いつだったか本屋さんへ行ったら、こんな風に「横浜中華街」という本が平積みになっていました。「世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史」とあっては、読まないわけにはいかないでしょうと、買ってきました。
横浜中華街の近所に住まう身としても、
一瞬とはいえ、地理学徒だった身としても。
面白すぎて一気読みしました。
この著者、何者????
と思って調べたら、人文地理の先生でした。
山下清海先生。
教育大、筑波大、秋田大、東洋大、筑波大ときて今は立正大学にいらっしゃるらしいです。そして、この春退官されるそうで、最終講義の案内がHPに載っていました。
この本おすすめ!!2021年12月に出たばかり。
(グルメ情報はないけど)
中国台湾香港関係が専門のジャーナリスト野嶋剛 さんの書評
全くの部外者ではあるのですが、お願いして最終講義を聴講させてもらいました。幸いオンラインで聴講可能でした。
(平日昼間だったので仕事を休んで参加しました)
私が横浜中華街に興味を持ち始めたのが、ここへ引っ越してきた2年前からなので、まったく不勉強だったのですが、山下先生は修士の院生だったころからチャイナタウンをフィールドに地理研究をされてきた方でした。
横浜中華街はもちろん、いまホットな「池袋チャイナタウン」(このなまえは山下先生が命名したのだそうです)や世界中のチャイナタウンをフィールドワークされていて、論文だけでなく、読みやすい著作もたくさんおありなのだそう。
というわけで、図書館でいろいろ借りてきて読んでいます。
チャイナタウンといえば、私が行ったことのある外国にはほとんどチャイナタウンがありました。サンフランシスコも行ったし、ロンドンも。ローマで入った土産物屋さんが華人だったので中国語で話をしたのも懐かしい思い出。
東南アジアはシンガポール、クアラルンプール、ペナンはチャイナタウンというか、華人人口が多い町だったし。
タイやベトナムでは、チャイナタウンの印象は薄いけど、中華な店があるのは当たり前だと思っていた気がします。
チャイナタウンという街を形成していなくても、グアムやサイパン、フィリピン、でも華人の経営する店には普通に行ったしね。
そう、アフリカのアンゴラに住んでいた知人が「日本食の店はないけど中華の店はあって、親切にしてもらってる」と言っていたのも思い出します。
華人のパワーはすごいな~。
なんて思っていたのですが、その土地その土地で華人の流入には時期の違いや出身地域の違いがあることを知りました。
日本の中華街は広東系が多い(横浜中華街は老舗は広東料理ばかり)。
アメリカも。イギリスも。
東南アジアは、福建と広東と海南。
でもフランスは仏領インドシナ出身の華人が多くてベトナム風の中国料理。
オランダはインドネシア出身の華人が多くてインドネシア風とか。
韓国は山東地方の人が多かった。そして韓国の中華料理と言えば「ジャージャー麺」。
よく考えてみたら、いろいろ違うんだなぁ。
そして全世界的に新しいチャイナタウンは、中国の改革開放以後の人々で形成されて、出身地もまた変わってきているのだそう。
旅行や生活の中で触れてきたことなので、興味深く読みました。
もうすこし深追いしてみようと思います。