先日、森の市で見つけたコシアブラは、このようなものでした。
ほとんど葉っぱの状態。
と言っても、これが「コシアブラ」として売られているのだから、
これを料理して食べるしか方法がなかった。
ところが、東北地方に住む方々に
「コシアブラの葉っぱも食べるんですか?」と驚かれ、
改めて過去に食べたコシアブラを思い返してみると、形状が異なる。
もっと若い芽の状態(タラの芽のような)のものだった。
そこから、何でも追求しないと気が済まない私は、
ネットでコシアブラについて調べ始めた。
コシアブラの生育温度に何か関係があるのではないかと考えた。
しかし、悲しいほど正確な情報がつかめなかった。
ここからは、電話とメールで集めた情報をまとめてみます。
興味のある方だけ、お付き合いください。m(__)m
■コシアブラは全国で採れる?
次に、ご近所でコシアブラを食べたことがある人たちに聴いて回った。
そこで集まった情報をまとめてみると
●森町では、ごく限られた山にしか自生していない。
●富士山を登って行き、標高が高くなるとコシアブラが自生している。
●竜頭山(天竜区佐久間町と春野町の境にあり、標高1352m)の頂上にたくさん自生している。
●愛知県豊田市の標高800mの高冷地に自生している。
つまり、標高が高く、気温の低い場所に自生していることがわかる。
「コシアブラは、北海道から九州で自生しているので、ほぼ全国で採ることが可能」
と書かれたものが多いが、
全国の高冷地でなら採取可能ということらしい。
しかし全国の高冷地で採取可能と言っても、産地はある。
■コシアブラの産地は?
【画像お借りしました】
コシアブラ生産量の日本一は長野県。
2位の新潟県、3位の山形県の3県合わせて、国内生産量の約73%を生産していることになる。
やはり、寒さの厳しい地域での生産量が多いことがわかる。
とは言っても、長野、新潟、山形のどこでも採れると言うわけではなく、
地域は限られていると思われる。
こうやって、GW中「コシアブラ、コシアブラ」と騒いでいたら、
ご近所さんがコシアブラを届けてくれた。
これは春野町のかなり標高の高い所で採れたものらしい。
そうそう、この形状のコシアブラに出会いたかった!!
それでは、コシアブラの生育適温はいったいどのくらいになるんだろう。
静岡周辺のコシアブラ産地、そして全国シェアの73%を占める長野、新潟、山形。
これらの地域から、コシアブラの生育適温がわかるのではないかと思ったのだが、
いくら調べても生育適温を明記したものは見つからなかった。
■なぜコシアブラは不明な点が多いのか?
コシアブラは、沖縄を除く日本全土の、スギ等の人工的な植林が行われていない原生林に自生している樹木。
木材としての利用の他に、若芽を食用として採取されてきた。
同じ山菜でも、タラノメは普及が進んでおり、スーパーなどで手に入りやすくなったが、
コシアブラは現在流通にのっているもののほとんどが
自生地の若芽を採取して出荷されたものばかりで、
専門的に体系化された栽培技術というものはほとんどない。
また研究もあまり進んでいないのが現状である。
【画像お借りしました 山形県庄内地方に自生するコシアブラ】
つまり、コシアブラは野菜や果樹のように栽培品種が生まれている訳ではなく、
自生しているものを採取している状態。
これから、研究が進み、栽培技術が確立し普及していけば、
コシアブラも、そしてコシアブラに関する情報も手に入りやすくなるのかもしれない。
GW中に購入したコシアブラがきっかけとなって、
この連休中は、毎日毎日コシアブラについて調べていました。
一番良かったことは、コシアブラの情報が少ない理由がはっきりしたことです。
これは、コシアブラが数少ない日本原産の植物であることの証しでもあると思います。
野菜オタクに、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。<(_ _)>