韮山の願成就院に運慶作の仏様が何体かあり、国の文化財であることは娘たちが韮山の学校に通っていた二十数年前から知っていた。しかし子育てに忙しく、ましてや仏像に関心を持つほど心に余裕がなく罰当たりでした。二月下旬この五体の仏像が運慶作であることが確認され国宝に認定された。真ん中が御本尊阿弥陀如来、右が毘沙門天、左は不動明王が二人の童子を従えています。鎌倉幕府の初代執権北条時政のために作られたもので運慶の壮年期35歳頃の真作だそうです。その体躯は逞しく力強く、阿弥陀様の慈愛に満ちた安らかなお顔、そして民を皆救うという御心から手には水掻きがあると言う。願成就院は寺伝によると天平元年(729)5月に創建されたと伝えられている。その後何回もの兵火に合い、辛うじて仏様だけは守り通せたそうです。境内と裏山の一帯は毛越寺や京都の浄瑠璃寺と同じ藤原時代特有の寺院様式で貴重な遺構として国の史蹟にも指定されている。私はこの田舎にン十年住んでいるのに…こんな近くにと今驚いています。