キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

久良岐能舞台でフォルモサ能

2022年12月14日 | ☆エンタメー舞台
友人が能楽師さんに弟子入りしてお稽古している話を以前も書いてきたと思います。これまで何度か、発表会や無料ご招待の能公演に行ってきましたが、ついに有料のイベントに行ってきました。
今回のはちょっと面白い内容です。

以下イベントページからの引用です

「羽衣、八島そして月宮殿ーフォルモサの能、彼女たちの仕舞」 

2022.11.20, 26 17:30-18:30
久良岐能舞台

アーティスト:陳飛豪 Artist: Fei-Hao Chen
出演:岡部千枝 、岩澤侑生子 Cast: Chie Okabe, Yukiko Iwasawa
キュレーション:権祥海 Curation: Sanghae Kwon

台湾台北市の西門町に、日本統治時代に建てられた古い建物がある。現在、日本風居酒屋として使われている大村武居酒屋である。かつてこの建物の所有者であった喜多流能楽師・大村武は、日本統治時代に台湾に渡り、台湾では数少ない能舞台兼稽古場を設立した。それが台湾における喜多舞台の始まりであった。
日本統治時代の台湾における能は、それ自体、美的価値を持つと同時に、日本文化の象徴として存在していた。台湾の歴史のなかでほとんど忘れられてきた日本の伝統芸能の文化的文脈をどう捉えるべきだろうか。植民地主義の観点からこのような芸術をどう評価すべきだろうか。このプロジェクトは、喜多舞台の歴史を探るとともに、それをめぐる対話の場を開くものである。
もう一つの重要な点は、台湾における喜多流は、日本から離れていることもあり、男女問わず受け入れていたことである。日本では、能楽師は男性であったが、台湾では、女性も能楽の舞台に立つ機会があった。1929年、台北の建功神社大祭奉納能楽「月宮殿」でシテをつとめた三宅康子という女性は、喜多流で学んでいた。
このプロジェクトでは、陳飛豪と権祥海が新台湾喜多会の岡部千枝と俳優の岩澤侑生子を招き、台湾の歴史に縁のある能「羽衣」、「八島」、「月宮殿」の仕舞とレクチャーパフォーマンスを組み合わせることで、台湾の歴史と能の関係を浮き彫りにする。能という男性中心の芸能と日本統治時代の歴史との結びつきを、女性の演者によって覆すのである。それは、トランス・カルチャーな歴史を確立し、地域の記憶とジェンダー・アイデンティティを探求する新たな通路となるだろう。

*参考文献:王冬蘭「日本統治下の台湾における能楽活動の基礎研究ー資料に基く台湾能楽史の構築をめざして」


プロフィール
陳飛豪(Fei-Hao Chen)
1985年、台湾新竹市生まれ。コンセプチュアルな写真と映像を用いて、歴史や文化、社会の変化に関連した様々な事象を読み解くアーティスト。イメージとインスタレーション、ビデオ、文学を組み合わせ、異なるメディアの収束の可能性を探っている。

岡部千枝(Chie Okabe)
シテ方喜多流舞教士。シテ方喜多流能楽師・粟谷明生師に師事。2020年9月、能『羽衣』にて初舞台、2022年4月、能『小鍛冶』後シテ。東北大学能楽部等にて指導を行う。台湾喜多会を主宰し、台湾での能楽ワークショップを行うほか、2022年2月、日本台湾交流協会主催「能劇入門講座」にて日本側講師を務める。

岩澤侑生子(Yukiko Iwasawa)
俳優。幼少時に東映京都スタジオで子役としてデビュー。京都造形芸術大学舞台芸術コース卒業。新国立劇場演劇研修所7期修了生。2018年に台湾教育部華語文奨学金を得て1年間台湾に語学留学したのち、大学院に進学。淡江大学日本語文学学科にて日本統治時代の台湾演劇を研究。2022年夏、修士号(文学)取得後、帰国。

Tickets:前売り・当日 2000円(税込)
Access:久良岐能舞台(神奈川県横浜市磯子区岡村8-21-7)

主催:陳飛豪、権祥海
助成:國家文化藝術基金會
協力:435 Art Zone、PARADISE AIR

これだけ読んでもいったい何をやるのかさっぱりわからなかったのですが、会場が横浜の能舞台だし、台湾関連だし、友達出るし、で行ってきました。

風情ありますね。

公民館みたいなたたずまいです。


おっ、畳敷きなんだ。

開演を待ちます。


舞台はこんな感じでした。

台湾や朝鮮半島における能の歴史の話、
仕舞「羽衣」「八島」「月宮殿」。
能の身体の使い方のレッスン(こちらは見てるだけです)
など、1時間の中にギュッとコンパクトに詰めてあり見ごたえありました。

友人はいつのまにか指導者になってた・・・
すごいなぁ~。



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