静岡県内の在来作物を楽しむグループ、
「在来の味を愉しむ会」に参加させていただいて
丸一年が経とうとしています。
ありがたいことに、会議にも呼んでいただけるようになり、
コアメンバーの方とお話もさせていただきました。
現在、県内の在来作物の数は72品目220種。
映画「よみがえりのレシピ」の上映と連動させた
飲食店のイベントもあり、
若い世代も在来作物に興味を持つようになった
と言われています。
しかし、いつも考えてしまうのは
在来作物をどうしたいのか・・・ということ。
流通に乗らなかったから、
その地に在来作物として残っているのです。
産地を形成し、市場へ出荷しようとしたら
まったく逆の流れを作ってしまうことになります。
実際、20年ほど前、水窪の在来のじゃがいも「水窪じゃがた」を
JA出荷しようとしたら、うまくいかなかったとか。
その理由は
・品質を調えるのが難しかった。
・他品種のじゃがいもとの違いを鮮明に出せなかった。
在来作物は、気難しいと言いますか、
同じ品種を同じ地域で作っても、
味や性質が異なってしまうのです。
写真は、県内の在来のじゃがいも
左3つは、井川のおらんど(ただし作られた場所は違います)
右手前から、梅ヶ島地いも、井川赤いも、水窪じゃがた
また、収量が少ないのも在来作物の特徴。
県内各地には、在来のニラが多種ありますが、
飲食店でニラレバ炒めにして出せるほど
大量には収穫できません。
(たしかに、昨年レストランで出された在来のニラも
トッピングとかソースの一部として使われていました。)
そう考えてみると
やはり在来作物は、その土地で食べないと
本当の味はわからない。
そして、その時は、そこで暮らす人々に対し
敬意と感謝の気持ちを忘れてはならない
ということも大切なことだと思います。