2010 10 11(月・祝日)
花火を追いかけて長野県の南の果ては下伊那郡阿智村清内路へ・・。
平成21年の合併で阿智村になるまでは清内路村(せいないじむら)と呼ばれた長野と岐阜の県境に位置する山中の集落。
前橋を午後2時に出発、雄大な浅間山を見ながら信越道を快調に走りますが・・。
長野自動車道の塩尻から少しづつ渋滞が始まり、中央自動車道の名古屋方面では伊那近辺でトラック炎上で更に渋滞。
予定より1時間ほど遅れて飯田ICを出て、日暮れた一般国道153に入り、智里地区で右に分かれて国道256号線を山中へ進み、目指す“清内路”には夜の6時40分に到着。(前橋市から300km)
花火が奉納される下諏訪神社に一番近くの清内路小学校校庭が無料P場に。
7時からの花火大会のため、校庭は満車状態!
隅に駐車し、小学校門傍の石仏に旅の平安を祈りながら坂道集落を歩いて諏訪神社へ。
途中では江戸時代から続くような商家もあり、地元銘酒や特産品など販売中。
諏訪神社への参道両側に雪洞(ぼんぼり)が並べられ、電球の仄かな明かりで人々を誘います。
右角の特設店舗で購入した「松茸お握り」は絶品でした。
3個だけ売れ残っていたので特別に半額の一個50円!
早速、夕食代わりに食べましたが、オニギリの三分の一が松茸で大感激!!
この地方は松茸の産地で、今年は大豊作との事でした。
雪洞明かりを頼りに小路を上がります。
小学校から6分ほどで花火会場の下諏訪神社へ到着。
既に沢山の見物人が集まっていました。
境内では清内路小学校太鼓クラブによる“祝砲 花火太鼓”の元気一杯な演奏!
賑やかな太鼓の響きで境内が活気づきます。
太鼓の演奏が終わると下諏訪神社境内は立入り禁止に。
参拝を済ませ社殿前の石階段に陣取りました。
諏訪神社に向かって左は「建神社 大三国」(たてじんじゃ だいさんごく)、右は「諏訪社 大三国」の大きな雪洞が置かれていました。
この神社は正面が諏訪神社で、その左には建神社が鎮座する境内共用の合併社。(通常は下諏訪神社と云います。)
清内路煙火の由来は、江戸時代に清内路の煙草葉(香り高く火持ちが良いので遊女たちに好まれ「花魁煙草」と呼ばれた超一級品)や柘植櫛などの木工品を東海・三河方面へ行商した折、三河手筒花火の火薬製造を学び清内路に伝えたのが始まりと云われます。
1731年(享保16年)諏訪神社再建祝いに奉納された手筒花火や龍勢(ロケット花火)が評判を呼び、それ以降、清内路煙火は大飢饉・大災害や第二次大戦中でも絶えることなく、今日まで280年もの長き守り継がれてきました。
境内から人が出され、いよいよ“諏訪神社・建神社 秋季祭典奉納大煙火”が開始。
夜の7時過ぎ下伊那の真暗な夜空に、先ずは打上げ花火が奉納。
打上げ花火をご覧下さい。
清内路 諏訪神社打上げ花火 2010年 2.
続いて「薬研の技」県無形文化財の諏訪神社「仕掛け煙火」の開始。
社殿前から綱火と呼ばれる火矢が飛び出し、空中を滑空して見事に仕掛け花火に命中!
円盤が花火の噴射でクルクル回る“巴車”(シャクマ)。
他人のフラッシュで鳥居と境内が明るく見えます。
豪快で見事な仕掛け煙火、巴車から花笠、行灯(あんどん)へと変化します。
諏訪神社仕掛け煙火をお楽しみ下さい。
清内路 諏訪神社仕掛け花火 2101年 1.
諏訪神社社殿から次々に手作り火薬が運び出され、境内に立てられた“三国柱”の最上部に引き上げられます。
その作業の間は華麗な打上げ花火のショータイム。
いよいよ、諏訪神社奉納煙火の前半の目玉である“諏訪神社 大三国”の開始。
境内の三国柱最上部に据えられた煙火筒に綱火から点火され、勢いよく火柱が噴出。
降りしきる熱い火花の下で諏訪煙火有志会の若衆たちが「オイサッ、オイサッ・・・・・。」の掛け声を出しながら「きおう」を行います。
諏訪神社 大三国煙火をお楽しみ下さい。
清内路 奉納花火 2010年 3.
引き続いて後半は建神社の部。
「建神社 仕掛け煙火」が始まります。
三国柱横に設置された囲い櫓では二つの巴車が火を噴出してクルクルと。
建神社 仕掛け煙火をご覧下さい。
清内路 建神社仕掛け花火 2010年 4.
建神社仕掛け煙火の終了後、花火製作を学んだという三河からの手筒花火「三河手筒の舞」が夜空高くに射出されます。
三河手筒の舞をご覧下さい。
清内路 手筒花火 2010年 5.
最後に奉納される“建神社 大三国”煙火の準備中は打上げ花火が漆黒の夜空に大輪の華を咲かせていました。
建神社打上げ花火をご覧下さい。
清内路 建神社打上花火 2010年 6.
建神社大三国煙火のために高い三国柱上に長い煙火筒が取付けられます。
危険な作業を行ったのは建神社煙火有志会の皆様。
建神社の雪洞から綱火が放たれ、境内を一周し三国柱へ命中!
“諏訪神社大三国”と同じ様に猛火の下で「オイサッ、オイサッ・・・・。」と「きおう」を法被姿で行います。
建神社大三国をお楽しみ下さい。
清内路 建神社大三国 2010年 7.
大三国も無事終了、煙火有志会の皆様ご苦労様でした。
来年も楽しい花火をお願いしつつ、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
下清内路で楽しんだ後、国道256を飯田市へ戻る途中にある清水で小休止。
清内路村から木曾路へ抜ける道中には1~5番の清水が湧き出し旅人の喉を潤したそうです。
昼神温泉近くの国道脇に湧き出しているのが一番清水。
夜10時、暗闇のなかフラッシュ撮影。
下方の二ヶ所から冷清水が流れ落ち、脇には水神碑なども。
湧出する清水の手前に立つ「山しずかなれば、笠をぬぐ」は種田山頭火が詠んだ句碑。
山頭火は上清内路の長田屋に暫らく逗留し、清内路の風物を多くの句に残しました。
伝統を誇る“清内路奉納煙火”は全国で唯一の手作り花火、絶対のお奨め花火です。
2010 12 02(木)記。 前橋市 薄 最高気温16.2℃
おまけコーナー。
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