透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「新聞記者」を読む

2019-05-07 | A 読書日記



 連休の後半に『新聞記者』望月衣塑子/角川新書 を読んだ。

東京新聞社会部記者の望月衣塑子さんが演劇に夢中になっていた子ども時代、新聞記者になってからの日々の仕事の様子、記者としての思い綴った随筆(といってよいだろう)。

外した帯に**本書原案映画6/28(fri)全国公開**とあるが、新書が映画の原作になるというのは珍しいことではないか。読み終えてこれは新潮文庫に収録されてもおかしくない内容だと思った。帯の映画紹介文には**官邸とメディアの裏側を描く社会派サスペンス**とある。映画が公開されたら是非観たい。




 


火の見櫓のある風景6

2019-05-07 | H 「あ、火の見櫓!」


火の見櫓のある風景 塩尻市洗馬にて 190503

■ 前稿に載せた火の見櫓を反対側から描いた。火の見櫓を前景として配置すると、ある程度細部まで描き込むことになる。道路は左側が坂道で奥に向かって下っている。その先に集落が小さく見えている。この遠景は適当に省略する。色もそれ程付けない。電柱と電線は省略した。この電線は描くわけにはいかない。火の見櫓の脚元に住宅があるが、どうなっているのか確認しないで描いてしまったので、不自然な感じだ。省略して描くにしてもきちんと把握することは必要だ。



大型連休の後半は火の見櫓のスケッチをした。5日間で6枚描いた。スケッチをするのは5年ぶりだろうか。これからも時々、火の見櫓のある風景を描きたい。

DVDで映画を3本観たし、本も2冊読んだ。有意義に過ごせた連休だった。


「ライアンの娘」
「ひまわり」
「ブレードランナー」

「事大主義」室井康成/中公新書
「新聞記者」望月衣塑子/角川新書



 


火の見櫓のある風景のスケッチ5

2019-05-07 | H 「あ、火の見櫓!」


火の見櫓のある風景 塩尻市洗馬にて 190504

 横フレでスケッチしたが、写真のように縦フレの方が良かったかもしれない。あまり遠近感を感じない絵になってしまった。

火の見櫓に掛けてあった消火ホースは描かなかった。左側の電柱とその後方の大きな木も省略した。大きな木は絵の遠近感を損なうような気がしたから。ガードレールとその右側の住宅の間に坂道があるが、スケッチでは上手く表現できていない。もっとも下の写真でも分かりにくいが。背景に山が無いとなんとなく落ち着かない。

手前のシバザクラはもっと細かくキッチリ描いた方が、またシダレザクラの色はもっと濃い方が良かったのかもしれない。反省することがいくつもあるスケッチだが、まあ、これはこれで良しとする。





火の見櫓のある風景のスケッチ4

2019-05-06 | H 「あ、火の見櫓!」


火の見櫓のある風景 安曇野市三郷にて 190506

■ 火の見櫓を真ん中に配置し、空と水を張った田んぼのバランスもほぼ同じ、このような構図で描くことは普通しないと思う。それを敢えてやってみた。

午前9時半ころ描きだしたが、その時は安曇野のシンボル、常念岳も右側の横通岳も雲に隠れていた(下の写真)。近くのカフェで小一時間過ごして再び行ってみると、運よく雲が切れて常念が特徴的な山容を見せていた。


 


火の見櫓のある風景のスケッチ3

2019-05-06 | H 「あ、火の見櫓!」


火の見櫓のある風景 辰野町小野にて 190503

 国道153号を南下して伊那方面へ出かける時、この火の見櫓をその都度見ることになる。このような中遠景だけの風景は描きにくい。

この季節、様々な緑が野山を覆う。遠くの山は紫色を帯びて見えるが、その色を表現するのか難しい。電柱と電線を描くかどうか迷う。この風景の場合、遠近感を表現するものとして描き込んだ。写真にはタンポポが写っていないが、そのビビッドな黄色がきれいだった。






火の見櫓のある風景のスケッチ1

2019-05-06 | H 「あ、火の見櫓!」


火の見櫓のある風景 辰野町小野にて 190505

■ 大型連休の後半は天気の良い日が続いた。私はこの数日間、火の見櫓のある風景をスケッチした。

今まで見てきた火の見櫓を思い返して、絵になりそうな場所に出かけた。

線描きはペンを使う。一度引いた線を消すことはできない。下描きは全くしない。ぶっつけ本番。30分くらいで描き、その後やはり30分かけて着色をする。いや着色にはもう少し時間をかけるかな。

この絵を描いているとき、近所の女性が声をかけてきた。
「いい趣味ですね」
「子どものころから絵を描くことが好きだったんです。安上がりの趣味です」と私。
「羨ましいです」と女性。






旧更埴市のマンホール蓋

2019-05-05 | B 地面の蓋っておもしろい





 旧更埴市のマンホール蓋には市の花、アンズとその実が左右に、鮭が上下に描かれている。かつて鮭は信濃川、千曲川を遡上していて、マンホール蓋に描かれるほど馴染みの魚だった。

中心に更埴市の市章が描かれている。こうしょくの「こ」を点対称にデザインしたもので、鮭も180度回転させると重なる点対称のデザイン。マンホール蓋が円いことを意識したデザインになっているのは好ましい。



 


1180 諏訪郡原村の火の見櫓

2019-05-05 | A 火の見櫓っておもしろい


1180 諏訪郡原村中新田 3脚3無型

 総高(屋根頂部までの高さ)6mくらいだろうか。このくらいの高さの場合には火の見梯子とか、櫓の簡略型のことも少なくない。この火の見櫓は平面が3角形で、ひとつの構面を梯子にしている。このタイプはもう少し高い火の見櫓にも見られる(過去ログ)。



勾配のきつい屋根のてっぺんには飾り付きの避雷針があり、蕨手もある。これらは必須のアイテムというわけではないが、あればうれしい。この小型の火の見櫓によくぞ付けてくれた、と拍手したい。半鐘には切妻の小屋根が付けられ、さらに梯子には手すりを付けている。このタイプで手すり付きというのは少ないと思う。

この火の見櫓は生垣の中に立っている。私有地を火の見櫓のために提供していることに拍手。



 


上山田のマンホール蓋

2019-05-05 | B 地面の蓋っておもしろい





◎ 上山田町は2003年(平成15年)に更埴市、戸倉町と合併して千曲市になった。これは旧上山田町のマンホール蓋。蓋に円を描き、その中に戸倉上山田温泉の街なみを描き、背景に山、手前に千曲川を入れている。周囲には左側に町木のヤマザクラ、右側に町花の山ツツジを描いている。オーソドックスなデザインと言えなくもない。


 


1179 茅野市玉川の火の見櫓

2019-05-05 | A 火の見櫓っておもしろい


1179 茅野市玉川 4脚44型 撮影日190504

■ この火の見櫓も初めて見た。形が整っていて美しい。なかなか良いポジション取りができなくて、全形写真もこんなことになっている。もっと左に移動すれば建物の陰にならないが、私有地で立ち入ることができなかった。



見張り台は4角形の角が隅切りされている。私はこの形を8角形とは見ないで4角形と捉えている。この辺りの判断は人によって異なるだろう。見張り台直下に消火ホースを干すためのカンガルーポケット(KP 形からの連想で私が勝ってに付けた名前。後になって同名の観葉植物があることが分かった)がある。梯子との位置関係を見ると、この高さでKPに移動するのは怖いのではないかと思う。





美しい脚。諏訪方面には全形が美しく、脚も美しい火の見櫓が多いような気がする。


 


1178 茅野市豊平の火の見櫓

2019-05-05 | A 火の見櫓っておもしろい


1178 茅野市豊平 下古田公民館近く 4脚6〇〇型 消防倉庫屋上 撮影日190504

■ 長野県内の火の見櫓巡りを続けているが、まだまだ出合っていない火の見櫓が各地に立っている。未見の火の見櫓を見つけた時がうれしい。昨日(4日)、予定していなかった火の見櫓巡りでこの火の見櫓と出合った。背の高い火の見櫓が倉庫の屋上に立っていた。



4本の柱で6角錘の屋根を支えているが、3本の柱で4角錘の屋根を支えているものと比べて違和感というか、不自然さをそれ程感じない。屋根には幅広の平鋼の蕨手が付いている。



①の写真を拡大してみる。蕨手(わらびて)は屋根の下り棟に入れた下地材をそのまま伸ばしていることが分かる。蕨手は祭り神輿にも見られる飾りだが、何か機能的な意味があったのだろうか。蕨手にロープを結び、4方に引いて神輿の転倒を防ぐというような。調べてみたい。



踊り場の様子を見る。手すりのデザインは見張り台のそれの省略形。この蔓状部材によるハートを逆さにしたようなデザインをよく見る。なぜ各地の火の見櫓にこのデザインが共通に採用されているのだろう(*1)。

円形の床の場合、下地は放射状に配置されることも少なくないが、③を見ると4方向にそれぞれ平行配置されている。


*1 東京喞筒(そくとう)という会社が自社のカタログに「火之見鐵塔」を掲載していたことが知られている(カタログ掲載は昭和初期のことだと言われている)。火の見櫓の標準型が全国的に流通したことが、火の見櫓に基本形があることの要因だろうが、カタログに示されたデザインを見てもこの逆さハートのような具体的な形は示されていない。


1177 茅野市豊平の火の見柱

2019-05-05 | A 火の見櫓っておもしろい

■ 諏訪市四賀の火の見櫓をスケッチしようと出かけたが、後方の住宅群を描くのが大変だなぁ、とあきらめた。その後茅野市、原村まで足を延ばしてスケッチできそうな「火の見櫓のある風景」を探した。その過程で新たに出合った火の見櫓を数基載せる。


1177 茅野市豊平 1脚無無型(火の見柱) 撮影日190504




 


火の見櫓のある風景をスケッチする

2019-05-05 | H 「あ、火の見櫓!」


① 185 塩尻市洗馬下小曽部

邪魔な電線は描かなければよい。奥行きのある構図。遠景をどう描くか。


② 185 同上

上の火の見櫓を反対方向から見る。これはなかなか好い構図だ。右側に坂道があることが分かるように描かないと。


③ 180 上伊那郡辰野町横川

この風景は何年か前に描いたことがある。その時は縦フレで描いたが今回は横フレで描こう。


④ 182 上伊那郡辰野町小野

淡彩画向きの遠景 この風景も描きたい。


⑤ 681 諏訪市四賀

奥行きのある好きな構図だが背景をどう描くか、どう省略するか。


⑥ 678 茅野市宮川

これも好きな構図 この風景を構成する要素がそれ程多くないから描きやすい。


火の見櫓っておもしろいを本にしようプロジェクト。各章の中表紙に火の見櫓のある風景のスケッチをのせたらどうかという編集担当のK君の提案を受けて、絵になりそうな火の見櫓を見て回った。

連休中に描き終えてしまいたいが、さて・・・。


1176 東筑摩郡麻績村麻の火の見櫓

2019-05-04 | A 火の見櫓っておもしろい

■ 千曲市から国道403号の山道を通り、麻績村まで来た。このルートは善光寺街道とほぼ重なるようだ。昔の旅人はひたすら歩いて旅をした。この国は山国故、街道には山越えも少なくない。旅人は遠くに見えている山を目当てに街道を歩き(東海道の旅人にとって富士山はこの上ないランドマークだったはずだ)、山の上の俯瞰場で先の道筋を確認したことだろう。




1176 東筑摩郡麻績村麻 善光寺街道 3脚88型 撮影日190501



漫然と見ていると屋根も見張り台も8角形だということを見落とす。先入観から共に6角形だと思い込んでしまう。3角形の櫓と8角形の屋根。、見張り台という組み合わせは珍しい。





梯子の下の手すりが無い部分は後から付け足している。脚部にも後から山形鋼を重ねたようだ。強度不足だということが分かるようなことがあったのだろうか。


本稿で令和初日(5月1日)の火の見櫓巡り記録(全14基)を終わりにする。