2009 03 08(日)
長岡市栃尾下来伝地区のほだれ神社に伝わるほだれ祭りの後、静御前の墓など見物してから、栃尾市街地にある秋葉神社へ・・・。
3月に上旬ですが市街地には全く雪は有りません。
商店街軒先の歩道には雪国特有の雁木(がんぎ)が設えられ、降雪の深さが偲ばれます。
栃尾市街地の近くの下をトンネルが通る小高い丘の上に秋葉公園があり、その中に目指す秋葉神社がありました。
石灯篭の並ぶ参道正面に鎮座しているのが秋葉神社総本社。
古色蒼然とした「秋葉大権現」の扁額。
左右には変わった面構えのお面が・・・鬼面でしょうか?迫力満点!!
左右の面で牙の向きが上下に違うもの面白いですね。
(栃尾の佐藤秀治様からのコメントで鬼面の名称は「釜戸面」と判明しました。)
秋葉神社の拝殿内部。 正面の上には秋葉山の扁額。
中央の祭壇には仏具など置かれていました。 神仏混淆の名残でしょうか?
境内に鐘楼なども建てられて大きな梵鐘の吊るされ、お寺の雰囲気も醸していました。
拝殿の内部には沢山の絵馬が飾られていましたが、正面右上に珍しい絵馬発見!
「秋葉三尺防」と題された奉納絵馬は難しい幾何学の解答絵馬で、算額とも言われます。
尺寸と和数字で和算を使い大小の円球体や扇形・角度などが見事に計算されています。
秋葉神社は和算数学の神様でもあるのでしょうか?
その昔、栃尾の住人で医師であり数学者の諏訪佐嘉右衛門嘉継が弟子たちと解いた幾何問題の解答集の奉納算額だそうです。
越後の山奥・栃尾には頭の良い学者が住んでいたのですね。
秋葉神社拝殿の軒先下に飾られた透かし彫り彫刻は見応えがあります。
風雪の厳しい風土に相応した荒削りな彫刻には豪壮な気配が漂っていました。
龍や孔雀などの珍しい動物や中国の賢人たちの寓話を丁寧に彫り起こした彫刻が社殿の至る所に見られます。
初春の光を浴びる秋葉神社の拝殿と後ろ続く本殿(奥の院)。
ここ栃尾の秋葉神社が全国にある秋葉神社の総本社だったのです。
現在は静岡県浜松市にある秋葉山本宮秋葉神社が総本社とされていますが、栃尾の秋葉神社は勢力を大きく拡大し、江戸時代の寛保3年(1743年)に栃尾と静岡の秋葉神社で本末を争ったという記録があります。
栃尾の秋葉神社は現在では近くの曹洞宗清瀧山常安寺の管轄になっていますから、神仏混淆の模様がうなずけます。
秋葉神社の祭神は三尺坊大権現。三尺坊は信州で産まれ、栃尾の岩野蔵王堂で修験道の奥義を極めた修験者。
空中を自在に飛行する神通力を備え栃尾の秋葉山に延暦2年(783年)秋葉権現を造営したとされています。
栃尾秋葉神社は「火坊日本総本廟秋葉三尺坊大権現」とも言われ、防火の神様としても尊崇されています。
次回は栃尾の秋葉神社本殿の豪壮華麗な彫刻編。
2009 03 27(金) 前橋市薄 最高気温12℃ 寒~。
おまけコーナー。
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「秋葉大権現」額の左右に飾られた鬼面についての貴重なご指摘有難うございます。
釜戸面という名前とは全く知りませんでした、早速ブログに記載させて頂きます。
また、何か間違っていましたらお教え願えれば幸いです。