2015 10 04(日)
快晴の秋の日曜日、群馬県太田市から始まる珍しい“松茸行事”の見物。
この松茸を主題とする行事は“太田松茸道中”といい、毎年この時期(10月第1日曜日)に開催され、今年は数を重ねて26回目。
江戸時代初期の寛永6年(1629年)に徳川将軍家へ館林藩主から秋の贈品として太田の金山(かなやま 標高239m)から採取した松茸を献上した事に由来とするそうです。
明治時代からは皇室へ毎年献上し、松茸道中は昭和30年まで続けられました。
松茸は香り鮮度が重要視され江戸までの約75kmをリレー式で、午前9時から翌朝5時までの約20時間で運んだとの事。
太田市金山町にある「子育て呑龍」として有名な“浄土宗義重山大光院新田寺”で行われた「第26回 太田松茸道中」。
江戸時代の元和元年(1615年)に落成した吉祥門から“松茸道中”は太田市内へ繰り出します。 吉祥門の正面に建つ伽藍は大光院新田寺本堂。
「子育て呑竜」と親しまれる呑竜上人を祀る開山堂、この前で松茸道中の出発式が行われます。(下画像は午前9時30分頃)
松茸道中出発の前の午前10時30分頃、参詣者・見物客などに「松茸お吸い物」が配られ大好評を博していました。
松茸お吸い物配布を手伝ったミス・八瀬川とミス・太田のお嬢様も松茸道中に参加するとか・・・。香豊かな松茸のお吸い物。
松茸道中出発式に太田市長は間に合わず、市議会議長や教育長たちが出発式のご挨拶。 篭には沢山の松茸が鎮座。
開山堂前に勢揃いした「松茸道中」を演じる方々・・・装束は太田市で貸与。
整列してから熊谷市妻沼町の“聖天山”へいざ出発!!(午前11時10分頃) 吉祥門から出て太田市内へ・・・。
大光院から旅立った松茸道中は昼の休憩地に指定された太田市庁舎へ・・・・、そこで秋の味覚の松茸弁当の食事が供されるそうです。
第26回 松茸道中 太田市大光院 出発式。
松茸道中は群馬県と埼玉県を隔てる坂東太郎利根川に架かる刀水橋(810m 刀水は利根川の異称)を渡って埼玉県側へ到着。(午後1時30分頃)
熊谷市妻沼町から裃姿で松茸道中のお出迎え儀式も行われました。
第26回 松茸道中 利根川刀水橋。
利根川の刀水橋を無事渡り、松茸道中の一行は一路妻沼の聖天様へ歩を進めます。
秋というのに夏を思わせる暑い日差しの中、粛々と“献上松茸”のお駕籠を運びます。
松茸道中は無事に妻沼の聖天山の到着、山門から境内の長い参道を進んで本堂へ・・・。
江戸時代は寺の門前を通過して江戸に直行したので、「門前を 走る松茸 江戸に行き」という句が残されています。
聖天山歓喜院の大僧正様が直々に松茸道中をお出迎えになり、歓迎と慰労のご挨拶があります。
太田市金山の大光院から運んできた「献上松茸」の引渡し式。 太田市と妻沼町のマスコットキャラクターのご挨拶。
献上された松茸・・・大光院の出発時より半分に?? 太田市の「おおたん」と妻沼町の「えんむちゃん」(縁結びマスコット)
無事に松茸道中の参拝式を済ませた後、国宝の本殿前で参加者全員で記念撮影の運びとなりました。(午後3時頃)
第26回 松茸道中 聖天山歓喜院境内 到着式。
全ての式次第終了後、聖天山境内で食事のお振る舞いがありました。松茸道中の方々も役目を終えて気楽に参加。
美味しい具入りお握りと松茸だらけのお吸い物!! 境内には松茸の香りが馥郁と漂い、目にも口(味覚)にも有り難い松茸道中となりました。
最後に松茸道中歓迎の「妻沼八木節」がご披露されて秋を彩る美味な祭典も佳境を迎えます。
第26回 松茸道中 聖天山歓喜院 八木節。
6年前の松茸道中記事を参照。 写真は松茸みこし。
「金山御林と献上松茸」。
http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-009kyoiku-bunka/manga-13.html
例年、太田松茸道中行列に華を添えていた“松茸みこし”が無かったことが少し寂しく、またの復活を期待します。
2015 10 14(水)記。 前橋市 最高気温 23.1℃ 最低気温 11.9℃
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