旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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【花盛り・琉球舞踊】その②

2010-10-14 01:10:00 | ノンジャンル
 テレビの海外トピックス。スペインのフラメンコ・エジプトのベリーダンス・ハワイのフラダンスをまとめて紹介していた。「世界の子ども」と題して、10歳前後の子どもたちの民俗舞踊を取り上げている。
 子どもたちは皆、正式に教習してのダンスではないと伝えているが、実にツボにはまっていて大人顔負けのうまさだ。日本国内でも、徳島県の阿波踊りの行列舞いを見事にこなす児童を再三見かける。あれは、行事に合わせてわざわざ教えているのだろうか。これらは、沖縄でも普通に見る光景だ。4、5歳にもなると、いや、早い子は2、3歳からエイサーや即興舞いのカチャーシーの歌・三線を耳にすると器用に反応を示し、手を上げ、足を前後左右に運んで即興舞いをする子が実に多い。民族の血・民族のDNAのなせる業と思われるがどうか。このことの需要に応えての供給の表れのひとつが〔舞踊研究所・道場の数〕と言えよう。プロを目指す人、日常生活の中で楽しむ人。老若男女が研究所・道場の門を今日もくぐっている。
 大道勇著「琉舞手帳=初心者から上級者までの琉球舞踊解説書」から、主な研究所・道場。そして、流派、会派、舞踊家を紹介しよう。2009年10月現在調べ。先週号に続いての転載。
     
      踊り:知名剛史

 ※松含流。二代目家元=比嘉早苗<那覇市首里>
 *なをり会主宰=山入端直美<浦添市>*二ツ葉会主宰=宮良勝津美<那覇市>
 *師範=山城小百合<那覇市>*師範=比嘉智香子<那覇市>*師範=仲本ひろみ<うるま市>*師範=野原エリサ<南風原町>*師範=松川好美<那覇市>*師範=仲間江利子<浦添市>*師範=新城美佐代<宜野湾市>

 ※真踊流。代表・佳幸の会会主=宮城幸子<那覇市>*佳喜の会会主=喜納幸子<那覇市>*佳紀の会会主=安次富紀子<那覇市>*佳和の会会主=大城和子<那覇市>
 *佳瑞の会会主=瑞慶山和子<東京都多摩市>*佳麗の会会主=佐藤麗子<那覇市>
 *佳嶺の会会主=嶺井清美<浦添市>*佳藤の会会主=藤原悦子<埼玉県熊谷市>*真踊流師範=玉城昭子<那覇市>*佳喜の会師範=宮城祐子<那覇市>*佳紀の会師範=翁長律子<宜野湾市>*佳喜の会師範=入嵩西道子<浦添市>*佳喜の会師範=金城洋子<那覇市>*佳幸の会師範=知花恵子<豊見城市>。
 *世舞会会主=又吉世子<那覇市>*世舞会師範=根間教子<与那原町>*世舞会師範=金城幸子<南城市>

 ※宗家眞境名本流眞薫会。宗家=眞境名由乃<那覇市>*会長=瀬底正憲<南風原町>*眞薫直の会会主=眞境名直子<沖縄市>*眞薫結の会会主=眞境名結子<本部町> *眞薫直の会師範=仲田弥生子<宜野湾市>*眞薫直の会師範=多和田奈江子<嘉手納町>*眞薫結の会師範=仲程めぐみ<名護市>*眞薫結の会師範=仲真明美<名護市>*眞薫結の会師範=有銘澄子<本部町>*眞薫結の会師範=金城ちゑ子<本部町>

 ※玉城流。いずみ会家元=又吉静枝<那覇市>*おもろ町支部代表=又吉聖子<那覇>*いずみ会師範=真喜志恵子<那覇市>*いずみ会師範=具志幸大<那覇市>
 *糸和会家元=稲嶺盛秀<北谷町>*糸和会会主=稲嶺末子<北谷町>*糸和会師範=新垣徳子<中城村>*糸和会師範=稲嶺秀美<北谷町>*糸和会師範=稲嶺ひとみ<北谷町>。
 乙姫要乃会・二代目会主=冨里敬子<沖縄市>*乙姫要乃会師範=儀間正子<うるま市>*乙姫要乃会師範=伊舍堂千重子<那覇市>*乙姫要乃会師範=金城初枝<宜野湾市>
 *華豊の会・華豊正江の会会主=照屋正江<南城市大里>*華豊きみ子の会会主=上原生見子<糸満市>*華豊三千代の会会主=神谷三千代<浦添市>*華豊の会師範=内間みどり<南風原町>*華豊の会師範=大城初子<糸満市>*華豊の会師範=国吉垣子<糸満市>。

 「これからカラオケでもどう?」
ある出版パーティの中締めがなされたのは午後8時過ぎ。誘いをかけた知人の女性舞踊家は、にっこり答えた。
 「これから道場に戻って、自分のめの稽古をするのです。時間を調整しますから、また誘ってください」
 「エッ?師範のあたなでも、毎日稽古するの!」
 どんな世界でも、プロの道は厳しいことを知った。
 芸は「稽古を1日休むと下手になったのが自分で分かる。2日休むと同僚が分かる。3日休むと観客が分かる」と言われるのはこのことだろう。

   [舞踊家名簿]は、次週10月14日号に続く。