先日、あるセミナーに参加させていただいた時、
講師の方が、イギリスの学校給食の様子を
紹介してくださいました。
質疑応答の時間に
「イギリスの学校給食では、食物アレルギーへの対応は
どうなっていますか?」
という質問が出ました。
講師の方のお答えは、
「イギリスは、日本に比べると
食物アレルギーの患者数がかなり少ないのです。
だから、学校給食でもアレルギーへの対応はしていません。
むしろ、ベジタリアンへの対応に気を使っています。
それは、スーパーマーケットでも同じです。」
そうなんだぁ・・・。
イギリスは、そんなに食物アレルギーが少ないんだ。
アレルギー患者数に、そんなに差があるなんて、
日本とイギリスはどこが違うんだろう?
しかし、調べても調べても
イギリスの食物アレルギーの患者数が少ないなどという
データは出てきません。
それどころか、
●EUのアレルギー対応はかなり進んでおり、
アレルギー誘発物質の表示は、
どんなに小さな容器に入ったものでも、
必ず義務付けられている。
●日本では、学校給食において
食物アレルギー対応を行っているところも増えてきているが、
EU各国に比べるとかなり遅れているようである。
との記述も見つけました。
さらに、イギリスで暮らす日本人の方が
食物アレルギーについて書いていらっしゃいましたが、
●イギリスでは、食物アレルギーが多過ぎる上に、
検査代が高いので(ひとつの食材を検査するのに、日本円で15,000円程度)
いちいち血液検査は行わない。
●食べてみてアレルギー症状が出たら、その食べ物は避ける。
●外食の時は、必ず原材料を問い合わせる。
●重篤な症状が出た場合は、エピペンを使用する。
つまり、決して日本よりも食物アレルギーが少ないなどということはなく、
自己防衛が基本、
そして、うっかり食べてしまったら、薬を使う。
というのがイギリスのアレルギーへの対応・・・でしょうか?
ただ、日本はイギリスよりも食べ物が複雑だと思います。
かなりの食品に、小麦、大豆、魚系のだし、卵が使われているので、
表示をわかりやすくし、
学校ではアレルギー対応をきちんとしないと、
自己防衛は、なかなか難しいのではないでしょうか?