奇縁まんだら・続

かつて瀬戸内寂聴の「奇縁まんだら」を読んでとても面白かった。先日「奇縁まんだら・続」が出たので飛び付いた。正編は彼女が好奇心旺盛な女子大時代に出会った島崎藤村や、作家になろうと決めた駆け出し時代、ファンレターを出した事から始まった三島由紀夫との交流など、若い瀬戸内晴美の眼からの眺めはキラキラ輝いていて読む方もドキドキ、錚々たる文豪との出会いは刺激的で実に面白かった。
しかし続編は彼女が女流文学賞や谷崎潤一郎賞を得て、流行作家として飛ぶ鳥落とす勢いの中での出会い、新鮮さがないからこちらに伝わるものもトーンダウン。
正編では感じなかった横尾忠則の絵が続編ではアンディ・ウォーフォル張りでいいなあと言う事に気付いた。