旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

17年の長きに渡り、ネット上で連載された
旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』のアーカイブサイトです!

「春三月・さんしんの日がやってくる」

2013-02-10 01:57:00 | ノンジャンル
「沖縄の春は、三線の音が連れてくる!」
 誰が言ったか知らないけれど、それが合言葉になっている。
 RBCiラジオ主催「ゆかる日まさる日さんしんの日」は、3月4日に実施され、2013年は、その第21年目にあたる。
 読谷村立文化センター鳳ホールを主会場に9時間15分の生放送が三線の音色一色でなされる。11時45分、放送スタート。正午の時報を合図に祝儀歌「かぢゃでぃ風節」が演奏されるが、これは主会場のみならず、県内各地の公民館等の施設に結集した愛好家が呼応する。
 「かぢゃでぃ風節」は、時報ごとに演奏され、都合のいい時間を選択し、職場や小中学校、大学、団体、企業、老人会等々が、思い思いの「歌会」を楽しむとあれば「沖縄の春は、三線の音が連れてくる」という言葉が生まれるのも納得がいく。
 さらにさらに、3月4日の「歌会」は、県内にとどまらず北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、広島、福岡など県外でも自主コンサートが成されるほか、海外ではハワイ、ロスアンゼルス、ロンドン、パリ、ブラジル、ボリビアなど、県人の居る各国に波及している。明治41年〈1901〉、沖縄県から初めて移民をしたブラジルにおける「さんしんの日」の14ページからなるパンフレットをめくってみよう。


 表紙=ゆかる日まさる日・第五回さんしんの日・Festival de Sanshinとあり、*ところ:ブラジル沖縄県人会ホール。じかん:午後1時。とき:2010年3月7日の文字が見える。これは時間差によるもの。
 *2ページ目。共催:野村流音楽協会ブラジル支部。野村流古典音楽保存会ブラジル支部。琉球民謡協会ブラジル支部。琉球民謡保存会ブラジル支部。協賛:琉球筝曲興陽会ブラジル支部。琉球筝曲保存会ブラジル支部。ブラジル琉球舞踊協会、琉球國祭り太鼓。レキオス芸能同好会エイサー太鼓。協和婦人会。後援:ブラジル沖縄県人会・沖縄文化センター。
 *3ページ目。開会式順。
 *4,5ページ目。ご挨拶=実行委員会委員長知念直義。
 *6,7ページ目。祝辞=沖縄ブラジル協会会長西原篤一。琉球放送プロデューサー上原直彦。
 *8ページ目以降は式典、プログラム20演目紹介。司会与那嶺恵子と続いている。もちろんそれらは日本語とポルトガル語が仲よく躍っている。
 興味を引くのは裏表紙。

 大海の波濤がデザインされて(忍耐)の2文字が心を打つ。
 102年前、笠戸丸で県人50家族・355名がブラジルに移民して以来、現地での苦労は、まさに「波濤の中」でのそれで(忍耐)のみが異郷に生きるすべてであったのだろう。その開拓魂はいまなお根強く生きていて(忍耐)をことさら強調したものと思われる。
 「歌三線は、故郷の唯一の絆。この心の支えになるものがなかったら、移民者の今日はなかっただろう」
 5年に一度、沖縄で開催される「世界のウチナーンチュ大会」にブラジルから参加した老紳士の言葉が(忍耐)を裏付けしている。

 来月3月4日は、県内外及びパリ、ロンドン、ハワイ、ブラジル、ボリビアを電波で結び、レポート、演奏で「三線文化」を共有し、共鳴仕会うことになる。
 すべてとは言わないまでも、県内保有数推定22万丁の三線が、ラジオの時報音に合わせて一斉に「かぢゃでぃ風節」を奏でる。沖縄人の心がひとつになる瞬間である。遠くにいる「春」とて、駆け足でやって来ざるを得まい。
 主会場の舞台には、宮廷音楽、島うた、器樂、舞踊の演者が500名ほど出演する。
 あなたも来場しませんか。三線携帯で来場すれば、合同演奏ができる。
 詳しい案内は(RBCiラジオ・ゆかる日まさる日さんしんの日)のホームページを開いていただきたい。

 ※イベント情報
 ◇第36回 親子カババイ&もちつき大会 〈糸満市〉
  期日:2月17日(日) 13:00~16:00
  場所:平和祈念公園(多目的テラス広場)

 ◇ 第21回 2013おきなわマラソン 〈沖縄市〉
  期日:2月17日(日)
  場所:沖縄県総合運動公園スタート

 ◇2013 おきなわECOスピリットライド&ウォーク in 南城市
  期日:2013年2月24日(日)6:45スタート~18:00終了
  場所:沖縄県南城市ほか本島中南部一帯