで議論になったが、最終的には、担当専務の判断でボツになった。
この資料を提出すると、この投資で出世して役員になっている者を傷つけ、混乱を起こすというのが理由であった。
株主総会の決算報告でも、多額の「構造改善費用」なるものが、毎年計上されている企業があるが、それによって、企業業績がどのように改善したかは明確でない。多分、充分に把握されていないのが実情だろう。
東証は、オリンパスの上場維持を決定したとのことであるが、何年にもわたる虚偽の有価証券報告書に振り回された投資家はたまったものではない。
むしろ、一度上場廃止にして、再上場を目指させるけじめが必要と思うのだが。
今日のレコードは、タンゴ界の大御所、フランシスコ・カナロの「キンテート・ピリンチョ」による自作自演集で、タンゴ・ファンにはたまらないアルバムである。