透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

犬山城の近くの火の見柱

2024-04-25 | A 火の見櫓っておもしろい


― 愛知県犬山市(大本町通り) 火の見柱梯子付き

 二八会(同い年の幼なじみの親睦会)の仲間、FM君からラインで火の見柱の写真が送られてきた。FM君は国宝犬山城の近くに立っているこの火の見柱が目に入り、写真を撮ってくれていた。すばらしい。 

コンクリート柱を茶色に塗装している。城下町ということで景観に配慮したのだろうか。左奥の電柱と比べると分かるが、茶色だと印象がかなり違う。


屋根が木造だと気がついた。コンクリート柱の上端を2本の梁で挟み、その上に小屋組みを井桁状に組んでいる。棟木はどうしているのか、写真では分からない。極短い束を設置しているという常識的なことしか浮かばない(追記:SVで束が確認できた)。垂木を架け、切妻屋根、瓦棒葺き。

ここまで書いて、見張り台はどうしているのだろう、と気になった。で、送られてきていた火の見柱上部の写真をトリミングして追加掲載した(下)。


2本の角型鋼管でコン柱を挟み込んで固定、その上に見張り台を載せている。屋根と同様の方法が採られている。見張り台の床の四隅を方杖で突いている。なるほど、こうやっているんだ。

火の見櫓は十基十色だ。


 


20 佐久市根岸の火の見櫓

2024-04-08 | A 火の見櫓っておもしろい

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1509 佐久市根岸 平井公民館 4柱4〇型ロングアーチ脚 2024.04.02

 今月(4月)2日、久しぶりのヤグ活(火の見櫓めぐり)を佐久市内でして、20基観察した。この日の走行距離は193km、歩数はおよそ8,000歩だった。ヤグ活は思いの外歩く。本稿はその最後、20基目の火の見櫓の紹介。



下の3カットはほぼ同じ範囲を写している。(※ 私のパソコンの画面では3カット横並び表示)

・左はほぼ真横から撮った。坂道の脇に立つ火の見櫓だったので坂を登って少し遠くから撮った。立地的に撮影可能であれば撮るアングル。立面的な形状が分かりやすい。
・中は屋根と見張り台を1カットで撮る時、よく使うアングル。ほぼ毎回このアングルは撮る。立体的な形状が分かりやすい。
・右は火の見櫓のごく近くから見上げて撮った。見張り台や屋根の平面形が分かりやすいが、あまり撮らない。

火の見櫓の見え方は当然のことながら、アングルによってかなり違う。何を伝えたいのか、そのことを伝えるのにはどんなアングルが良いか。情報伝達の手段としての写真を考えて撮りたい。自省。

   


踊り場。折り返し梯子を掛けるのに必要なスペースをバルコニー型の踊り場(カンガルーポケットと呼んでいる)によって確保している。このタイプは東信・北信地域に多い。見張り台と同様に下膨れの手すりが設置されている。


脚は典型的なロングアーチ。これなら判断に迷うことはない。逆さU形。好きなカーブ。


 


19 佐久市大沢の火の見櫓

2024-04-07 | A 火の見櫓っておもしろい


1508 佐久市大沢 4柱44型たばね脚 2024.04.02

 火の見櫓は道路脇に立っていることが多い。電柱も同様であることから、上掲写真のように電線が邪魔になることが少なくない。他に適当なアングルが見つけられなければ仕方ない、周辺の様子が分かればよい、とあきらめて撮る。




半鐘を囲むようにスピーカーが設置されている。これは切ない。前稿、佐久市取手町の火の見櫓のような位置に設置するのが好ましい。


「昭和四十一年五月二十五日 警鐘楼建設 施工 平嶋鉄工所」屋根の裏面に建設年月日他が記されていた。こういうの初めて見た。漫然と見ていると見落とすこともあるだろう。気がついた自分に  


踊り場の様子。上下の梯子の方向が180度違う。共に櫓内で設置されているので、上下で向きを変えない直進型の設置は無理。


コンクリート塊の基礎が大きく露出している。こういう基礎を見かけないわけではないが、それ程多くはないと思う。


 


18 佐久市取手町の火の見櫓

2024-04-07 | A 火の見櫓っておもしろい


1507 佐久市取手町 4柱4〇型トラス脚 2024.04.02


 気がつくままに記す。
屋根が少し小さいという印象。屋根上の派手な飾りは今回のヤグ活で何回か見た。蕨手が小さい。
柱のところに木槌を掛けてある。木槌があると現役感があって好い(実際に使われているかどうかは別として)。
見張り台の内側の手すりの様子がよく分かる。
スピーカーの設置場所はここ、見張り台の下が好ましい。屋根下より存在感が軽減される。


踊り場の上下で梯子の向きが変わっていない。下の梯子の手すりを上の梯子まで伸ばしている。これは移動しやすいだろうな。


脚部 トラス脚かロング3角脚か判断に迷う。迷うというとは明確に定義されていないということ。さて、どうする・・・。

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火の見櫓の隣の百番観音堂に吊り下げられていた鐘。


 


17 佐久市平賀の火の見櫓

2024-04-07 | A 火の見櫓っておもしろい


1506 佐久市平賀 上宿公会場 4柱44型たばね脚 2024.04.02

 この火の見、全体のバランスが良いと思う。いいなぁって思う姿かたちって、ひとつじゃないんだな。やはり、みんなちがって みんないい。


緩勾配の方形屋根 避雷針に飾り無し ちょこんと小さな蕨手。見張り台の手すりのシンプルなデザイン。見張り台の開口上部の柱にも手すりを付けている。


必要最小限の踊り場。


典型的なたばね(束ね)脚。アーチ部材のカーブも好い。





16 佐久市内山の火の見櫓

2024-04-06 | A 火の見櫓っておもしろい


1505 佐久市内山 4柱4〇型ロング3角短脚 2024.04.02

 
国道254号脇から見た火の見櫓。2022年7月に群馬の火の見櫓めぐりから帰る時もここを通ったが、もっと遠くからこの火の見櫓に気がついていたと思う。


屋根と見張り台の手すりの間の空きが少ない。手すりが高いのか、屋根が低いのか・・・。見張り台の床面から屋根下端(軒先)までの高さは2mくらいが標準ではないか、と思う。どうも手すりが高いようだ。


正面から見ると櫓のフォルムが分かりやすい。櫓の上に見張り台と屋根が載っている感、強し。見張り台に対し、それを支える櫓上端のサイズが小さいように感じる。こういうバランスもありだ。




 


15 佐久市内山の火の見櫓

2024-04-06 | A 火の見櫓っておもしろい


1504 佐久市内山 肬水神社(石宮神社)のすぐ近く 4柱44型ロング3角短脚 2024.04.02

 2022年の7月、群馬県で火の見櫓めぐりをした。帰路、国道254号で下仁田町から佐久に入った。その時、この火の見櫓と出会った。車を停める適当な場所も見つからず、夕方ということもあり、観察をあきらめて通り過ぎた。また、来よう。

今月(4月)2日に佐久に出かけたのはこの辺りで見かけていた数基の火の見櫓を見たかったから。火の見櫓の後方に懸崖造りの肬水神社(石宮神社)の社殿があるが、そちらの観察はパス。


岩盤の崩落防止のためだろう、アンカーが設置されている。その前に立つ火の見櫓は強固な印象。背景によって火の見櫓の印象は変わる、ということだろうか・・・。


ロング3角短脚。この形が直線的に下方に広がる櫓の脚としてよく似合っていると思う。やはりデザインはいいとこ取りではダメ、ということだ。火の見櫓から学ぶことは多い。


 


14 佐久市内山のとんがり屋根

2024-04-06 | A 火の見櫓っておもしろい


1503 佐久市内山 4柱8〇型たばね脚(柱材とアーチ形の補強部材を脚元まで束ねている)
2024.04.02

 背が高くて、かなり細身の火の見櫓。なんだか不思議な、表現のしようがないような雰囲気が漂っている。なぜだろう・・・。




カンガルーポケットな踊り場 見張り台と同じように下膨れした手すり、蔓状の飾りも同じ。


基礎コンクリ―トが雑草で覆われている。ちょっと悲しい・・・。


 


13 佐久市内山の火の見櫓

2024-04-06 | A 火の見櫓っておもしろい


1502 佐久市内山 4柱44型複合脚(正面たばね脚、残り3面交叉ブレース)2024.04.02


 今回見てきた火の見櫓の大半が、この火の見櫓と同様に見張り台床面の開口上部の柱廻りに手すりを設置している。これは安全対策として好ましい。発錆していない火の見櫓は見ていて気持ちが良い。端正なつくりの火の見櫓。


踊り場の様子 梯子の切り替えスペースとして、これがミニマムな設え。


複合脚 正面のみたばね脚で開口を確保し、残り3面は交叉ブレースを設置している。


 


10 佐久市前山の火の見櫓

2024-04-05 | A 火の見櫓っておもしろい


1499 佐久市前山 4柱44型ロング3角脚 2024.04.02

 東信地域で見張り台の平面が4角形というのはかなり少なく、わずか9%(30/329)だ。火の見櫓からこのくらい引いたところから撮ると、火の見櫓がどんなところに立っているのか、周辺の様子が分かる。


フォルムが整っていて美しい。こういうのもあり、だと思う。脚が短いが特に違和感はない。




向かって左側の脚だけに横桟がある。これで脚上の踊り場まで登る、ということだろう。子どもが登らないようにするための対応だろう。