帰省初日、父が「チヘンジに行ってみようか?」という。
「チヘンジ?」聞いたことないけど、お寺かな?
父によるとなかなかいいところだという話。
これまでの経験上、父がこうやって誘ってくれるところは間違いなく興味深い場所なので出かけます。
みちみち説明を聞くと、どうやら奈良時代創建の古いお寺の跡らしいとわかりました。遺跡らしい。
へー、熊本にそういうところがあるんだー。
詳しいことは、こちらの公式ページへ。
熊本市西区、海に近い方にあります。
金峰山に連なる山がいくつかある中に「独鈷山」と呼ばれる山があります。なんと、空海が唐から法具を3つ投げ日本に届いたうちの一つ独鈷がここに落ちたのだそう。(ホンマカイナ…)
池辺寺の遺跡はそこから近いところにありました。
池辺寺の遺跡はそこから近いところにありました。
遺跡に到着。
発掘された礎石などから復元した本堂模型。
本堂の入口ナノでは?と考えられているところ。大きな平たい石がありました。
さて、お寺の跡なら日本全国あっちこっちにあるでしょうが、池辺寺の特徴的な遺物はこの「百塚」(「百塔」とも)
百基ある石塔です。
こんなふうに縦10基×横10基、計100基の石塔跡が、本堂の背後に見つかったのだそう。本堂の前には池などのある庭園も見つかりました。
見つかる前からこのあたりは「百塚」という地名があり、耕作してはいけないと伝えられてたのだそう。
なだらかな斜面に規則正しく並ぶ石塔。
「塚」と呼ばれてきたけど墓ではないらしいです。では何だったのか?
わからないんだって!
こういう建造物は日本全国的にも珍しく、何なのかわからないそうです。
ロマンだ!
下の写真は復元された石塔です。
百塚の上から斜面の下の方(熊本市内)を眺めます。
写真ではわかりにくいですが、正面に花岡山の仏舎利塔が望めます。
石塔の周りは舗装されたので、石塔の中に草がたくさん生えてる。
本堂のあったところを横から眺めたところ。
人影が見えるのが本堂のところ。
訪問した日、熊本は10月というのに30度を超える真夏のような陽気でしたが、ここに吹き渡る風がとても気持ちよかった。
人影が見えるのが本堂のところ。
訪問した日、熊本は10月というのに30度を超える真夏のような陽気でしたが、ここに吹き渡る風がとても気持ちよかった。
景色も良くて、古代にここにこういう大きな寺が作られたのもわかるような。
創建は奈良時代。
ということは国家鎮護の仏教だったはずで、お寺が大学みたいな教育機関でもあった頃。
今行くと、熊本の市街からも離れた辺鄙な山の中にあるイメージですが、奈良〜平安初期にかけてはある程度交通の便もよかったはず。熊本にあった国府は今の国府電停のあたりなんでしょうから、そこからは相当離れてますが。
研究が進んでもっと色々わかったら楽しいですね。
つらてこられてよかった。
お父さんありがとう。