江戸時代の後期、花務職という寺の活花専門の少年僧が故あって父母と別れ、機会あるごとにその心を表すお花を生けながら人間として成長して行く。葉室麟特有の静かで美しい、しかしミステリアスな雰囲気もあり、しみじみと心満たされた読み物だった。多くの歴史書や和歌、お能、果ては植物図鑑の古書などからも活花の心を引き出しフィクションとノン・フィクションが入り乱れ面白い。著者の知識の広さに感心します。現代の池坊などの流派はこうした寺の花務職から流れてきているそう。”蜩の記”もそうだったが著者独特の穏やかに流れるストーリーの底に、心の中に強い信念を秘めた主人公がいてそれがとても魅惑的です。終結は如何に人として生きるかが示されいつも感動を覚える。
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